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クリエイト!(その3)  作者: 大塚
新しい始まり
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最初の一人

 「えーと、さてお助けラジオなんだけど、内容どう?」

 番さんがぱく、とご飯を口に運んだ。

 「あ、はい。前後に区切って、前半にお助け部の紹介、後半にお悩み相談のコーナーを作りたいな、と思ってます。」

 猫実さんも話しては食べる。女子の弁当箱を近くで見るのもなかなか新鮮だ。猫実さんは木でできたしっかりした弁当箱に、おにぎりとおかずが詰まっている。鮭の切り身とブロッコリー、切り干し大根のような煮物。向こうにいる番さんは、ブラスチックの二段弁当を広げて、からあげとご飯をかきこんでいる。巧といえば、母が作ってくれた海苔弁とおかずである。母は必ず、白米に何かしら乗せてくれる。のりだったり、ふりかけだったり卵だったり。

 「うーん。」

 番さんは、うなずきながら猫実さんの話を聞いている。

 「それで、リクエストとかお悩み相談を受けたいのですけど、チラシを必要と思ってデザインしてきました。」

 猫実さんは、おにぎりを持ちながら、とうとうと話す。

 言いおわると、パクト、先のほうをかじる。

 放送室が静かなこともあって、会話が心地よく耳に入る。巧は落ち着いて話を追いかけることができた。

 「リクエストは、まず一人見つけてくることね。」

 番さんは人差し指を立てた。

 「まず、その一人でコーナー作って、その中で呼び掛ければ宣伝になる。」

 「あ、じゃあ…。」

 巧も手を挙げて発言する。声だけだと、気づいてもらえるか不安だったのだ。二人とも巧に注目した。

 「チラシは配ったりする必要あまりないのかな。」

 「うーん、どっかに貼っとくのはいいけど、一枚一枚配る必要ないかな。放送でこういうコーナーがあるってわかればそれが宣伝になる。」

 「なるほどですね。」

 猫実さんがうなずいている。巧も放送部なりのやり方を知れて、納得する。知らない人に声をかけるというつらい作業も減りそうだ。

 「最初の一人、が大事ですね。」

 巧もそういうが、そもそも声をかけられそうな人が思いつかない。

 「何か思いあたる?」

 「うーん。」

 猫実さんも腕を組んで考えている。

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