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クリエイト!(その3)  作者: 大塚
新しい始まり
34/118

オタスケ部?

 巧は無理に連れてこられたことで、心の壁を作ってしまっていた。しかし、勝は怖がらせるために、ここに連れてきたのではないだろう。本意を伝える暇がなかっただけだ。目の前にある勝浦の真剣な目に見て巧は、落ち着きを取り戻した。

 「申し訳ないですけど、文学部に入部することはできません。他の部活があるので。」

 「えっ、浅野って帰宅部じゃなかったのか?」

 勝浦が眉をひそめて、疑い見る。たしかにホームルームの後、誰とも目をあわせずに、一目散に教室を出る巧はそう見えるのだろう。

 「お助け部です。」

 と巧は言った。言った瞬間に、目の前の三人がぽかんとして言葉を失った。巧は同時にぽかんとさせた人数の最多記録を更新した。

 「おたすけ部…?」

 村田先輩が、頭の上にクエスチョンマークを作る。

 「あ、わかった。」

 リッカーが、パチンと手を叩いた。

 「おたくと、スケ番が集まる部だ。」

 「ち、違います。」

 巧は急いで軌道修正する。

 「んな訳ないでしょ。」

 村田先輩もリッカーの独特な想像を打ち消す。

 「なんかボランティアとか人助けをしてるってこと?」

 「はい。」

 巧はかみきれない感じで応えた。

 「もし、書く人だったらウェルカムだけど、兼部はできないしね。」

 村田先輩は、とん、とひじを机にかけてほおずえをついた。目の前にいる三人は、どこか普通の高校生で、むしろ親しげがあった。小説を書いている、と言われなければわからない。巧は、書く人、をあまり見たことがなかった。知っていたとしても、それが夜桜先輩という常人離れした人だったから、参考にならなかった。

 「…っでなんでオレを見る。」

 勝浦がリッカーにじっと見られていることに気がつく。ハエを追い払うように視線を振り払おうとする。

 「いや、勝のせいで浅野君に迷惑かけたじゃん。」

 リッカーは机に突っ伏して、違う角度から勝を見る。勝は鬱陶しそうにそっぽを向く。

 「お前、オレは文学部のことを思って。」

 「わかるけど…。無理矢理連れて来られたの?」

 村田先輩が申し訳なさそうに、巧を見る。

 「うん、まあ…」

 と巧がうなずくと、先輩はため息をついた。

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