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レクイエムはまだ捧げない  作者: コラソン


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9/58

再会の話と源次郎

板倉 大志。35才。俺だ。

35才にもなるのに、上手い言葉が見つからなくてiPhone片手に悩みまくる


メッセージアプリ。

高瀬に宛てて、最初のひと言を

打つのに、悩んでいた。


『久しぶり!元気か?たまに飲みにいかないか?』

ウーン。高瀬、仕事忙しいか。却下。


『俺毎日暇だから、たまには話聞いてくれよ』

いや、何か違うな。これも却下。


『最近行った店良かったから、週末一緒に行かないか?』

良かった店はキャバクラだ

千尋に申し訳ない。ダメすぎる勿論却下


そんな感じで

入力しては消してを繰り返す。

いいかげん、スパッと送信したい。

あれこれ考えて、もう1時間くらい

経過しただろうか。


腹も減る。


丁度いいタイミングでインターフォンが鳴る。


焼き鳥と、酒が入った袋を持った

森田が来た。


「大志、早速だけど、透の家に行こう。

日曜日。昼からでいいか?」

中に入り、さっそく森田が言った。


俺がiPhone片手に悶えている間に、

森田が直接高瀬に電話したのだ。


俺は「何て話したんだよ?」


森田は焼き鳥を出しながら、

「単刀直入に言うけど、俺と大志は

透に会わなければいけない。日曜日時間くれ

大事な話だって言っただけ。」

と森田は説明した。


「俺なんてさぁ、変に考えすぎて、

悶えまくったよ。」


森田はちょっと笑いながら

「透、変に気使われるの苦手だろ。

嘘とか、通じないだろうし。」

と言った。


「わざわざ、それだけ伝えに俺んちきたのか?」


森田が

「ああ、本題は、計画…っていうより、俺思った事があるんだ。」


「思った?何を?」


森田が思ったことは、

「今回の件、正直にゲンサンの事を

話した方がいいんじゃないか?

俺達も説明に困るだろ。」


それはそうだが、俺としては、

「急にジジイの天使がいて…なんて話

誰も信じないだろ?

急にそんな話されたら

普通に頭がおかしいって心配される。」

と言った。


「だから、それだよ。逆手に取って考えた。

俺、透に嘘を混ぜて話すのは嫌だし

限界くるのがオチだろ。

直接ゲンサン連れて、正直に話す。

これがベストだと思うんだよ。」


なるほど…だが俺には懸念がある。

「肝心のゲンサンは?世間にバレたらまずくないか??」


森田がゲンサンに、メッセージを入れる


『ワシ、行くよー』とすぐ返事がくる。

何か、軽いな、このジジイ。


いくらなんでも、凛にゲンサンを見せるのは良くない。

老人の背中から、羽根が出るなんて

ホラーでしかないからだ。


俺達は、「秘密の話だから」とアホみたいな理由で、凛を連れて千尋に実家へ遊びに行ってもらうように高瀬にお願いした。


俺と森田は、

「ゲンサンを受け入れてもらえますように!!」

「高瀬家が平和になりますように!!」

と祈って、ビールで乾杯した。

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