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レクイエムはまだ捧げない  作者: コラソン


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驚愕な出来事は、受け止めるのみ


古びた銭湯の中は

やはり古い。が、キレイに手入れされていて

気持ち良く利用できそうだ。


脱衣場では、少し離れた場所で

おそらく学生の集団だろう。

湯上がりに、楽しそうな様子も伺える。


その中の1人が

「ようこそーブリーフ銭湯へー!!」

と言い、

周りの学生も皆で

「ようこそー」と続けていた。

楽しそうだ。


なんのこっちゃわからないが

意味不明でも楽しいのが学生だな

と思いながら、浴場へ向かった。


湯船に浸かる。

森田とゲンサンも浸かる。


ゲンサンの、話を聞いた。

高瀬の娘、凛に今何が起きているのか。


俺は、引っ掛かる事があった。

「凛に何があったのか、ゲンサンはどうやって

知ったんだよ、普段から顔見知りでもないのに。」素直に聞くしかなかった。


「ワシ、天使だし」ゲンサンの返答に


森田が、ちょっとイラッとする。

「中身の無い話をするなよ!

具体的に教えてくれよ」


「正確に言うとみぃにお願いした。」

だそうで。


ゲンサンの羽根を1本ぬき、みぃに渡す。

その羽根を咥えたみぃは

ゲンサンと同じ天使の能力を発動できる。


「残像モードオン!」の能力。


この胡散臭いモードをオンすると


相手の過去の出来事がサムネイルのように

目の前に並ぶ。見たい物が決まったら

タップして、再生。


みぃの場合は、羽根を咥えているから

念じればOK。


ただし、制限時間があり5分程度の再生。

何度も再生できない。

相手の過去10日程度のメモリのみ

見ることが出来る。


この能力を使って見えた凛の出来事とは。



凛は、どこにでもいる小学生の普通の女の子だ。

ある日の事。

放課後公園で、友達が来るのを

スマホを弄りながら待っていた。


小学生高学年くらいの男子と女子が凛に

近づき、「中川の妹?」と聞いてきた。


凛に、兄弟はいない。

「ちがいます。」小さな声で答える


女子が「ごめんね、人違いしちゃった

これ、お詫びにあげるから食べて」

と言って小さなチョコの包みを渡してきた


凛は「あっ、大丈夫です。いらないです」

と答えたが、


女子が包みを開けて、

凛に「はい、口開けてー」と、

半ば強引にチョコを押し込んできた。


この話、これからが大変になる。


女子がチョコは、万引きしたもので

凛も食べたから共犯だ。

親や、先生、友達に言えば、

あんたをゆるさないと言い


一緒にいた男子も

俺達の言うことを聞いてたら、何もしない

ただ、話をばらしたら

どうなるか、保証できない。


など言って、凛の連絡先を

強引に聞き出した。


大人から見たら、幼稚すぎて

何でもない話だが


凛はまだ8才だ。

親に話しても、後からの仕返しが怖い。

恐怖心がつのるばかりで

周りには何も言えない。


その日の翌日から凛は体調不良で学校を欠席していた。


毎日、スマホには、メッセージがくる。

凛は、体調が悪くて外に出られないと

返事をしていた。


1度、家にも2人は来たが

千尋が

「凛は、体調悪くて寝込んでいるからごめんなさいね」

と言い帰ってもらっている。


千尋にしてみたら、悩む。

原因がわからない。

学校を休む前日までは、元気だった。


あの日の放課後から様子がおかしい。


担任とも話しているが

全くわからず、凛は欠席したまま。


俺は、「凛が話さえできたら。問題の解決にむけて、動けるな」と呟く。

森田も頷く。


ゲンサンが、

「オマエサン達で、何とか透さんと会って話をして、上手く解決の糸口を探ってくれ。」


会うのは簡単だろうが

どうやって、「娘と話をしろ」と言うのか。


いや、まず会うべきだな!

のぼせる前に

俺達は、浴場から出た。


だが


森田も、俺も、脱衣場で、悩む。


「1日履いたパンツ、また履くのかよ

替えの下着なんてないよな。」


「あるわけないだろ。

それにしても、脱いだパンツをまた履くのかよ嫌だなぁ。けど、ジーサンこそどうすんだよ

パンツ汚してるだろ?」


源次郎が、

「ここ、パンツ売ってるからワシ、皆の分も

買ってくる」と言って買ってきた。


俺と森田は買ってきたパンツを見て

驚愕した。

ブリーフ?これはブリーフ?

えっ。えっ?となったが


先ほど学生達が

『ブリーフ銭湯へようこそー』

と言っていたのを思い出した。


森田が力ない声で

「ブリーフ銭湯へようこそー」

とポツリと言い

俺も

「ようこそー」と言いながら

履いた。



まずは、どうやって高瀬と会おうか。

ブリーフを履いた俺は考え始めた。











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