ゲンサンあの時の策を語る
ゲンサンが
「ある意味、大志のギターは玲二さんを
取り戻す為の賭けだったからの。」
様子のおかしい玲二を山に探しに出る時。
ゲンサンは、ちょっとお守りに…
と思いついた。
大志のギターの音。これが必要かもしれない。
ただ、ギターを持ってこいって言われても
さすがに意味不明。
直人に
「大志の家の鍵を預かってくれんかの?
ギターを持ってきてほしい。」
と、ゲンサンは小声でお願いした。
普通なら大志も何でだよ、とか言いそうだったけど、玲二の事で動揺していた。
直人は、何より弁護士だ。
信頼も厚い。頭脳明晰。
直人さんなら、大志に上手く
話してくれるだろう。ワシ、賢いの。
と、自画自賛した。
だが、直人はせっかくの頭脳を全く使わずに
普通に、
「大志んちに物取りに行ってくるから、
おまえん家の鍵貸して?」と、言った。
大志も、「あ?あぁ、はい」と、
言われるまま、鍵を直人に預けた。
まぁ、長年の付き合いの賜物だ。
直人は、玲二と共に大志の家に行き、
「あ、あった!今日はコイツの気分だな!
宜しく頼むよー!339。」
とギターを手にした。
Gibson ES-339。
この古いセミアコは、バンドを始めた頃、
お金が無くて、ギターが買えず
困っていた大志が
父親から譲り受けた、宝物だ。
玲二もこのギターの音をよく知っている。
「透、ゲンサン達待ってるから行こう!」
「あー、ギター?じゃ、これ持ってくわ。」
と、小型アンプを高瀬が持った。
バンドマンの性だろうか。
高瀬がエフェクターだの、発電機だの
物色し始めた。
ゲンサンが、
「玲二くんの記憶と、現在の様子をライブで見た時。幸せな時間はきっと忘れないだろうと
まだ、間に合うと思ったんでの。」
「ライブで一緒に演奏したじゃん。どうして
あの時は何もしなかったの?」
「あぁ、確信できてなかったからの。
それから、悪魔になりかけていたから
エンジェルソード使わないと、どうにも
できなかった。」
高瀬が「へぇ、エンジェルソードって
結構重要なんだなぁ」
「人間は簡単に悪魔になれる。
悪魔になってから、人間に戻すに
聖なる剣で浄化して、天使の加護で癒す
それでも、難しいでの。今回は玲二さんの中に残っていた、友情に助けられた。」
そう話したゲンサンは、目を細めた。
森田が「今回は皆無事でよかったな!!」
「そうだの。ワシもほっとした。」
ゲンサンは、大志が玲二を絶対に取り戻す
と言っていたのを、叶えたかった。
会えなくなったナベサンと豆吉。
今頃、天界で何を思うのか。
あの時、身を挺してナベサンが守ってくれた。
豆吉は、小さな体で決心してくれた。
ゲンサンは、そう思っている。
もう、誰も失いたくない。
大志、良かった。本当に…
友情は、欲しくてもそう簡単には
いかない。共に過ごした時間の長さより
どれだけ信頼関係が築けるか、
じゃないかの……………。
ぐぅぅー(__)。。ooOZZZZ
「おいってば! ジジイ! 寝てる?
今、皆で直人の仕事の話してるんだよ!
ほら!起きろ!」
「ふぇ?ワシねむたい。」
森田が「いや、寝てもいいけどさ!!
俺たちまだ帰らないからな!!」
「ふふ。いーよ。おまえさん達、
なんなら泊まっていけばいいでの。
布団欲しかったら言ってくれ。ちょいだしモードで出すからの。」
「おう!ありがとな。天使の能力
便利だな!」森田が笑う
そうだ。
直人の独立。個人経営?
なんて、皆ワイワイしている。
子供達が基地を作るように楽しんでいる
ゲンサンは、皆に
「さて、何を始めようかの?」
そう言って優しく笑った。
玲二だけが、
「酔っぱらいのケンカの話なの?直人の
独立の話なの?」
と、思考が迷走している。
「まぁまぁ、玲二。これから楽しもうぜ!!
俺も、気持ちはっきりしてきた。話きいてよ」
大志がそう言って笑った。
RESTART
人生の転換期。
これからの始まりは、大人の挑戦だ。




