御堂さん。
玲二がたまたま行ったBARのマスター。
名前は、御堂仁
「強めのカクテルを?作ります。」
玲二は、一気に飲む。
次はウイスキーロック。
ウォッカ。ショットグラスで
どんどん飲んでいく。
チェイサーには、口をつけなかった。
酔って、どうにでもなりたかった。
マスターの御堂は、卑屈な笑みを浮かべて
「お酒強いんですねぇ、見た目お若いのに。」
「最近嫌な事があって…、ちがう、
ずっと嫌な人がいて…あぁ、そうなんです。
俺、母親の存在が邪魔で…」
もう、すでに玲二は酩酊状態だった。
御堂は、にゃっとした。
「おつらい様子ですね…実は私も最近非常に辛いことがありまして…今日はお店をしめて
ゆっくり飲みませんか?」
そう言って、御堂は店のドアをクローズに
して、誰も来ないように閉めた。
そして、玲二に
「特別なカクテルを作りましょう。サービス
致しますから、どうぞ飲んでください。」
玲二は出されたカクテルグラスを
手に、「これは、何ていうカクテルですか?」
と聞いた。深い赤紫のカクテルは
アルコールが強そうにみえた。
「デビル·ゴンザレス・ヘルメンです。」
御堂は笑顔で、そう言った。
ここまで長いことゲンサンの話を聞いていた
森田が
「おい!!ジジイ!
なんで!辛い話の中で
くそみたいな、だっせぇカクテルの名前だしたんだよ!!意味あるのかよ!!」
とゲンサンに聞いた。
ゲンサンは、
「あるんでの。カクテルには、意味が。」
ゴンサレス。このダッセェ名前。
ゲンサンから、なべさんを奪った張本人だ。
大志は恐る恐るゲンサンに
「デビル…ゴンザレス?…まさか
ゴンザレスは、今生きてるのか?」
と聞いた。
「いや、やつは地獄の釜にほうりこまれたから
それは、ない。でも、ゴンザレスの悪魔の羽の
エキスが、そのカクテルに入ってる」
ゲンサンは、そう言ってため息をついた。
「うわぁ…キモっ。玲二、よく飲んだなそれ。」
大志は引いていたが
森田が、「はぁ?じゃあ、それ飲んじまった玲二は、どうなるんだよ!!」
「あれを飲んでしまったら、
悪魔に心を蝕まれてしまっての。憎悪の気持ちが強い人ほど、効果が強くでる。」
「じゃあ、もう玲二は?悪魔になっているのか?」
大志が聞くと、
「まだ、少し希望はある。ワシが
玲二さんに、大志やメンバーの名前を出したら、顔色がよくなった。」
「で?」
「小さくなってしまってはいるが、
玲二さんの中には、大志達の存在と
いう、良心が残っている。」
ゲンサンは一息つくと、
「ワシはその玲二さんの、わずかに残っている
良心を、全て取り戻してもらう。大志、てっちゃん。天使のサポートお願いします。」
と頭をさげた。
森田が立ち上がり、
「ッタリマエだろ!! なんでもやってやるよ!!」
と叫ぶ。
大志も立ち上がって
「ゴンザレスにこれ以上、振り回されないように、追っ払ってやろうぜ!!」
と、立ち上がった。
「で、ゲンサン!!何か策はあるのかよ?」
森田が聞く。
「うん。それがなぁんにも思い付かなくての。
へへ」ゲンサンが頭をさすりながら言った。
「こんのくそジジイー!!しょうもねぇな!」
森田が怒る。
大志は、「よし、できる限りの時間を
使って作戦開始だ!まずは、透と直人に連絡だな!!」
「たのむでの。」そう言ったゲンサンの
目に、涙が滲んでいた。
失った辛さは、ゲンサンが一番わかっている。
友達は大切にしましょう。
幼い頃に、皆が聞いてきた言葉
35才の大人が
その言葉を噛み締めて、大切にしている。
俺達は、玲二を返してもらう。絶対に
大志は力強く誓った。




