喜びと、秘密の活動
夏休み前の数週間、大志と仲良くなった
玲二の高校生活が激変した。
授業中、斜め後ろから
大志が玲二の頭をめがけて消しゴムをなげてくる。振り向いて注意するつもりが
笑ってしまう玲二。
昼休み、空き教室で、
大志と森田、柴崎と食べる昼食。
ジャン負けしたら、全員のジュース奢りな!
見事勝ち取った、コーラ。
4人で勝手に開催した、可愛い女子ランキング。
スケベな話で爆笑。
ささやかな日常を壊したくなかった玲二。
絶対に、失いたくない友達。
成績は、学年3位以内。
公立高校の受験にわざと落ちた玲二に
母親が課した条件は、以前より厳しくなった。
これを落としたら、母親が色々探ってくる。
反抗すれば、ヒステリックに暴れる母。
もし、成績を落としたら…………
きっと放課後に自分の後をつけたりするんじゃないのかと、玲二は怯えていた。
自分の居場所を守るために
玲二は、自宅の机で勉強にかじり付く。
母親の声を聞くだけで
胃が痛くなる。
夏休み前日、大志が
「玲二、バンドやろう!
高瀬も参加してベース
やるんだよ!! 今度 紹介する。
柴崎がメインギター!!
森田がドラム、俺ギタボ!」
「えっ?バンド?」玲二が目を丸くする。
「うん。玲二、ピアノできるから
キーボードな!!」
「えぇ、俺 前に言ったけど
親うるさいから、無理だわ、すまん」
と、玲二は断るしかなかったが。
「嫌だ。玲二以外は、無理。
なぁ、玲二を外に連れ出せるように
皆で考えようぜ、だからお願い!!」
玲二は、本当は
すぐにでもオーケーしたかった。
皆で。そうかぁ、大志。考えてくれるのか。
皆で考えよう。自分のための
自分の時間を作るんだ。
これが玲二と、AFTERGLOWの出発点になった。
絶対に守るべき場所。




