隠れた本音
居酒屋『異空間』
AFTERGLOWのメンバー、
源次郎
神谷玲二
皆の前にはお酒。
森田が
「今回の再結成は大志が言い出したから
カンパイの挨拶、大志やれよ」
大志が「えぇー、わ、わかったよ」
なんて言いながら、グラスを持つ。
「えー、今日はお疲れ様。俺はずっと
AFTERGLOWの再結成を願っていて、
今回………」大志がここまで言ったときに
森田が「乾杯!!」と叫んだ。
「コラァ森田ぁぁ」大志は睨むが
口元は笑っていた。
高瀬が「あ!ほら、玲二、ゲンサンに
自己紹介してよ!」
「あー、サポートメンバーの神谷玲二です。
年はAFTERGLOWの皆とおなじで、35才です」
「ワシ、源次郎。皆の緊張を抜く係です。」
玲二は
「あの、源次郎さん…AFTERGLOWの
メンバーと随分親しい様子ですが…
年齢も随分離れているのに…
失礼だったらすみません。」
と頭を下げたが、
ゲンサンは笑って
「そりゃ、不思議でしょう、老人が
一緒にいたら。」
「はい…。」
「ワシ、ついこの前の夜に、路地裏で
酔いつぶれていた大志とてっちゃん
を介抱したんですわ!」
と、ゲンサン。
大志は不思議に思った。
いつもなら、ゲンサンは必ず
「天使の源次郎です」
と挨拶していた…
AFTERGLOWのメンバー全員には、
すぐに自分は天使だと話してきたのに、
何故、
玲二には当たり障りのない事を言っているのか。
玲二が、サポートメンバーだからなのか?
それも
なんか違うような気がする。
疑問だ。
ツンツン…俺の腕を森田がこっそり
つついてきた。
森田が小声で、
「ゲンサン、玲二に自分は天使って
言わないから、逆に気味悪くねぇか?」
「ああ、違和感あるよな。」
大志はそう返すと、
「そう、違和感。」森田がしかめ面で言った。
大志は
胸がざわざわするのは気のせいだと
思いたかった。
本音を言えるとするなら
違和感もそうだけど、
嫌な予感もあったからだ。
こういう時の嫌な予感って、何故か
よく当たるんだよな。嫌な性分だよ。
考えるのは、やめよう。
せっかくの、打ち上げだ。
大志は気持ちを切り替えようと
グラスのハイボールを一気に飲んだ。




