源次郎のお悩み相談室
「悩んでるかぁ。だよな。俺、悩んでるんだよな。実際。」
と直人がうんうんと頷きながら言った。
「弁護士やってて、収入良くて
俺なんかと比べたら、直人すげーじゃん」
大志は本気でそう言ったが。
直人は横に首をふって
「いや、仕事には恵まれてる。法人でも個人でも。刑事事件はきっついけどさ!でも
やりがいのある仕事ができてるだけでも
ありがたい。なんだけど…。」
「なんだけど?」森田が聞くと
「俺、独立したい。でも、なんて言うか
仲間がほしいよな。俺と一緒にやってくれる人。単純だけど、人は、財産なんだよ。
それから、もう1つ…」
ゲンサンが「無理して話さなくてもいいけど、
がんばって話してみたらいいんじゃなかろうか。」
と、わけの、わからん理屈をぬかした。
「何でかな。子供、なかなか授からなくて。
重いだろ?こんな話。」
柴崎の声が少し小さくなった。
大志が「重いもなにも…、原因わかってるの?」
「わかりたいけど、知りたくないんだ。
病院いくだろ?もし、夫婦のどちらかに
原因あるって言われたら…つまり決定打を、
避けてるんだよ。」
「はっきりするのも、怖い時、あるよな。」
柴崎の話を聞いて、森田が言った。
「よし。良く話してくれましたな
直人さん。まずお仕事の話からしましょうかの。お子さんの事は、ワシも今見えないもんで申し訳ない、もう少し時間くだされ。」
そんなことを言ってる源次郎だけど、
やっぱり天使なんだろうな。
何か凄い能力をこのジジイは
秘めている。大志はそんな気がした。
そして、俺も、悩みとまではいかないけど
ゲンサンと話をしたいなぁ
なんて、大志は思っていた。




