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「ルール?」
「そうです。」
田中は源にも見やすいように机の上で法具管理規定を開く。これまた迷うことなくページを捲ると手を止めた。
「来迎さんが違反した項目はこちらです。」
指し示された箇所に目を通す。読める、読めるけど意味がわからない。すぐさま違うページが開かれる。
「それとこちら。」
文字が目の上を滑る。全然頭に入らない。そんな源を置いてけぼりにしながら、田中はどんどんと違反した規定を挙げていく。
三個、四個と増えていくたびに混乱で頭が回らない。これはなんの時間なのだろうか、規定というものを覚える時間?田中の言葉がまるで呪文に聞こえてくる。
「理解、出来ない様子ですね。」
田中は全て挙げ連ねると、頭がショートしている源を見る。慈鳥はその様子にきゅっと眉間に皺が寄る。
「全て理解し、覚えるのは難しいです。」
ゆっくりと規定を閉じると、それを二人に背を向けラックに戻す。田中は収められているファイル、対霊事象管理機構に関する全ての規定、規約、規則を眺めている。指の腹で背表紙を撫でる田中の言葉に首を傾げた。
「覚えなくて、いいんすか?」
思ってもいない言葉に目を丸くすると田中がこちらを振り向き頷いた。源は慈鳥を見やると少し苦い顔をしている。
「全て覚えるのは困難だ。」
「じゃあ、田中さんも?」
「私は全て頭の中に入ってます。」
ぴしゃりと隙なく言われると源は言葉に詰まってしまった。




