おそろしく、腹立たしく、胸糞悪い話
これは数年前のことだと、ある人から聞いた話です。
Aさんとします。
Aさんは、不動産業者の紹介で、B市のC駅から徒歩五分くらいの立地の土地を買いました。約百坪の土地です。駅近なのに、静かな住宅街でこれは本当にいい買い物だったといえるでしょう。
Aさんは土地を現金で購入し、そこに賃貸マンションを建築することにしました。こちらの建築費(外構費用などすべて込みとします)約一億円は、ほとんど融資を受けることにしたのです。
どことはいいませんが、その銀行は、与信に問題ない人が「お金を貸して」と依頼すると、ペコペコペコペコぉ! てすぐにちょろい審査で貸してくれます。
Aさんは相続税対策をしたかったので、現金を土地に換えて、借入を増やしておきたかったと聞いています。
こうして、Aさんが土地購入から数カ月後、新築賃貸マンションは完工を迎えました。
オートロック、宅配ボックス、ネット無料、ペット可、独立洗面台に浴室乾燥機、もちろんバストイレ別で、全室にバルコニーありで、陽当たりも最高でした。
駅から近く、単身者向け、ペア向けの間取りの本物件はとても人気で、完工時にはすでに満室御礼でした。
防犯カメラが各所にあり、某セキュリティ業者のシステムも入って、セキュリティ面が売りだったことで、女性人気が高かったそうです。
大学生になる予定の十代、新社会人の二十代、そして1LDKには若い夫婦などの入居が多かったと。
四階の1Kの部屋、一号室としますが、そこにはDさんという大学生になったばかりの女の子が住んでいました。
完工から半年後の秋、四階の一号室でDさんは、暴力をふるわれてしまったのです。
大変な重傷でしたが、彼女はなんとかお母さんに電話をかけ、そこから救急車、警察、管理会社、大家、某セキュリティ会社……などなど、とにかく彼女は部屋で保護され、病院に急行、なんとか一命をとりとめました。
私がこの話を聞いた時、オートロックの盲点、つまり【入居者が入る後をついて、その部屋までついて来た】のだろうと思ったのですが、違いました。
入居者の中に、犯人がいたのか? と思う人がいるかもしれませんが、それも違います。
ある男がいました。
その男は、ある日、Dさんを駅で見かけました。
彼はDさんと目があった(と言っていたようです)時、好意を向けられたと思い、Dさんの後をつけたそうです。
Dさんの住むマンションは、男に知られました。
男は、それから何度もDさんを尾行し、部屋をつきとめたのです。
四階の一号室。
男はバルコニーを、ロープを使って? よじ登り、一階から二階、二階から三階、三階から四階とあがっていき、四階の一号室のバルコニーに到着しました。
そこで、ガラスなどを割れば、防犯システムが作動したのですが、男はそうしませんでした。
男は、待ったのです。
Dさんが、帰宅してバルコニーを開けるタイミングを。
男は半日、バルコニーに潜んでいたのだそうです。
そして、その日、Dさんは帰宅し、バルコニーに通じる掃き出し窓を開けて……。
これ、どうやって防ぐの?
仮に、よくバルコニーを確認してから鍵を解除して窓を開ければと思いますが、私自身、バルコニーに出る時、いちいちバルコニーを見てません……多くの人も、そうじゃないです?
カーテンをシャっとやって、鍵をあけて……ってその瞬間に、隅っこに隠れていた侵入者に外側から窓をガラっと開けられて、初めてびっくりするんじゃないでしょうか。
バルコニー、ないほうがいいのか?
頭おかしい奴を相手に、設計をするとコストが恐ろしく高くなります。
逆に、大通りに面したほうをバルコニーにしたほうが、騒音やらで人気ないと言われますが、安心かもしれません。
もうひとつ。
この男が捕まっていることは、ここまで読めばご理解いただけると思います。
この男は、これが三度目でした……。
裁判官の皆さん、前例主義はもう終わりにしませんか?
Dさんは、後遺症に苦しんでいると聞きます。
また、この土地と建物の所有者Aさんも、この事件のせいで入居者が半減どころか七割減となり、大変なご苦労を……。
私には、防げた犯罪ではなかったかと思わずにはいられないのです。
私が裁判官だったら、〇玉砕いて〇んこ切断の刑にします。
麻酔なしで




