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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■エピローグ ネコミミ娘は楽しく気ままに生きたい
254/256

第253話 想いと応え

続きです。




 拍手喝采で会場が大いに沸いてるのが分かる。


 こんなに評価してもらって良いのかな。


 「銀の。いや、フラン。謙虚な貴女のことだ、大いに戸惑っているだろう。だが、貴女が成し遂げたことはそれほど大きなことなのだ」


 そ、そうなのかな。


 「先の戦いは普通の戦争とはわけが違う。内乱を誘発するような悪辣な攻撃から静かに始まり、そのうえで魔物の大群暴走(スタンピード)と言う国の存亡に関わる激しい攻撃、さらには対処が極めて困難な巨獣ベヒーモスの進行、最後に不死の首魁による直接攻撃。これら波状攻撃いずれに対しても無対処、無防備で受ければ取り返しのつかない事態になっていたであろう」


 うーん、言われてみれば確かにそうなのかも?


 「仮に乗り越えられたとしても、間違いなく多くの者が犠牲となり国は瀕死の状態。そうなった時、フラン、どうなると思う?」


 「えっと、治安が悪化し、食糧難で大変なことになる、と存じます」


 「そうだ。それだけでなく内乱が発生し多くの民が不幸な目に遭う。他には他国が好機と見て攻めてくる可能性も極めて高い。待っているのは悲惨な結果しかない」


 「……」


 「故に、すべてに対して有効な対処、対策をした貴女は著しい功績をあげたと言えよう」


 そうかも知れない。

 そうかも知れないけど、そもそも先の戦いを始めたのは、大切な親友を助けたいと思ったからだ。


 「まあ長々と話したが、フラン、本当にありがとう。こうして平和を謳歌できるのは貴女のおかげだ。愛する我が妻エリザベスの命を救ってくれたのは貴女のおかげだ。アイリーン嬢を始めとした多くの友の命を守れたのは貴女のおかげだ。国を代表し、最大限の感謝を……!」


 「私こそありがとう存じます。みんながいたから頑張れたのです。私だけではどうしようもなかったから、みんなの知恵を借り、協力してもらったから、できたことなのです」


 私一人が取れる手なんてたかが知れているし、そもそもどうすれば良いか分からないからみんなに相談し、正しいと信じて進んだだけなの。


「だから、私がすごいのならみんなだってすごいのです。それでも、こうやってみんなに感謝されて、頑張りを認めてもらえて……ようやく頑張りが認められた、報われたんだって実感できたかもしれない。王子様。ありがとう」


 「うむ。旅先を含め、何か困ったことがあれば授けた称号や勲章を使うと良い。王家の後ろ盾があれば無下に扱われることもあるまい。ところでフランは結婚、には興味はないか?」


 「あるか無いかと……え、まさかこの流れでそれを言うの!?」


 何言ってるのこの王子様は!?

 思わずタメ語になっちゃったんだけど!?

 っていうか、エリーの婚約者だって分かってたけど、私が寝てた間に結婚式やったんでしょ!?

 さっき、さりげなくエリーが妻だって聞き逃さなかったんだからね!


 「なんのことだか。それで、側室になる気はないか?」


 「ないです」


 普通は王族相手に言われたら実質命令と同義。

 でも、王子様には昔から公式の場だろうと遠慮は無用と言われてるし、直前で私を縛らないって国として宣言してる以上は私の意思を優先してくれるってことだ。


 「ふ、即答か。フランは、俺のことは嫌いか?」


 「いいえ、私自身として王子様のことを少なからず想っております」


 正直、王子様のことは結構好きだ。

 生意気なお子様だったけど、それでも私を超えるべき人として認めてくれて、強がりはするけどひたむきに頑張る姿は好感が持てる。

 今では王子様って呼び方に相応しい、いや、それ以上のハイスペイケメンになった。

 でも、そこに恋愛感情はあんまり無い。


 「では」


 「恐れながら誤解無きよう申し上げれば、私は結ばれることを望みません。見据える未来が、目指すべき未来が異なるのです。私は私の望む道へ進むためには、王子様の妻に並ぶべき人にはなれません」


 昔エリーから似たような質問があったけど、答えは同じ。

 エリーと一緒にいられるのも嬉しいけど……やっぱり人生目標である世界旅行を諦めることはできない。それに私は私だけを愛してくれる男の人と添い遂げたい。


 「そうか……いや、分かっていたことだ。気にするな。だそうだ、エリザベス」


 「残念ですわ。ですがそれは(わたくし)も分かっていたこと。それでもフラン、貴女は家族も同然ですわ。だから、いつでも遠慮なく我が家にいらしてください。なんならそのまま居着いてしまっても構いませんわ」


 「もう、エリーまでそんなこと言って。まあ、考えとくよ」


 「今はそれだけで十分ですわ。さて、それでは進行として次に進めさせていただきますわ」


 いつまでも私事で時間を使っていられないしね。

 エリーだって私のことを本当によくわかってるし、逆も然り。

 玉虫色の答えだけど、これでいい。


 こうして私の、いや、私たちの卒業式は恙無く閉幕した。






フランとしてのハッピーエンドは何だろう、とはずっと考えてました。

幸せになってほしいけど、当初の思いを曲げてしまうのか、それとも結ばれるのか。

とても迷いました。

が、後悔しない道を行きなさい、としました。


ハロルド王子にとってフランとは、

幼少期からの幼馴染で非常に優秀。

権力欲も無いし背後に敵対貴族の影もなし。

TPOはわきまえているけど、態度は変わらず功績について鼻にもかけない。

心の底から信頼できるし、お互い遠慮なく言い合える数少ない異性。

そんな存在です。


そんな存在は平民だけど救国の英雄となって身分の問題も無い。

何だかんだと外堀を埋めれば最終的には文句を言いながらも仕方ないなあと頷いてくれるし、しっかり男を立てる。

しかも容姿端麗で同性からの評価も非常に高く心優しい。

このため、政治的なことを抜きにしても王子はフランにも惚れてたりします。

でも、それができない背景があるため、自ら想いを断ち切るようなことをさせました。

彼には申し訳ないことをしてしまったかな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 国の興り… 建国の祖が国王、建国に協力した初代の貢献度順に公爵、侯爵、伯爵…と続く。 フランの祖母が建国に関わっており、その功績でケットシーの里の独立自治権(所謂、太古の盟約)をもらっている…
[一言] 古き盟約=この国の貴族はフランの一族がケットシーだと知っている、だからね。 盟約の大元から考察すれば、ケットシー一族は本来なら公爵や辺境伯レベルの地位になるはず。 フランが王子の側室になっ…
[一言] 更新ありがとうございます 恋愛感情はない…可哀想に
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