第252話 夜明けの称号
おまたせしました。
呑気に考え事してたら突然聞いたこと無い栄誉卒業生なるものが私だった件について。
戸惑っていたら後輩くんから「フランシェスカ嬢、壇上へ」と促された。
はっと我に返り、内心焦りまくってるものの優雅に壇上に赴く。
あ、後輩くんにちゃんとしっぽの先をわずかにフリフリしてお礼の返事はしたよ。
「貴女は王国の未曾有の危機に対し、取れる最善手にて外敵の企みをいち早く察知、並びに中心となって対処することで、苦難を乗り越えることに多大なる貢献を果たした。その功績は特に顕著であり、多くの命を救うことに繋がった。貴女の勇気ある行動には、王国民が誰しも知るサーガとなり、敬愛の的として仰がれるだけでなく、いずれ伝説として語り継がれるであろう」
語り継がないでください。
いやいや、いったい何事!?
嫌よそんな注目されまくるなんて!
まあ確かに頑張ったよ。
でも早々に自分一人じゃムリだと諦めてミィさんだけじゃなく、教会のおじいちゃんであるマクスウェル様、冒険者ギルドのギルマスに助けを求めたし。
だから頑張った人たちはその偉い人たちじゃないの?
「古き盟約により叙爵は叶わなかったが、この多大なる功績に可能な限り報いるため、我が国最高位の称号を授ける運びとなった」
なんだか分からないけど、叙爵しなくてよかった。
貴族になったら私の人生目標である世界旅行ができなくなっちゃうし、仮に出来たとしても楽しく気ままな生活から程遠くなっちゃう。
そもそも魑魅魍魎な相手に腹のさぐりあいとかそういう政治的な駆け引きなんてできる自信無いし。
「よって我が校からは『栄誉卒業生』の称号を授ける」
「謹んで頂戴いたします」
恭しく羊皮紙とブローチを受け取る。
「ハロルド殿下、お願いします」
「うむ」
いつの間にか王子様が校長に代わって目の前の演台にいた。緊張して気づかなかったわ。
「久しいな、銀の。こうして再び顔を合わせて話せることができて嬉しく思う。今日この日をどれだけ待ちわびたか。積もる話もあろう。だから論功行賞をさっさと済ませてしまおうではないか」
「で、殿下!?」
いやいやいやいや、そんなテキトーな感じで大丈夫なの!?
校長も何いってんのって顔してるけど!?
「なんだ、銀のは堅苦しいのが好みなのか?」
「いや、そんなことは無いけど……」
「ならば良かろう。俺と銀の仲ではないか。では改めて」
まあそうなんだけどさ。
王子様のことを散々ぞんざいに扱ってきたから今更と言えば今更か。
気の良い男友達って感じだし。
コホンと王子様は咳払いをして朗読する。
「フランシェスカ嬢、貴女の勇気により魔物の大群暴走という国難を乗り越えることができた。貴女の友情により多くの絆が失われずに済んだ。そして貴女の愛により多くの命が救われた。これらの勲功は正しく国是とする冒険者の鑑であり、国の誉である。よって勲功第一等を与える」
え!?
第一等って最も武勲を立てた人に与えられるものじゃないの!?
「本来、これほどの功績には叙爵と領地をもって報いたいが、我が国は貴女の一族を縛ってはならないと古き盟約により定められている。よって、我が国最高位の称号『薄明の光』およびその勲章『薄明の短剣』を授ける」
「身に余る光栄でございます」
とりあえず恭しく跪いて受け取るしかない。
いやほんと、私の身に余ると思うんだけど!
良さげなところで分けました。
なお、後輩くんはフランのしっぽフリフリで性癖が破壊された模様。




