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異世界に転移したのでスマホで無双します〜このスマホはチートです〜  作者: 青上黒影
第二章

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50/51

第50話 いよいよです

 俺たちは王都の外れにある巨大な遺跡の前に立っていた。ここまで来るまでに、俺たちはいくつもの異界の痕跡を調べてきた。そして、その全てがこの場所へ繋がっていた。


 スマホを見る。


『最終地点を確認しました』


【目的地:異界境界遺跡】

【重要度:極】


『警告』


『この先で世界境界の崩壊が予測されます』


「ここが最後の場所ってことか」


「恐らくな」


 クロエが遺跡を見上げる。


「ここには、この世界と異界を繋ぐための装置がある」


「それを止めればいいんだな?」


「ああ」


 レモンが杖を握る。


「でも、本当にそれだけで終わるのでしょうか?」


「わからない」


 クロエが答える。


「だが、やるしかない」


「そうね」


 モモが剣を抜く。


「あたしたちはここまで来たんだから」


「私もいるわよ!」


 グレイプが杖を掲げる。


「最後くらい私の天才魔術師っぷりを――」


「それはもう十分わかったよ」


「何でよ!」


 いつものやり取りに、少しだけ笑ってしまう。ここまでずっと一緒に旅をしてきた。最初は俺が元の世界へ帰るためだけだった。でも今は違う。この5人で、この世界を守りたい。


「行こう」


 俺たちは遺跡の中へ入った。内部には巨大な魔法陣がいくつも描かれていた。壁には異界についての記録が刻まれている。そして最深部。そこには巨大な装置があった。


「これが……」


 俺はスマホを向ける。


『異界境界装置を確認』


【状態:稼働中】

【境界安定度:12%】


「12%……」


 数字を見た瞬間、空気が変わった。


 ——ゴゴゴゴゴゴ……。


 遺跡全体が揺れ始める。


「始まったわ!」


 グレイプが叫ぶ。空中に黒い亀裂が次々と現れていく。


『警告』


『世界境界の崩壊を確認』


【境界安定度:10%】


【9%】


【8%】


「どんどん下がってる!」


 レモンが叫ぶ。


「装置を止めるぞ!」


 俺は中央へ走る。しかし、その瞬間――。


 ——ドォォォン!!


 目の前に巨大な魔法障壁が現れた。


「くっ!」


 神器を振るう。


 ——ガキィィン!


「硬い!」


「私がやる!」


 グレイプが杖を構える。


「火炎爆破(フレイム・バースト)!」


 ——ドォォォン!!


 魔法が障壁へ直撃する。


「どう!?」


「まだだ!」


「嘘でしょ!?」


 モモが前へ出る。


「あたしが道を作る!」


 ——ズバァン!


 剣撃が障壁を斬り裂く。


「今よ!」


「ありがとう!」


 俺は装置へ近づく。


『停止処理を開始します』


『管理者権限を確認』


『停止には聖女の認証が必要です』


「聖女……」


 俺はレモンを見る。


「レモン!」


「はい!」


 レモンが装置へ手を伸ばす。


 ——ピィィィン!


『聖女の認証を確認しました』


『境界装置の停止処理を開始』


 しかし――。


『停止処理を妨害する存在を確認』


【対象:???】


「まだ何かいるのかよ!」


 巨大な魔力が遺跡全体を包み込む。クロエが剣を構えた。


「来るぞ!」


 黒い影が俺たちの前に現れる。


「これは……」


 モモが息を呑む。影は巨大な魔物の姿へ変わっていく。


『最終防衛機構を確認』


【危険度:測定不能】


「最後の敵ってことね」


 グレイプが笑う。


「望むところよ!」


「全員、気をつけて!」


 俺は神器を構える。


「ここで止める!」


 魔物が咆哮する。


 ——グオオオオオオオオッ!!


 巨大な衝撃波が放たれる。


「避けろ!」


 俺たちは散開する。クロエが魔物へ斬りかかる。


 ——ガキィィン!


「硬い……!」


 モモも続く。


「なら、あたしも!」


 ——ズバァッ!


 グレイプの魔法が炸裂する。


「これでもくらいなさい!」


 レモンが光魔法を放つ。


「光よ!」


 4人の攻撃が次々と魔物へ命中する。それでも魔物は倒れない。


「全然効いてない!」


 グレイプが叫ぶ。


「タロー!」


 モモが俺を見る。


「もう一度、あの連携攻撃を使えない?」


「やってみる!」


 俺はスマホを操作する。


『パーティレイドを開始します』


【参加人数:5】

【タロー】

【レモン:聖女】

【グレイプ:魔術師】

【モモ:剣士】

【クロエ:黒騎士】


『連携率:100%』


「いける!」


 全員の力が繋がっていく。


『特殊スキルを解放します』


【異界の絆】


 神器が眩い光を放つ。


「これで終わらせる!」


 俺たちは一斉に走り出した。


 ——ドォォォォォン!!


 5人の攻撃が1つに重なる。魔物の身体が大きく揺れる。


『対象HP:23%』


「あと少し!」


 俺はさらに力を込める。


「うおおおおおっ!」


 神器を振り抜いた。


 ——ズガァァァァン!!


 巨大な光が遺跡を包み込む。


『対象HP:0%』


『最終防衛機構の停止を確認』


 魔物の姿が消えていく。


「やりました……!」


 レモンが呟く。しかし、スマホにはまだ警告が表示されていた。


【境界安定度:3%】


「3%?」


 俺は装置を見る。停止したはずなのに、黒い亀裂は消えていない。


「何で……」


 クロエが装置へ近づく。


「まだ境界そのものが不安定なんだ」


「じゃあどうすればいい?」


「神器が必要だ」


 クロエが俺を見る。


「タロー。最後にお前が選ばなければならない」


「俺が?」


「ああ」


 俺は神器を見つめる。この神器を使えば、世界の境界を安定させられる。でも、その代わりに――。


『最終選択を開始します』


【世界境界を安定させる】

【元の世界への帰還経路を確保する】


「……」


 俺は画面を見つめる。元の世界へ帰る。ずっと望んでいたことだ。でも、俺はもう1人じゃない。レモン、グレイプ、モモ、クロエ。俺は4人を見る。


「みんな……」


「タローさん」


 レモンが微笑む。


「大丈夫です」


 モモも頷く。


「タローが決めればいい」


 グレイプが腕を組む。


「どっちを選んでも、私は文句を言わないわ」


 クロエも静かに頷いた。


「お前自身の答えを選べ」


 俺はスマホへ手を伸ばす。そして――。画面をタップした。


『選択を確認しました』


 世界が大きく揺れ始める。俺は自分が選んだ答えを見つめた。


「これが……俺の答えだ」


 そして、スマホに最後の表示が現れる。


『最終クエストを開始します』


【クエスト名:異界の絆】


『世界境界を安定させてください』

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