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異世界に転移したのでスマホで無双します〜このスマホはチートです〜  作者: 青上黒影
第二章

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第47話 そこに鍵はありますか

 俺たちは北へ向かって歩いていた。王都を出てからかなりの距離を進んだが、目的地まではまだ遠い。周囲の景色も少しずつ変わり、草原だった道には雪が見え始めていた。


「寒くなってきたわね……」


 グレイプが腕を抱える。


「北だからな」


「そういう問題じゃないわよ! 寒いものは寒いの!」


「魔法で何とかできないのか?」


「できるけど、そんなことに魔力を使いたくないわ」


「天才魔術師なのに……」


「魔力は大切なの!」


 そんな話をしながら歩いていると、スマホが震えた。


『目的地が近づいています』


【北方遺跡まで残り1km】


「もうすぐだな」


 俺は地図を見る。


「境界鍵もこの近くにあるみたいだ」


 モモが周囲を見回す。


「でも、人の姿がないわね」


「確かに」


 辺りには誰もいない。雪が積もった大地がどこまでも続いている。そのときだった。


 ——ドン!


「何だ!?」


 地面が大きく揺れる。


「魔物かしら!」


 グレイプが杖を構える。


「待て!」


 クロエが手を上げる。


「魔物ではない」


「じゃあ何だ?」


「遺跡が動いている」


「遺跡が?」


 俺たちの前に巨大な建物が姿を現した。雪の下に隠れていた遺跡が、地面からゆっくりと浮かび上がってくる。


「まぁ……」


 レモンが目を見開く。


「こんな仕組みがあったんですね」


「古代文明って凄いな……」


 俺はスマホを向ける。


『重要施設を確認』


【名称:北方境界遺跡】

【状態:起動】

【境界鍵:存在】


「境界鍵はここにある!」


「なら早く行きましょう!」


 俺たちは遺跡の中へ入る。内部には巨大な通路が続いていた。壁には青白い光が灯り、足元を照らしている。


「明かりまで自動なのね」


 グレイプが感心する。


「便利だな」


 しばらく進むと、広い部屋へ出た。部屋の中央には台座があり、その上に青い結晶が浮かんでいる。


「これが境界鍵?」


 モモが近づく。


『境界鍵を確認』


【境界鍵①】

【状態:正常】


「これだ!」


 俺が台座へ近づいた瞬間だった。


 ——ザッ!


「止まれ」


 クロエが剣を抜く。部屋の奥から、誰かが歩いてくる。


「やっぱり来たか」


「誰だ?」


 現れたのは、黒いローブを着た男だった。


「その鍵を渡してもらおう」


「嫌だ」


 即答すると、男が手を上げた。


「ならば力ずくで奪う」


 ——ドォン!


 巨大な魔法が放たれる。


「危ない!」


 レモンが杖を構える。


「聖壁!」


 ——バァン!


 光の壁が現れ、魔法を防ぐ。


「レモン、今の魔法は……」


「ええ……自分でも驚きました」


 レモンが自分の手を見る。


「以前より強くなってるみたいです」


 スマホが震える。


『聖女スキルの成長を確認』


【レモン:聖女】

【固有スキル:聖域】


「聖域……?」


「新しい力か」


 クロエが頷く。


「聖女として覚醒し始めているな」


「わ、私が……」


 レモンは少し戸惑っている。


「これなら皆さんを守れますね」


「頼りにしてるぞ」


「はい!」


 俺は神器を構える。


「グレイプ、モモ、いくぞ!」


「任せて!」


「ええ!」


 グレイプの魔法とモモの剣撃が男へ迫る。


 ——ドォォン!


 ——ズバァッ!


「ぐっ……!」


 男が後退する。


「この人数を相手にするのは分が悪いか」


 男が懐から何かを取り出す。


「ならば今回は退く」


「待て!」


 俺が追いかけようとした瞬間、男の姿が消える。


「逃げたか……」


 クロエが台座へ歩いていく。


「鍵を確保しよう」


「ああ」


 俺は境界鍵へ手を伸ばす。


 ——ピィィィン!


『境界鍵との接続を開始します』


『神器との適合を確認』


『パーティメンバーとの接続を確認』


『境界鍵を取得しました』


【境界鍵:1/5】


「1個目!」


 グレイプが喜ぶ。


「あと4個ね!」


 しかし、その直後。


『緊急通知』


『境界鍵②に異常を確認』


【境界鍵②:破壊寸前】


「……え?」


 俺は画面を見る。


「破壊寸前ってどういうことだ?」


 クロエの表情が険しくなる。


「誰かが別の境界鍵を狙っている」


「じゃあ、急がないと」


 モモが剣を握る。


「次はどこ?」


 スマホに地図が表示される。


【境界鍵②:海底神殿】


「海底神殿か……」


 俺は海の方向を見る。


「今度は海か」


 グレイプが笑う。


「楽しそうじゃない!」


「お前はどこでも楽しそうだな……」


 俺たちは境界鍵を手に入れた。しかし、まだ始まったばかりだ。残された鍵は4つ。そして、誰かが俺たちより先に鍵を集めようとしている。


「急ごう。次は海底神殿だ」


「はい!」


 レモンが頷く。


「行きましょう!」


 俺たちは北方遺跡を後にした。次の目的地へ向かうために。

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