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異世界に転移したのでスマホで無双します〜このスマホはチートです〜  作者: 青上黒影
第二章

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第46話 始まろうとしてます

 境界神殿の奥へ進んだ俺たちは、長い通路を歩いていた。壁には見たことのない文字が刻まれている。文字の周囲には淡い光が浮かび、まるで俺たちをどこかへ案内しているようだった。


「この文字、読める?」


 グレイプが壁を見ながら尋ねる。


「いや、全然わからない」


「私も無理ね」


 モモも首を横に振る。


「私にもわかりません」


 レモンが答える。


「クロエは?」


 俺が聞くと、クロエは壁を見つめた。


「古代文字だな」


「読めるのか?」


「少しだけなら」


 クロエが壁に刻まれた文字へ手を触れる。


「ここには、この先にあるものについて書かれている」


「何て?」


「境界を守る者。そして、世界を繋ぐ塔」


「境界の塔か」


 俺はスマホを見る。


【目的地:境界の塔】


『現在地からの距離を測定します』


【距離:???】


「距離が表示されないな」


「どうして?」


 モモがスマホを覗き込む。


「わからない。でも、目的地はこの先みたいだ」


 俺たちはさらに進んでいく。しばらくすると、通路の先に巨大な扉が現れた。扉には、俺の持っている神器と同じ形の紋章が刻まれている。


「神器の紋章か」


 俺が近づく。


 ——ピィィィン!


『異界の神器を確認』


『認証を開始します』


『認証完了』


 ——ゴゴゴゴゴ……。


 巨大な扉がゆっくりと開いていく。


「開いたわ!」


 グレイプが目を輝かせる。


「やっぱり神器が鍵だったのね!」


「今回はちゃんと役に立ったな」


「今回も、でしょ!」


 扉の向こうには、広大な空間が広がっていた。


「何だ、ここ……」


 思わず立ち止まる。そこには巨大な塔があった。地下にあるはずなのに、塔の頂上は見えない。まるで空間そのものが無限に続いているようだった。


「これが……境界の塔」


 レモンが呟く。俺はスマホを向ける。


『重要施設を確認しました』


【名称:境界の塔】

【状態:休眠中】

【用途:世界境界の管理】


「本当にあったんだな」


 クロエが塔を見上げる。


「ここが、この世界と異界の境界を管理していた場所だ」


「だったら、ここを使えば地球とライトディアを繋げられるのか?」


「可能性はある」


「でも、まだ問題があるんだろ?」


「ああ」


 クロエが答える。


「塔を起動するには、5つの鍵が必要だ」


「5つ?」


 グレイプが指を立てる。


「まさか私たち5人?」


「違う」


「違うの!?」


「5つの装置だ」


「なんだ……」


 グレイプが少し残念そうな顔をする。


「何を期待してたんだよ……」


 そのとき、塔の周囲に5つの台座が浮かび上がった。


 ——ゴォン!


『起動条件を確認しました』


【境界鍵:0/5】


「これを5つ集めるってことか」


「そうみたいね」


 モモが台座を見る。


「どこにあるの?」


 スマホが震えた。


『境界鍵の位置を検索します』


『検索中……』


 数秒後、地図が表示された。


【境界鍵①:王都】

【境界鍵②:北方遺跡】

【境界鍵③:海底神殿】

【境界鍵④:???】

【境界鍵⑤:???】


「3つは場所がわかるのか」


「王都にもあるんだ」


 グレイプが驚く。


「王都に戻らないといけないのね」


「いや、まずは近いところから行こう」


 俺が地図を見る。


「北方遺跡ならここから行けそうだ」


 クロエが頷く。


「そうだな」


 レモンが地図を見ながら考える。


「海底神殿という場所も気になりますね」


「海底か……」


 少し嫌な予感がした。


「泳ぐのか?」


「そうじゃない?」


 モモが笑う。


「俺、泳げるけど異世界の海底まで行ける自信ないぞ」


「そのときは私が魔法で何とかするわ」


 グレイプが胸を張る。


「水中でも呼吸できる魔法くらい使えるわよ!」


「本当に?」


「多分!」


「多分なのかよ……」


 俺たちが話していると、突然スマホが震えた。


『緊急通知』


『境界鍵への干渉を検出しました』


「干渉?」


 画面に新しい表示が現れる。


【境界鍵①:王都】

【状態:移動中】


「移動中……?」


 俺は目を疑う。


「鍵が動いてるってこと?」


 モモが尋ねる。


「そうみたいだ」


 地図上の光が王都から離れていく。


「誰かが持ってるのか?」


「恐らくな」


 クロエが答える。


「境界鍵を持っている存在がいる」


「だったら急いだ方がいい」


 俺は神器を握る。


「その鍵を先に取られたら困るんだろ?」


「ああ」


 クロエが頷く。


「5つの鍵が揃わなければ塔は起動できない」


「じゃあ、最初の目的地は決まりだな」


 俺たちは境界の塔を後にする。


「北方遺跡へ向かうぞ」


「了解!」


 グレイプが杖を持ち上げる。


「今度こそ私の活躍の場ね!」


「遺跡に行くたびにそれ言ってないか?」


「気のせいよ!」


 レモンが笑う。


「ふふっ」


 モモも笑いながら歩き出す。


「じゃあ、行きましょう」


 クロエは最後に塔を振り返った。


「……」


「どうした?」


「いや」


 クロエは首を横に振る。


「何でもない」


 俺は少し気になったが、追及することはしなかった。俺たちは北方遺跡へ向かって歩き始める。その頃。遠く離れた場所で、誰かが1つの光る結晶を手にしていた。


「これが境界鍵……」


 その人物は結晶を見つめる。


「これがあれば、あの塔を起動できる」


 その人物は静かに笑った。


「もうすぐ、世界を変えられる」


 境界鍵を巡る新たな戦いが、始まろうとしていた。

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