↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転移したのでスマホで無双します〜このスマホはチートです〜  作者: 青上黒影
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/51

第45話 教えてください

 俺たちは王都を出て、東の街道を歩いていた。あれから数日が経っている。王都で集めた情報によると、異界に関係する遺跡が王都からかなり離れた場所に存在しているらしい。そして、その場所には世界の境界に関する重要な情報が残されているという。


「結局、また遺跡なのね」


 グレイプがため息をつく。


「最近、地下とか遺跡とか多すぎない?」


「確かに多いな」


 俺も頷く。


「たまには味変したいわ」

 

「でも今回は、スマホにちゃんと目的地が表示されてる」


 画面を見る。


【目的地:東方遺跡】

【距離:12km】


「これなら迷わなくて済みそうですね」


 レモンが安心したように笑う。


「前は目的地がわからなかったからな」


「そう考えると随分まともになったものね」


 モモがスマホを見る。


「それに、あの遺跡には異界に関する資料があるんでしょう?」


「ああ」


 クロエが答える。


「その遺跡は、世界の境界が最初に観測された場所だ」


「最初に?」


「そうだ」


 クロエは前を向いたまま続ける。


「この世界と異界の繋がりは、最近になって生まれたものではない。遥か昔から存在していた」


「じゃあ、昔から地球と繋がってたってことか?」


「地球だけではない」


 クロエが足を止める。


「この世界には、いくつもの異界が存在する」


「いくつも……?」


 俺はスマホを見る。


『新しい世界情報を検出しました』


『異界情報を更新します』


【確認済み異界:1】

【未確認異界:複数】


「複数って……」


 俺は画面を見つめる。


「この世界って、そんなに色々な世界と繋がってるのか?」


「正確には、繋がる可能性がある」


 クロエが答える。


「世界と世界の境界は、完全に閉じているわけではない」


「じゃあ、俺が召喚されたのも……」


「その境界が開いたからだ」


 俺がこの世界へ来た理由。神器を持っていた理由。そして、このスマホが異世界で普通に使える理由。まだ全部はわからない。でも、少しずつ繋がってきている気がする。そのときだった。


 ——ピィィィン!


『強力な魔力反応を検出』


「ん?」


 俺はスマホを見る。


【前方3km】

【高濃度魔力反応】


「何かいるみたいだ」


「魔物かしら?」


 グレイプが杖を構える。


「だったら私に任せて!」


「まだ敵って決まったわけじゃないだろ」


「敵じゃなかったら杖を下ろすわ」


 俺たちは警戒しながら先へ進む。しばらくすると、森の中に小さな建物が見えてきた。


「……あれ?」


 モモが足を止める。


「遺跡じゃないわね」


「確かに」


 建物は古いものだったが、遺跡というより小さな神殿のように見える。俺はスマホを向ける。


『対象を解析します』


【名称:境界神殿】

【状態:稼働中】

【管理者:???】


「稼働中……? 動いてるのか」


 俺が呟いた瞬間、神殿の扉が開いた。


 ——ギィィィ……。


「誰かいるのか?」


 俺たちは武器を構える。すると、神殿の奥から1人の少女が歩いてきた。銀色の髪。見覚えのある姿。


「久しぶり……って程でもないわね」


「お前……」


 あの銀髪の少女だった。


「やっぱりここに来たのね」


「待て」


 俺は少女を見る。


「お前は何者なんだ?」


「前にも聞かれたわね」


「今回は答えてくれ」


 少女はふっと笑う。


「いいわ」


「本当か?」


「ええ。もう隠している必要もないから」


 グレイプたちも少女を見る。


「それで?」


 俺が尋ねる。


 少女は神殿の奥にある巨大な扉を指差した。


「あの扉の向こうに、あなたたちが探しているものがあるわ」


「異界の情報か?」


「それもある」


「じゃあ、もう1つは?」


 少女が俺を見る。


「あなたが元の世界へ帰るための方法よ」


「……!」


 俺は思わず一歩前へ出る。


「本当に?」


「ええ」


 レモンも驚いた表情を浮かべる。


「タローさんが……帰れるんですか?」


「可能性はあるわ」


「可能性は?」


 俺が聞き返す。


「世界の境界を安定させる必要があるの」


 少女が答える。


「今のままでは、地球とライトディアを繋げれば両方の世界が崩壊する」


 スマホが震える。


『重要情報を確認』


【世界境界安定度:43%】


「43%……」


「以前より上がってる?」


 モモが画面を見る。


「そうみたいだな」


 少女が頷く。


「あなたたちがここまで旅をしてきたことで、境界は少しずつ安定している」


「俺たちの行動が?」


「ええ」


 少女は俺を見る。


「だから、あと少しよ」


「あと少し……?」


「最後の鍵を手に入れれば、境界を安定させることができる」


「その鍵って?」


 少女が神殿の奥を見る。


「あなたの神器よ」


「俺のスマホが?」


「正確には、その神器と――」


 少女がレモンを見る。


「聖女の力」


 次にクロエを見る。


「そして黒騎士の力」


 さらにグレイプとモモを見る。


「あなたたち5人の力が必要になる」


「5人で……」


 俺は仲間を見る。ここまで一緒に旅をしてきた5人。最初はただ元の世界へ帰りたかっただけだった。でも今は違う。俺だけが帰ればいいとは、もう思っていない。


「じゃあ、その最後の鍵を探そう」


 俺は神器を握る。


「5人で」


 レモンが頷く。


「はい」


 モモも笑う。


「もちろん」


 グレイプが杖を掲げる。


「私に任せなさい!」


 クロエも静かに頷く。


「ああ」


 少女はその様子を見て微笑んだ。


「それでいいわ」


 その瞬間、神殿の奥から巨大な音が響いた。


 ——ゴゴゴゴゴゴ……。


 巨大な扉がゆっくりと開いていく。


『最終目的地を確認しました』


【目的地:境界の塔】


『メインクエストを更新します』


『世界境界を安定させよ』


【残りクエスト数:3】


「3つ……」


 俺は画面を見る。


「これをクリアすれば、帰れるのか?」


「そうね」


 銀髪の少女が答える。


「ただし、その先に待っているのは――」


 少女が扉の奥を見る。


「この世界そのものの秘密よ」


 俺は神器を握り締めた。世界の秘密。元の世界へ帰る方法。そして、この旅の本当の意味。全てを知るために、俺たちは神殿の奥へ進んでいく。残された時間は、もう長くない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。