↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転移したのでスマホで無双します〜このスマホはチートです〜  作者: 青上黒影
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/51

第42話 守護者が起動しました

 神殿の奥から、巨大な影がゆっくりと姿を現した。


 ——ズズズズズ……。


 その身体は巨大だった。人の形に近いようにも見えるが、全身を黒い魔力が覆っていて、その姿をはっきり確認することができない。スマホが激しく震える。


『強力な存在を確認』


【名称:???】

【危険度:S】

【状態:覚醒】


「こんなのと戦うのか?」


「どう見ても普通の魔物じゃないわね」


 グレイプが杖を構える。


「でも、戦うしかないんでしょう?」


「そうみたいだな……」


 レモンが神殿の奥を見る。


「何か……悲しい感じがします」


「悲しい?」


「はい」


 レモンは胸に手を当てる。


「あの存在から、怒りだけじゃなくて……悲しみを感じます」


「魔物の気持ちがわかるのか?」


「わかるわけではありません。ただ、そう感じるんです」


 俺はもう一度、巨大な存在を見る。確かにこちらを攻撃しようとしているようには見えない。ただ、何かを守るようにその場に立っている。


 クロエが剣を抜く。


「警戒しろ」


「クロエはあいつを知ってるのか?」


「知らない」


 クロエは静かに答える。


「だが、あれはこの神殿を守るために作られた存在だろう」


「守るため?」


「ああ」


 クロエが周囲を見る。


「ここにあるものを外へ出さないためにな」


「じゃあ、あいつが守ってるのは……」


 俺はスマホを見る。すると、新しい表示が現れた。


『神殿最深部への進入条件を確認』


『守護者の認証が必要です』


「認証?」


 グレイプが首を傾げる。


「倒すんじゃなくて、認めてもらう必要があるってこと?」


「だったら話し合いができるのか?」


 俺が巨大な存在へ近づこうとすると、クロエが腕を伸ばして止める。


「待て」


「何だ?」


「不用意に近づくな」


 その瞬間だった。巨大な存在がこちらへ顔を向ける。


 ——ゴォォォォ……。


 黒い魔力が広間全体に広がった。


「うわっ!」


「タロー!」


 モモが俺の前へ出る。


「大丈夫!」


 俺は神器を構える。すると、スマホに表示が出た。


『守護者による認証を開始します』


「認証って……まさか戦うのか?」


『試練を開始します』


「やっぱりな!」


 次の瞬間、巨大な存在が腕を振り上げる。


 ——ズガァァン!


 地面が大きく揺れた。


「来るわよ!」


 グレイプが叫ぶ。


「炎よ!」


 ——ボォォォッ!


 炎の壁が俺たちの前に現れる。巨大な腕が炎の壁へ叩きつけられる。


 ——ドォォォン!


「止めたわ!」


 グレイプが嬉しそうに笑う。


「さすが私!」


「まだ終わってないぞ!」


 巨大な存在が再び腕を振る。


「私が行く!」


 モモが地面を蹴る。


 ——シュッ!


 一瞬で懐へ入り込み、剣を振り抜く。


 ——ガキィン!


「硬っ!」


 モモが弾き飛ばされる。


「モモ!」


「大丈夫!」


 レモンが杖を掲げる。


「治癒します!」


 淡い光がモモを包み込む。


「ありがとう、レモン!」


「どういたしまして」


 俺はスマホを見る。


【守護者:HP100%】


「攻撃が効いてない……!?」


 クロエが前へ出る。


「ならば私が試す」


 クロエの剣に黒い魔力が集まる。


「はあっ!」


 ——ズガァン!


 斬撃が守護者へ直撃する。


 しかし――。


【守護者:HP99%】


「1%って……硬すぎるだろ!」


「タロー!」


 グレイプが叫ぶ。


「攻撃するだけじゃ駄目なんじゃない?」


「どういうことだ?」


「さっき認証って表示されてたでしょう!」


「あ……」


 俺はスマホを見る。


 すると、新しい項目が表示されていた。


『守護者の認証条件』


『神器所持者の意思を確認します』


『質問を開始します』


【問:神器を何のために使う?】


「……」


 俺は画面を見つめる。


「何のためにって……」


 頭に浮かんだのは、ここまで一緒に旅をしてきた仲間たちだった。元の世界へ帰ること。世界の謎を知ること。災厄を止めること。そして――。


「誰かを守るためだ」


 俺は答える。


「この神器の力で、誰かを傷つけるんじゃない。俺の仲間も、この世界にいる人たちも守るために使いたい」


 守護者が動きを止める。


「……?」


 スマホが震えた。


『回答を確認しました』


『条件を満たしました』


『守護者の認証に成功』


 巨大な存在から黒い魔力が消えていく。


 ——シュゥゥゥ……。


 そこに残ったのは、巨大な石像だった。


「終わった……?」


 モモが剣を下ろす。


「そのようだな」


 クロエも剣をしまう。


 すると、神殿の奥にあった巨大な扉が開いた。


 ——ゴゴゴゴゴ……。


『最深部への進入を許可します』


『重要記録を確認できます』


「重要記録……」


 俺は扉の向こうを見る。そこには巨大な装置と、中央に浮かぶ1つの水晶があった。そして、その水晶には――。


【異界の神器:製造記録】


 という文字が表示されていた。


「神器の製造記録……?」


 俺はゆっくりと歩き出す。その瞬間、背後から声が聞こえた。


「ここまで来たのね」


「……!」


 振り返る。そこには、いつの間にか銀髪の少女が立っていた。


「お前……!」


 少女は静かに微笑む。


「ここから先は、あなたたちだけでは知ることのできない真実があるわ」


「だったら教えてくれ」


 俺が尋ねる。


「この神器は一体何のために作られたんだ?」


 銀髪の少女は水晶を見る。


「世界を救うためよ」


「世界を救うため?」


「ええ」


 少女は答える。


「ただし――」


 少女の表情が少しだけ曇る。


「この神器には、最初から重大な欠陥があったの」


「欠陥……?」


 俺は水晶へ近づく。そしてスマホが震えた。


『重大情報を検出』


【異界の神器:欠陥あり】


『詳細情報を開示します』


 画面に表示された文字を見て、俺は息を呑んだ。


【欠陥:使用者の世界を――】


 そこで画面が暗転した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。