↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転移したのでスマホで無双します〜このスマホはチートです〜  作者: 青上黒影
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/51

第4話 メンバーが増えそうです

 あの少女を追いかけようとした瞬間、スマホにクエストが表示された。まるで何かに止められたような感覚があった。


「それにしても、あの子は何者なのかしら」


 グレイプが腕を組む。


「私にはあの子が突然現れたように見えたわ」


「突然現れた?」


「ええ。最初からそこにいたなら、私が気づかないはずがないもの」


「魔法で姿を隠してたってことか?」


「その可能性はあるわね」


 グレイプは路地の奥を睨む。


「でも、あれほど近くにいたのに魔力の気配をほとんど感じなかった。普通の魔法じゃないと思う」


「じゃあどうやって?」


「知らないわよ」


 珍しくグレイプが困った顔をした。天才魔術師を自称しているだけあって、何でも知っているのかと思っていたが、そうでもないらしい。むしろ自称だからこそ知らないことの方が多かったりして……これ以上はやめておこう。


「ところで、タローさん」


「ん?」


「先ほどの女の子が言っていたことですが……」


 レモンが俺を見る。


「タローさんは、本当にこの世界の人間ではないんですか?」


「……」


 俺は少し迷った。レモンとグレイプ。これからも仲間としてやっていくなら、早いうちうちに話してしまった方が後々楽かもしれない。


「……そうだよ」


 2人の顔をちらりと見る。レモンは驚いた様子だったが、グレイプはそれほど驚いていない。


「じゃあ、本当に異世界人なのね」


「信じるのか?」


「そのスマホを見れば信じるしかないでしょ」


 グレイプはため息をついた。


「それで、どこから来たの?」


「地球っていうところだ」


「チキュー?」


「ああ。魔法はないし、魔物もいない。ここにあるような剣や魔法より、科学や機械が発達している世界だ」


「科学?」


 グレイプが興味津々といった様子で近づいてくる。


「どんなものなの?」


「説明すると長くなるぞ」


「聞かせて!」


「そんなに知りたいか?」


 魔法もなければ魔物もいない世界だ。自称天才魔術師の彼女にとってはつまらなそうな世界だが。


「当然よ! 私は天才魔術師だもの。知らないことを知りたいと思うのは当然でしょう?」


 グレイプは胸を張る。その隣でレモンも楽しそうに微笑んでいる。


「私もタローさんのいた世界のお話、聞いてみたいです」


「まあ、いいけど……」


 こうして俺は、二人に地球について簡単に説明することになった。


 車。飛行機。テレビ。インターネット。そしてスマートフォン。二人は何を話しても驚いていた。


「空を飛ぶ乗り物ですか!?」


「そう。飛行機っていうんだ」


「すごい……」


「遠くにいる人と話ができるの?」


「電話ならな」


「魔法みたいね」


「俺からすれば魔法の方が凄いけどな」


 そんな話をしていると、グレイプが突然立ち止まった。


「待って」


「どうした?」


「今、何か聞こえなかった?」


 俺とレモンも耳を澄ます。何も聞こえない。


「……何も聞こえないけど」


「私もです」


「そう……」


 グレイプが周囲を見回す。そして杖を構えた。


「でも魔力を感じるわ」


「また?」


「ええ。しかも今度は――」


 グレイプが言葉を止める。


「どうした?」


「魔力が三つある」


「三つ?」


「私たち以外に三つ」


 嫌な予感がした。俺はスマホを取り出す。マップを開く。さっきの赤い点は消えていた。代わりに、今度は三つの青い点が表示されている。


「……何だこれ」


「また何か見えるの?」


 グレイプが覗き込む。


「三つの点がある」


「さっきの赤い点とは違うのね?」


「ああ。今度は青い」


 青い点は俺たちを囲むように配置されていた。


「もしかして、敵でしょうか?」


 レモンが不安そうに尋ねる。その瞬間。スマホから電子音が鳴った。


『新しい機能が解放されました』


 画面に新しいアイコンが表示される。


『パーティ管理』


 アイコンをタップすると、俺たち三人の名前が表示された。


【パーティメンバー】

【タロー】

【レモン】

【グレイプ】


 そして、その下に空欄が一つ。


【???】


「4人目の枠か?」


 俺が呟いた瞬間、空欄の部分が点滅した。


『推奨メンバーを検出しました』


「……は?」


 画面に新たな表示が出る。


【推奨メンバー】

【名前:???】

【職業:剣士】

【距離:120m】


「……これって」


「ええ」


 グレイプが杖を握り直す。


「4人目の仲間が近くにいるってことじゃない?」


 レモンの顔がぱっと明るくなる。


「それなら探しに行きましょう!」


「待て」


 俺は画面を見つめた。距離の表示が変わっている。


【距離:110m】


 100m、90m、80m。


「……近づいてきてる」


「え?」


 レモンが辺りを見回す。やがて、遠くから足音が聞こえてきた。


 ——カツン、カツン。


 石畳を踏みしめる音。徐々に大きくなっていく。そして路地の向こうから、一人の人物が姿を現した。腰には一本の剣。こちらに向かってゆっくりと歩いてくる。


「……」


 俺たちは黙ってその人物を見つめた。スマホの画面に表示されている。


『推奨メンバーを検出』


『対象が接近しています』


 どうやら向こうからわざわざやって来てくれるらしい。ただ――。その人物の頭上には、赤い文字が浮かんでいた。


『警告』


『この人物には注意してください』


「……は?」


 4人目の仲間候補。しかし、スマホは警告している。一体どういうことなんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。