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異世界に転移したのでスマホで無双します〜このスマホはチートです〜  作者: 青上黒影
第二章

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第36話 謎だらけです

 巨大な扉の向こうには、無数の光の道が広がっていた。どの道も空中へ伸びていて、その先には違う景色が映っている。森、街、海、そして見たことのない世界まである。


「何だよ……これ」


 俺は思わず立ち止まる。


「世界が……こんなにあるの?」


 グレイプが目を見開く。


「ええ」


 銀髪の少女が答える。


「この場所は世界と世界の境界。ここには数え切れないほどの世界が存在しているわ」


「じゃあ地球もあるのか?」


「もちろん」


 銀髪の少女が1つの光を指差す。


 そこには、見慣れた街の景色が映っていた。


「地球……」


 俺は光へ近づく。


「本当に俺の世界だ」


 道路を走る車。ビル。そして見慣れた街並み。ほんの少し前まで、俺が当たり前のように暮らしていた世界だった。


「ここから帰れるのか?」


「帰るだけなら、そう難しくないわ」


「本当か!?」


 俺は振り返る。


「だったら――」


「でも」


 銀髪の少女が遮る。


「今のあなたが地球へ戻ると、ライトディアとの境界が崩れる可能性がある」


「……」


「あなたの神器は、すでにこの世界と深く繋がっているから」


 俺はスマホを見る。


【異界の神器】

【現在地:異界境界領域】

【接続世界:ライトディア】

【接続状態:安定】


「俺が帰ったら、この世界が危ないってことか?」


「正確には、あなたが持つ神器だけを地球へ戻すことが危険なの」


 クロエが口を開く。


「つまり、神器を持ったまま帰ることはできないということか」


「ええ」


「じゃあ神器を置いていくなら?」


「それも無理よ」


 銀髪の少女は首を横に振る。


「その神器はあなたを選んだ。あなたから離れることはできない」


「……やれやれ。本当に面倒な神器だな」


 俺はスマホを見る。


「便利ではあるんだけどな」


「便利なのは認めるのね」


「そりゃまあ、スマホだからな」


「この世界では普通のスマホじゃないみたいだけどね」


「それを言われると何も言えない」


 俺たちが話していると、レモンが光の道を見つめていた。


「あの」


「どうした?」


「あそこから何か感じます」


 レモンが1つの光を指差す。そこは他の世界とは違い、真っ白な光で覆われていた。


「何かいるのか?」


「わかりません。でも……」


 レモンが胸元に手を当てる。


「私の中にある何かが、あの場所に反応しています」


 スマホが震えた。


『高濃度の聖属性反応を検出』


【反応対象:レモン】

【共鳴率:87%】


「レモンに反応してる?」


 俺が画面を見る。銀髪の少女の表情が少し変わった。


「やっぱり……」


「何が?」


「レモン。あなたはただの聖女ではないわ」


「え?」


 レモンが驚く。


「どういう意味ですか?」


「それはまだ言えない」


「お前、本当に秘密を小出しにするの好きだな」


「全部話したら、あなたたちは自分で答えを探さなくなるでしょう?」


「いや、普通に全部教えてほしいんだけど」


 グレイプも頷く。


「私もそう思うわ!」


「あなたは少し黙っていて」


「何でよ!」


 銀髪の少女が笑う。


「でも、1つだけ教えてあげる」


 彼女は俺のスマホを見る。


「異界の神器には3つの役割がある」


「3つ?」


「繋ぐこと。守ること。そして――」


 少女が俺を見る。


「選ぶこと」


「選ぶ……?」


「ええ」


 スマホが震える。


『神器情報を更新します』


【神器機能:異界接続】

【神器機能:境界防護】

【神器機能:???】


「最後のは何だ?」


「今のあなたにはまだ使えない機能よ」


「どうすれば使えるんだ?」


「3つの世界を巡ればいい」


「3つ?」


 俺は周囲を見る。


「ライトディアと地球……それからもう1つ?」


「そう」


 銀髪の少女が頷く。


「この境界領域に存在する、もう1つの世界」


「そこへ行けば神器の力が完成するのか?」


「その可能性があるわ」


 クロエが少女を見る。


「その世界には何がある?」


「神器が作られた理由」


「……!」


 俺はスマホを握り締める。神器が作られた理由。それを知れば、俺がこの世界へ召喚された理由もわかるかもしれない。


「行こう」


 俺は仲間を見る。


「次の目的地は、その世界だ」


「もちろんよ!」


 グレイプが杖を握る。


「未知の世界なんて楽しそうじゃない!」


「私はタローさんについていきます」


 レモンが笑う。


「私も」


 モモが頷く。クロエも静かに頷いた。


「ああ。私も行こう」


 銀髪の少女は少し離れた場所から俺たちを見ている。


「お前は来ないのか?」


「私はここに残るわ」


「そうか」


「でも、また会うことになるでしょうね」


 少女が微笑む。


「次に会うときには、あなたも少しはこの世界のことがわかっているはずよ」


「それなら名前くらい教えてくれてもいいんじゃないか?」


 俺が尋ねる。少女は少し考えてから答えた。


「今はまだ秘密」


「そこも秘密なのかよ!」


 グレイプが笑う。


「本当に謎だらけね!」


 スマホが震えた。


『新たなクエストが発生しました』


『第三世界を探索せよ』


【目的地:???】

【推奨パーティ人数:5】


『異界ゲートを開放します』


 目の前に新しい光の道が現れる。俺は神器を構えた。


「よし」


 俺たちは光の道へ向かって歩き始める。これから何が待っているのかは、まだわからない。でも、俺にはもう1人で進む必要はない。レモン、グレイプ、モモ、クロエ。4人の仲間と一緒なら、どんな世界でも進んでいける気がした。

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