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異世界に転移したのでスマホで無双します〜このスマホはチートです〜  作者: 青上黒影
第二章

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第30話 神樹の塔へ向かいます

 教会でレモンが聖女だと判明し、黒い騎士の名前がクロエだということもわかった。これで俺たちのパーティは5人になった。だが俺にはまだ気になることがある。銀髪の少女だ。以前から何度も俺たちの前に現れている。そして、俺たちがここへ来ることまで知っていた。

 目的地は表示されないし、とりあえず教会に戻ってきたのだが……。


「なあ」


 俺は銀髪の少女を見る。


「お前はここで何をしてるんだ?」


「待っていたのよ」


「誰を?」


「あなたたちを」


「またそれか……」


 俺は頭を抱える。


「どうして俺たちのことを知ってるんだ?」


「知っているからよ」


「答えになってないだろ!」


 銀髪の少女はクスクスと笑う。


「あなたは面白いわね」


「こっちは全然面白くないんだけど……」


 クロエが少女を見る。


「君は相変わらず情報を出さないな」


「あら、クロエじゃない」


「……なぜ私の名前を知っている?」


「さあ?」


「それも教えてくれないのか……」


 俺がツッコむと、グレイプが笑う。


「この子、本当に謎だらけね!」


 神官が奥の部屋からやってきた。


「皆様、準備ができました」


「えっと、何の準備ですか?」


 レモンが尋ねる。


「聖女様の力を確認するための儀式です」


「儀式?」


「はい。教会の地下にある聖堂へご案内します」


「地下……?」


 俺はスマホを見る。


『重要施設を検出しました』


【名称:聖女認証聖堂】

【場所:教会地下】

【状態:封印中】


「また地下か……流行ってんのか」


 俺たちは神官の案内で教会の奥へ向かう。やがて壁の前で神官が立ち止まった。


「こちらです」


「壁じゃないか」


 どう見てもただの壁だ。


「入口はどこだ?」


「聖女様に開いていただきます」


「私が、ですか?」


 レモンが驚く。


「はい」


 神官が壁の中央を指差す。


「手を触れてください」


 レモンが恐る恐る手を伸ばす。


 ——ピィィィン。


 その瞬間、壁に光の紋様が浮かび上がった。


『聖女の適合を確認』


『認証を開始します』


【適合者:レモン】


「……!」


 レモンが驚いて手を離す。


「本当に私が開くんですね」


「本当に聖女だったのね!」


 グレイプが興味深そうにレモンを見る。


「私もやってみたい!」


「グレイプが触っても開かないと思うぞ」


「やってみなきゃわからないでしょう!」


「やめといた方がいいと思うぞ」


 レモンがもう一度壁へ手を触れる。


 ——ゴゴゴゴゴ……。


 壁が左右へ開いていく。その奥には地下へ続く階段が現れた。


「それじゃあ行きましょう」


 モモが先に階段を下りる。


「気をつけてね」


「わかってるわ」


 俺たちも後に続く。階段を下りていくと、やがて大きな空間へ出た。


「ここが……」


 レモンが辺りを見回す。地下には巨大な祭壇があった。祭壇の中央には白い水晶が置かれている。そして、その周囲には見たことのない文字が刻まれていた。俺はスマホを向ける。


『古代文字を検出』


『解析を開始します』


 数秒後、画面に文字が表示された。


【異界の門を開く者】

【世界を繋ぐ者】

【聖女の力を持つ者】


「異界の門……」


 俺はレモンを見る。


「これって俺たちのことなのか?」


「わかりません……」


 レモンが水晶を見る。すると、水晶が突然光り始めた。


 ——ピカァァァッ!


「うわっ!」


「何!?」


 光が部屋中へ広がっていく。


『異界の神器を確認』


『聖女との共鳴を確認』


『世界境界への接続を開始します』


 スマホの画面に新しい表示が現れる。


【世界境界安定度:23%】


「23%……」


 前に見た数字より上がっている。


「少し安定したのか?」


 クロエが頷く。


「恐らく、あの戦いの影響だろう」


「ならよかった」


 俺が安心した瞬間だった。


 ——ドンッ!


 地下全体が大きく揺れた。


「きゃっ!」


 レモンがよろめく。


「大丈夫!?」


「はい……!」


「何が起きた?」


 クロエが剣を抜く。


「魔力反応を感じる」


 グレイプも杖を構える。


「敵かしら?」


「いや……」


 クロエが首を横に振る。


「これは違う」


 水晶の前に、突然1つの映像が浮かび上がった。そこに映っていたのは、見知らぬ場所だった。


「何だここ?」


 映像の中には巨大な森が広がっている。その中央には、空へ伸びる巨大な塔が立っていた。


『新たな目的地を確認』


【目的地:神樹の塔】


『異界の痕跡を検出』


『調査を推奨します』


「神樹の塔……?」


 グレイプが目を輝かせる。


「面白そうじゃない!」


「お前は本当にこういうの好きだな」


「当然でしょう!」


 モモも映像を見る。


「王都の外にあるの?」


「そうみたいだな」


 俺はスマホの地図を確認する。しかし、目的地まではかなり遠い。


「結構遠いな……」


「旅になるわね」


 モモが笑う。


「新しい場所へ行くのは楽しそう」


「私も行きたいです」


 レモンが頷く。


「私も同行する」


 クロエも答える。


「決まりだな」


 俺はスマホを閉じる。


「次の目的地は神樹の塔だ」


 そのとき、後ろから声がした。


「そう。やっとそこへ向かうのね」


「……!」


 銀髪の少女がいつの間にか水晶の前に立っていた。


「お前、いつからそこにいたんだ?」


「最初からいたわよ」


「気づかなかった……」


 少女は神樹の塔が映った水晶を見る。


「そこへ行けば、あなたたちは1つ目の答えを知ることになるわ」


「1つ目?」


「ええ」


「じゃあ、全部でいくつあるんだ?」


 少女は笑う。


「それはあなたたちが自分で見つけることね」


 少女はそのまま歩き出す。


「待て!」


 俺が呼び止める。


「お前も神樹の塔へ行くのか?」


 少女は振り返る。


「もちろん」


「だったら一緒に――」


「それはできないわ」


「何で?」


「私は私の目的があるから」


 そう言うと、少女は階段の方へ歩いていく。


「また会いましょう」


 そして、銀髪の少女の姿は見えなくなった。


「……結局、何者なんだよ」


 もう悩んでいても仕方がない。俺たちには次の目的地ができた。神樹の塔。そこに異界の痕跡があるなら、行くしかない。

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