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異世界に転移したのでスマホで無双します〜このスマホはチートです〜  作者: 青上黒影
第二章

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第29話 謎が多すぎます

 俺たちは異界門の前に立っていた。巨大な円形の装置は静かに光っている。今すぐ起動できるようだが、銀髪の少女から言われた言葉が気になっていた。


「本当に起動しなくていいの?」


 グレイプが装置を見る。


「ああ。さっきの子も戻ってこられなくなるって言ってたしな」


「でも、異界門を使えば異界へ行けるんでしょう?」


「どうなんだろうな」


 俺はスマホを見る。


『異界門の詳細解析を開始します』


『解析中……』


 画面に次々と情報が表示される。


【名称:異界門】

【状態:休眠】

【接続先:???】

【起動条件:聖女+異界の神器】

【危険度:測定不能】


「やっぱり危険度が測定不能だ」


「それなら使わない方がいいわね」


 モモが頷く。


「でも、調べるだけならできるんじゃない?」


「そうだな」


 俺は装置の周囲を調べる。


「何か手がかりがあるかもしれない」


 俺たちは地下空間を調べ始めた。壁には古い文字が大量に刻まれている。だが、俺には全く読めない。


「これ、何て書いてあるんだ?」


「古代文字ね」


 グレイプが壁を見る。


「私も少しなら読めるけど……」


「おっ、さすが天才魔術師」


「こういうところで私の出番が来るのよ!」


 グレイプが胸を張る。


「それで何て書いてある?」


「えーっと……」


 グレイプが文字を読む。


「門を開く者は――」


「うん」


「聖なる力を持つ者と――」


「うんうん」


「神器を持つ者を必要とする」


「さっきスマホに出てた情報と同じじゃないか!」


「仕方ないでしょう!」


 グレイプが怒る。


「そう書いてあるんだから!」


「まあ、わかっただけでもいいか」


 そのとき、レモンが壁の別の場所を見つめていた。


「タローさん」


「どうした?」


「ここに何か書いてあります」


 俺たちはレモンのところへ集まる。


「これは……」


 壁には他とは違う文字が刻まれていた。


「読めるか?」


 グレイプが首を傾げる。


「これは古代文字じゃないわね」


 俺はスマホを向ける。


『未知の文字を解析します』


『解析中……』


 数秒後、画面に翻訳された文字が表示された。


『異界門は世界と世界を繋ぐための門である』


「やっぱり門なんだな」


 さらに文字が続いている。


『しかし、門を開けば境界は不安定になる』


『門を使用する場合、必ず世界の安定を確認せよ』


「世界の安定……」


 俺はスマホを見る。


【ライトディア:安定】

【異界:不安定】


「地球側が不安定なのか?」


「そうみたいですね」


 レモンが答える。


「でも、どうして地球が不安定なんだ?」


「それは……」


 クロエが黙り込む。


「知ってるのか?」


「可能性ならある」


「教えてくれ」


 クロエはしばらく考えたあと、口を開いた。


「異界門が複数存在しているからだ」


「複数?」


「ああ」


 クロエが装置を見る。


「この門だけではない。世界のどこかに、同じような門がいくつも存在している」


「じゃあ、それを全部調べる必要があるってことか」


「そうなる」


 俺はスマホを見る。


『新情報を確認しました』


【異界門:複数存在】


『異界門の位置情報を検索します』


 地図が表示される。


【確認済み:1】

【未確認:???】


「やっぱり他にもある」


「どこにあるの?」


 モモが画面を見る。


「まだ場所までは出てないな」


 その瞬間、異界門が突然光った。


 ——ピィィィン!


「何!?」


 グレイプが杖を構える。


『異界門が外部から起動されています』


「誰かが起動してる!?」


 俺は装置を見る。中央に黒い光が集まっていく。


「止められないのか?」


『停止処理を開始します』


『失敗』


「おい!」


 黒い光が徐々に大きくなる。


「タローさん!」


 レモンが俺を見る。


「どうしますか!?」


「とにかく離れろ!」


 俺たちは後ろへ下がる。


 ——ゴゴゴゴゴゴ……。


 異界門の中央に、黒い穴が開いた。


「これ……門が開いてるのか?」


「違う」


 クロエが剣を構える。


「これは正常な起動じゃない」


「じゃあ何なんだ?」


「向こうから無理矢理開けようとしている」


「向こうから……?」


 黒い穴の向こうに、何かが見えた。


「誰かいる!」


 モモが叫ぶ。人影がゆっくりと近づいてくる。


「まさか……」


 俺が神器を構える。だが、人影は門を抜けることなく、その場で止まった。そして、こちらへ手を伸ばす。


 ——ピィィィン。


『外部存在との接続を確認』


【対象:???】

【世界:???】


『警告』


『現在、接続を拒否することはできません』


「……!」


 黒い穴の向こうから声が聞こえた。


「ようやく見つけた」


 俺たちは一斉に身構える。


「誰だ!」


 俺が叫ぶ。しかし、返事はなかった。次の瞬間、異界門が激しく震え始める。


 ——ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!


『緊急警告』


『異界門の暴走を確認』


【門の安定度:12%】


「このままだと門が壊れる!」


「タロー!」


 モモが叫ぶ。


「どうするの!?」


「俺が閉じる!」


「どうやって!?」


「知らない!」


「知らないの!?」


「スマホが何とかしてくれる!」


「またそれ!?」


 俺は神器を異界門へ向ける。


『異界門との接続を開始します』


『神器適合率を確認』


【適合率:50%】


『閉門処理を開始します』


 神器が眩しく光る。


「いけぇぇぇ!」


 ——ズガァァァン!


 光が異界門を包み込む。黒い穴が少しずつ小さくなっていく。


「よし……!」


 だが、その瞬間。


「タロー」


 門の向こうから、誰かの声が聞こえた。俺は動きを止める。


「……?」


 聞いたことのない声だった。


「次に会うときは、ちゃんと話をしましょう」


 ——ブツン。


 異界門が完全に閉じた。


「……何だったんだ?」


 俺はスマホを見る。


『異界門の閉鎖を確認しました』


『新たな目的地を発見』


【次の目的地:???】


 俺は画面を見つめる。


「目的地が表示されてない」


 グレイプがため息をつく。


「この世界、謎が多すぎない?」


「俺もそう思うよ」


 しかし、今度は画面の下に新しい文字が表示されていた。


『目的地の手がかり:銀髪の少女』


「……」


 俺たちは全員、同時に顔を見合わせた。

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