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目の前の料理を食べる。
トマトベースで煮込まれた野菜達は驚く程甘い。玉ねぎはスプーンで掬うとトロリと原型を留めなくなるし、一緒に煮込まれた豚肉もそんな野菜の旨みを含んでとても柔らかく旨い。
そして新じゃがの季節だからだろうか。このゴロゴロと入ったじゃがいも達と言ったら…。
それらをトマトの程よい酸味が締めて。
「うまぁ…。」
パンをトマトソースにつけ口に放りこみ思わず呟く。
料理は残り僅かになっていた。
「…お前、本当美味そうに食うよな。」
「そりゃぁ美味いからな。マジでおかわりしたい。」
そう言いながら次の1口を運ぼうとすると、
「おうっ!坊主。今日はありがとな!」
と先程の声が聞こえていたのか、妙に嬉しそうにした店のオヤジさんが声をかけてきた。
「こんにちは、オヤジさん。今日はご依頼ありがとうございます。」
と、仕事モードになったらしいリュカが爽やかな笑みを浮かべている。
…胡散臭ぇ…。
何度も共にしていて、見慣れているはずなのに、普段の姿を見ているギャップで、とても胡散臭さを感じてしまう。
「何か変な事起きてるみたいですね。」
気を取り直しオヤジさんに声をかける。
「おぉ…そうなんだよ。ここ4日くらい前からなんだけどな……。」
どうやらオヤジさん曰く、昼ご飯のピークが過ぎ片付けや夜の仕込みを始めるときに、ここの所誰も居ないはずのシンクで急にガシャンと皿が割れるらしい。
オヤジさんは仕込みをしており、調理台からはシンクは死角になっている。慌てて見に行くと皿が1枚割れている。片付けの時間はスタッフの子はご飯を順番に食べているらしく、その時、店にはミアと2人でおり、ミアは丁度テーブルの客が食べ終えた食器を片付けている最中だったらしい。
「最初は皿の置き方が悪くて落ちたのかと思っていたんだが、気を付けても変わらず、4日も続くとな…。」
腰が痛むのか腰をトントンと叩きながらオヤジさんが言った。
「腰痛辛そうですね。」
「まぁ、歳だからな。職業病ってやつさ。」
困った様に笑いながら
「まぁ、頼むよ。」
と言ってオヤジさんは調理場へ戻っていった。
料理はポークビーンズみたいな感じです。




