回想1 クラヴィオ
俺はクラヴィオ。ピチピチの18歳だ。今は亡き常識人な祖父と糞馬鹿オヤジと3人で暮らしてきた。(まぁ、オヤジはほとんどいなかったが…)
母は物心ついた頃にはいなかった。
母は旅芸人の踊り子で、見た目だけは良かったオヤジと恋に落ちたらしい。2人は結婚し、オヤジは母と旅芸人の一座と共に過ごしていたそうだが、俺が産まれてすぐにその適当さ加減に愛想を尽かされ、赤子だった俺と共に一座から追い出されたらしい。
まぁ、これは現在の生活から推し量れると言うものだ。
それから故郷に急いで戻り現在の生活となったらしい。俺が物心つく頃、父は多額の借金を抱え、偶に戻っては、まとまった金だけを置いて旅に旅を重ねていた。それでも、嫌いにならなかったのは偶に戻ってきた時に共に過ごした時間が温かなものだったからに他ならない。
だから散々迷惑はかけられたものの、今回戻ってきた時本当に嬉しかったのだ…。
まぁ、今は殴りたいが勝っているが。
とにかく俺はそんなオヤジを育てたとは思えない程、常識人である祖父…じいちゃんと2人で過ごしてきた。
家事や身の回りの事をはじめ、魔法においては師匠でもあった。じいちゃんが居たおかげで、俺はねじ曲がらず育ったし、生きる術を身に付けることが出来た。
この外見だったから危険な事もあったが、じいちゃんの魔法のおかげでなんとか過ごせたと言っても過言ではない。
じぃちゃんは昔は名のある魔法使いだったらしい。引退した後も時々偉い人に呼び出されては助力していた。
小さな俺が居る為、中々大掛かりな事は出来なかった様だが、それでもその報酬で借金を返しながら2人が生活出来るだけの環境を整えてくれていた。
一方そんな両親のいい所だけを引き継いでしまった俺は産まれた頃から見目だけでなく、かなり強い魔力を持っていたらしい。
幼少期は暴走する事もあった様だが、物心ついた頃には祖父に厳しく鍛えられ暴走する事も無くなった。
淡く光る髪の毛もその魔力が漏れ出しているからだそうだ。この髪の毛がまた厄介で、少しでも男らしい見た目にしようと切っても魔力のせいで翌日には元通り伸びてしまう。俺の健闘虚しくすぐに戻ってしまう為、最近は諦めて紐で束ねるようにしている。
現在はこの髪の毛を媒介にして魔法に利用したり魔法具として、守りの組紐などに活用しているから、まぁ、有難いと言えば有難い。
じいちゃんが2年前亡くなった後も、何とか過ごせたのは、じいちゃんの教えと、魔法があったからに他ならない。まぁ、魔法があったからこそ、守銭奴な幼馴染が持ってきたクエストをし、こき使われてた訳だが…。




