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盲目少女の転生記~聖女へと至る道~  作者: 海・海
第5章:チート勇者爆誕
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第1話:勇者誕生

ガバッッ


「ハァ、ハァ、……夢?」


口ではそう言いながらも、本当は夢じゃないことくらい理解していた。これが夢だったらどんなに楽だっただろうか。


「……これが、ミラに奪われた記憶のすべて…………」


なんてことだ。ミラと私は同じ境遇でも、味わった痛みは親を失ったあの子のほうが大きい。当時の私はそんなことも理解せず、ただ当たり前の正論を唱えていただけ。しかも最後は強引に力技で対応したなんて……


「いっそ時間が巻き戻ればいいのにな」


そんなことが起こるわけないか……。


自分で言った願望を自分で否定し、私は重い気分で食堂に向かった。



ー食堂ー


「おっ、リーナ!遅かったな。ゆっくり眠れたか?」


ザックが元気いっぱいの声で私に話しかけてくる。


「うん。体調はもう大丈夫だよ」


精神面では全然大丈夫じゃないが、それを顔には出さず対応する。


「顔色もいいし、大丈夫そうだな。早く飯食ってギルド行こうぜ。ブラックベアーの素材を売った金が切れそうなんだ。その分いい武器は買ったけどよ」

「そうなんだ。私も早く使ってみたいな」


嘘だ。本当は一日中部屋にいたい気分だ。だけどそれで解決するものでもないし、そのせいでみんなに迷惑はかけられない。


「あぁ~、眠い。あれ、リーナもう起きてたの?おはよう」

「おふぁよう」


ミレイとレイラも起きてきた。相変わらず朝に弱いようだ。


「おはよう。急いで席に座って。一緒にご飯食べよう」


そう言った瞬間、ミレイはいぶかしげにこちらを見つめた。・・・特に不自然な行動はとっていないはずだが?


「リーナ、昨日の夜に何かあったの?」

「!!!!!」


なんで?顔には出してないはずなのに!?


「その反応、何かあったんだね?」

「…………」


こちらを問い詰める視線に、私は無言で返す。


「……そこまで言いたくないなら無理には聞かないよ。でも、あまり一人で抱え込まないでほしい。私たちは親友なんだから」

「ありがとう。……いつか話すよ」


ミラがこのまま魔王であり続けるなら、いつかこの話をする時が来るだろう。どうかその時まで待っていてほしい。


……話を終えて、私たちは朝食に手を伸ばした。


それから十数分後、レイラの耳が反応した。


「ん?」

「どうしたの?レイラ」

「ねえ、なんか足音が聞こえてくるんだけど?しかも何これ⁉百や二百?いや、千?万?結構多い!」

「「「はあ!?」」」


おそらくこれは10㎞以上遠くの話だろう。レイラの『全能の耳』がどこまで聞こえるかは本人もわからないらしい。だがそれでも、万は多くなかろうか?そう思っていたら、いきなり食堂のドアが開いて、慌てて入ってきた人がこういった。


「大変だ!!魔族が魔物を引き連れて攻めてきた!!目測で一万体だ!急いで逃げろおぉおおおおお!!!」


レイラに足音のことを事前に知らされていたので、足音の正体はこれだと納得した。


だが、ほかのみんなは大パニックだ。


「なにいぃいいいいい!!??」「ま、魔王だ!魔王が攻めてきやがったあぁああああ」

「逃げろおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


魔王が攻めてきた。その言葉で、ミラがこの国を襲うといっていたことを思い出す。


「これのことだったんだ」

「ん?何か言ったか?リーナ」

「いや、なんでもない」


ザックの質問を軽く流して、私は今の状況を把握することに神経を注ぐ。


<世界に警告します。個体名:ミラがリバーナ王国を攻めたことにより、魔王の種が発芽しました。それの伴い、勇者の種を発芽させます…………成功しました。勇者は、個体名:リーナに決定します>


この脳内アナウンスにより、私は正真正銘の勇者となった。

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