第1話:二人の出会い
今回は短めです。
時はさかのぼり、リーナがまだ四歳だったころ・・・
「さてと、今日は何をしようかな?」
今日は何か重大なことがあったそうなので指導は無しだといわれた。つまり暇なのだ。
「湖のほうにでも行こう」
休みの日は湖に行くのがほとんどだ。あの綺麗な湖と、その周りに咲く花を眺めるのが、この時の私は大好きだった。
「・・・ん?」
いつもそこには誰もいない。そして今日もいないだろうと思っていた。だか違った。一人だけ、泣いている少女がいたのだ。
私は興味を持った。そして、なんで泣いているのか気になった。
「あなたは誰?なんで泣いているの?」
できる限り優しく聞いた。そして振り返った少女の姿を見て、びっくりした。
その少女にはエルフ特有のとがった耳が生えていた。そして、魔族特有の側頭部の角も生えていた。なのに、肌は普通の人間と何も変わらない。
こちらの驚愕にも気づかず、少女は名乗った。
「私は、ミラ」
「へえ、ミラっていうんだ。私はアカネ」
「アカネ?」
「うん!ねえ?あなたはどうして泣いていたの?」
「うッ、うっ、うえええええぇぇぇぇぇぇん」
また泣き始めた。これはもう時間に任せるしかない。
この時の私は泣いている女の子を慰めるなんて甲斐甲斐しい思考はもっておらず、ただ時が過ぎるのを待った。
これが、のちの魔王と勇者・・・私とミラの出会いだった。
ー翌日ー
「へえ、ミラちゃんは混血種なんだ」
「うん」
あれから泣き止んだミラちゃんと、私はすっかり打ち解けていた。
「ねえ」
「ん?」
「アカネちゃんは、私が混血種だってわかっても、何とも思わないの?」
しばらく言われた意味が分からなかったが、Aがこの間混血種とは体に二つの種族の血が混ざった汚らわしい種族だといわれたのを思い出した。
「なんとも思わない。私は別にあなたのことを汚らわしいとは思わない。あなたは私の種族、ダークエルフについてどう思う?」
「ダークエルフって何?」
「え!そこから!?ん~?要するに、みんなから嫌われている種族のことだよ。あなたみたいに」
「私・・・みたい?」
「そう!」
おそらく、この子はエルフと魔族の津が混ざり合っている。エルフはただでさえ多種族を嫌っている。その中でも特に嫌っているのが魔族だ。魔族の紫色の肌からまがまがしいものを連想させられるかららしい。まったくもって偏見なことだ。
「あなたは、私のことが嫌い?」
「ううん」
「それと同じだよ。今日から私たちは友達だよ。ミラちゃん」
「友達?」
「うん。似た者同士。嫌われ者同士でね」
「うん!」
その時のミラちゃんの顔は、素晴らしい笑顔だった。よっぽど友達がほしかったんだろう。私も、この時はまだミレイとレイラにも会っていなかったから、友達がほしくてたまらなかった。
この時の私は、何も知らなかった。
この出会いが、何を引き起こすのか・・・・・
この出会いが、どんな結末を生むのか・・・・・
この出会いが、どんな形で別れるのか・・・・・
分かっていたら、もう一度過去に戻れたら、この出会いを、もう少しましなものに変えられただろうに・・・・・




