第3話:新武器
とりあえずそこらへんの武器屋によってみる。
「いらっしゃい」
そういってきたのは、色黒で背が低い、筋肉質でひげがもじゃもじゃ・・・
ドワーフである。
「!!!」
私はびっくりした。なぜなら、この世界にドワーフがいるなんて聞いたことがなかったからだ。
「ん、どうした?俺の顔に何かついてるか?」
「いえ、ドワーフを始めてみたもので、少し驚いてしまって」
「んぉ!ダークエルフだと!初めて見たぜ。ほかの二人はエルフか?」
「!!!!!」
なぜばれた!耳は髪で隠れているし、仮に見えたとしてもダークエルフとエルフの容姿は変わらないはず!
「ああ~、すまん。出来心で『鑑定』を使っちまった。許せ、嬢ちゃん」
!そうだよ、『鑑定』があればステータスを調べられる。人にしたことはあったが、自分がされる可能性を考えてなかった。けど、様子を見るにこのドワーフは、驚きはしたものの、それから私をどうこうする気はないようだ。
「そうか、さぞかし苦労してきたんだろうな~」
「えっと、なんで種族がわかってもそんなのんきな反応なんですか?」
「ん?そうか!エルフじゃダークエルフは厄災扱いだからここでもそうかと思ったんだな?そんなこたぁねえぞ。そう思ってるのはエルフだけだ」
マジでか!?だったら人間の国ならダークエルフってばれても問題はないのか?
「まあ、珍しいことに変わりはねえから、おいそれとばらさねえほうがいいと思うぞ」
そうですか・・・。うん、そう簡単に期待したらだめだよね。でも残念なものは残念だ。
「で、ここには武器を買いに来たんだろ?何かほしいものはあるかい?」
そうだった!危うく話が脱線するところだった。
「皮鎧を四着、、ロングソード一本、短剣二本、投げナイフ五本とそれを入れるホルダー、あれば刀を、それぞれ一番安いやつをください、全部でいくらですか?」
「あいよ、鎧は、ウサギの皮鎧が1万5千ガル×4、ロングソードが5千ガル、短剣二本で4千ガル、投げナイフはホルダー付きで7千ガル、全部で七万六千ガルだな。サービスで解体用のナイフもおまけしてやる」
おお、思ったよりも安いな。サービスもありがたい。これは今晩は宿の心配も必要なさそうだ。けど、やはり刀はないのだろうか?その心情を察してくれたのか・・・
「刀のことは悪いが、あるにはあるんだが、そいつがとんでもないなまくらでな。とても売りに出すことができん」
つまり売れないほど切れ味が悪いとゆうことだろうか?
「何なら見てみるか?ちょっと待ってろ」
そして店主が持ってきたのは・・・
とても綺麗な刀だった。刀身が光を反射して、美しい波紋をさらに引き立てている。切れ味もよさそうだ。とても売れないようななまくらには見えない。思わず見とれてしまうほどだった。それほどの衝撃を受けた。
「見た目はいいんだが、押しても引いても切れやしない、ほしいんだったらタダでやるぞ」
「いいんですか!?」
「このまま店に置くのももったいねえし、嬢ちゃんならうまく使ってくれる気がしてな。それに出来心で『鑑定』をかけたお詫びもある。」
「ありがとうございます!!」
いい買い物をした。これで依頼も頑張れるというものだ。
ー森の中ー
街を出るときに門番に身分証を見せたら結構驚かれた。やはり女でこの若さの冒険者は珍しいみたいだ。
「確か、ゴブリンを五体倒せば終わりだろ?初めての魔物だけど、頑張ろうぜ!」
「何その気楽なあいさつ、もうちょっとなんかないの?」
そういうがミレイ、君のキャラも気楽で通っていると思うのだが・・・
「ミレイもザック側だと思ってたけど、違うの!?」
「ひっどっ、あたしそんなに気楽じゃないよ!?」
「何気に失礼だってことに気付いてるか、お前ら?」
その会話自体が気楽だと思うのだが・・・と思ったところで、ちょうど生き物の気配がした。おそらくゴブリンだと思う。ザックは気づいたみたいだ。さっきの気楽さはどこへやら、気を引き締めている。二人もそれを察して、遅れて気を引き締め始めた。
「グギャギャギャ」「ギャウ」「ガァ」
現れたゴブリンはちょうど五体。肌は緑色で、やはり不細工だ。背は120㎝ほど。一匹逃がさず殺す!
まずはザックが一番前にいるゴブリンに突っ込む。剣を上から振り下ろす。もちろん様子見の一撃だ、手加減して相手の実力を測る。
「ギャ!」
先手を取られたものの、剣速が遅すぎたのか、バックステップでよけるゴブリン。だが、そこから前に跳び出したザックは相手の首に剣を突き刺す。もちろん、スピードはさっきの比じゃない。
「ギャ!ガフッ!」
一回目とのスピードの差に驚いたゴブリンは、当然よけることもできずに殺される。そして急に仲間を殺されてうろたえるほかのゴブリン。当然その隙を逃すつもりはない。
レイラは二匹のゴブリンののどに向かってナイフを投げる。見事命中して、相手のゴブリンは息絶えた。
ミレイは相手の胸を✕字に切り裂いた、おそらく心臓が切られた。もうすぐ死ぬだろう。
私は残るもう一体の首をはねようと、刀を横に振る。が、相手の首ははねず、まったくダメージがないようだった。そのことに動揺して、我に返ったゴブリンの右ストレートが決まってしまった。幸い力はそんないのか、それほどダメージはなく、刀に風魔法を纏って首をはねた。
(動揺したとはいえ、一撃を食らうとは・・・少し反省が必要だな)
しかし、不自然なことが多い。確かに店主はなまくらと言っていたが、これはそんなに悪いようには見えない。だからてっきり、試し切りした物が堅かったのか、切った人の技量が悪いか、あるいは両方かと思っていた。けど、『刀術』Lv3の私が首を切れないんだったら純粋に切れ味が悪いですむだろう。
が、それでも刀は鉄の塊。そんなもので、しかも私のステータスで首を攻撃されたらたまったものじゃないはずだ。それなのにゴブリンにはまったくダメージがなかった。
それによく見れば、少し刃こぼれしている、鉄にしては耐久力が低すぎる。
どうやらこの刀は普通のものとは大幅に違うようだ。少し調べる必要があるだろう。
「大丈夫か!?リーナ!?」
「うん、大丈夫」
「よかった。しかし、お前がゴブリンに一撃をもらうとはな」
私もびっくりだ。動揺もあったが、それに加えて無意識のうちに油断していたんだと思う。もっと気を引き締めないとな。しかし・・・
「うっぷ」「おえぇ」
二人とも初めて生き物を殺して、慣れない血のにおい、肉を断つ感触に気持ち悪さがこみ上げている。かくいう私も手が震えている。狩りの時は弓だったから、あの肉を断つ感触には慣れていないのだ。でも、これから何度もやることだ。だんだん慣れていくしかない。
レイラは投げナイフだから、直接肉を断ったわけじゃない。だから口元を抑えるだけで済んでいる。今度は短剣で戦わせよう。酷かもしれないが、いつまでも殺すたびに吐かれては困る。
「討伐部位の剥ぎ取りは俺がやっとくから、リーナは二人を見ておいてくれ」
ザックはどうやら平気のようだ。経験があるからだろうか?いや、これ以上考えるのは失礼だろう。
話は変わるが、討伐部位とは、討伐対象を討伐した証拠となる部分の事だ。ほかの魔物や動物はともかく、ゴブリンには食べられる肉も何かの材料にする部分もない。そしたら死体をいちいち持って帰るのは面倒になる。そこで、死体の一部を持ち帰ってそれを証拠にすることにした。それが討伐部位である。ちなみにゴブリンの場合は右耳。
とりあえず二人が落ち着くのを待って数分・・・
「最悪・・・」
「もうお嫁にいけない」
我に返ってものすごく落ち込んでいる。
「別に始めて殺したんだったら吐くのは普通だろ?それにお前ら修行中にも何回も吐いてたじゃねえか」
「「それとこれとは別なの」」
私もザックと同じ意見なのだが、これは私がおかしいのだろうか?はッ!もしかして、これも女の子らしくないことに入るのだろうか?
そんな感じで頭を悩ませたり言い合いをしているうちに結構時間がたってしまったらしい。血のにおいに引き寄せられたか、ゴブリンとは比較にならない大きな気配がやってきた。数は・・・おそらく三体!
「どうする?逃げるか!?」
「いや、ゴブリン戦ではそんなに体力も使ってないし、多分向こうも私たちのことに気付いてる。逃げられないことはないかもしれないけど、勝てない相手でもないし、ここは戦う!
みんな、隊列を整えて、数は三体!これは依頼に入ってないから、危険があれば即逃げる、向こうが逃げても負わないで!戦闘準備!!」
「「「了解!!」」」
構えた私たちの前に現れたのは・・・・・・
熊が三匹、そのうちの一体は、毛が黒くて、ほかの熊よりも一回り大きかった。




