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盲目少女の転生記~聖女へと至る道~  作者: 海・海
第2章:王国生活
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第8話:修行

あれから二年の月日が立った。私たちは前と変わらず幸せに過ごしている。


「このままじゃだめ!」


「ん?どうしたんだ?急に?」


急じゃない!実は前々から考えていた。


「私たちは今10歳。体も十分育ってきた。だから・・・修業を始めてもいいと思うんだよ」


そう、修行!だって今私たちがしていることって盗み、家事、ごみあさり、何にも強くなることをしていない。このままじゃダメ!絶対!


「そういやあと五年だな。冒険者になるまで」


「そう!そして今は成長期!今鍛えないでいつ鍛える!」


「?その成長期?は置いといて・・・まあ、鍛えるのは賛成だな」


「「あたし(私)たちはちょっと反対・・・」」


この世界に成長期という知識は広まっていないのか?それは置いといて、この二人の反対は予想はついていた。

なぜなら私が前世の今頃、祖父に課せられた特訓内容を知っているからだ。あれはひどかった。何度祖父を人でなしと心の中で罵ったことか。


「悪いけど、これは強制だよ」


反対を受け入れるなんて甘い考えはない。これは命にかかわることだ。獅子は自らの子供を谷に突き落とす。だから私も、心を痛めながら二人に修行を付けることにする。


「なあ、そんなにひどいのか?リーナの修行は?」


「「ひどいなんてものじゃない!地獄!三途の川が見えるよ!!」」


ひどい言いざまだが全面的に同意する。実際見えたからね、三途の川。


その必死な様子を見てザックが顔を引きつらせているが、安心させるためにも一言言っておこう。


「まあ、魔法のことも教える必要があるから、そこまで肉体的にきつい修業はできないよ」


そう言ったらあからさまに喜んでいる三人。だけどそれは何とか修行を受け入れて貰うための方便であって、学校やら授業やらがない分より多くの時間が取れてだいぶハードになるだろうが、世の中知らないほうがいいこともあるだろう。


「まあ、いきなり修業を始めてっていても無理だろうし、明日から始めよっか。今日は軽く筋トレしたり、気合を入れたりでいいよ。明日から厳しくするけどね」


「「「はい!」」」



ー翌日ー


朝五時


「起きて~」


「「むにゅ~」」 「ふぁ~ぁ、どうしたんだ?」


二人は朝が弱いけど、ザックは返事がはっきりしているから、朝は大丈夫みたいだな。


「朝食を食べて、そのあと修行開始だよ!」


「「「早すぎるだろ!!」」」


何か訴えているが無視して朝食をとらせる。そのあとは瞑想で心を落ち着かせ、雑念を取り払い、けがをしないようにストレッチをする。


ー朝六時ー


「まずやるのは走り込み」


「いつまでやるんだ?」


「倒れるまで」


みんな絶句した。気持ちは分かる。


「正確には三時間くらい。手を抜かずに走れば絶対倒れるだろうから。みんなSP二桁だし」


「本気か?」


「つべこべ言わず走る。大丈夫。私もやるから」


そういって無理やり走らせる。みんな何か言いたそうにしていたが、すまない。私はそれを聞いてあげることはできない。強くなるためにも、ここは情けをかけてはいけないのだ。



ー三時間後ー


「「おぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」」


まずレイラが先に気絶。その次にミレイ。そして私とザックは最後まで走れた(途中からフラフラだったが)が嘔吐。気絶している二人はラーニャさんが介抱している。


「なあ、これ・・・うぷっ・・・毎日やるのか?」


「そのつもり・・・うっぷ」


ものすごく嫌そうな顔をされたが、私だって嫌だ!だけど強くなるためにも気は抜けない。みんな(私含む)がんばれ!


「大変ねぇ~」


「すみませんラーニャさん。迷惑かけちゃって」


朝食を作ってもらうために私たちより早く起きているし、気絶している二人の介抱、ラーニャさんにだって負担がかかっている。


「このくらい、将来あなたたちが冒険者で稼いでくれる分の先行投資だと思えば安いものよ」


ああ、この人すごすぎる。こんな人が家族だなんて、私たちはなんて幸せ者なんだ。



ー午前十一時ー


今は目覚めた二人を含む全員で王都の公園にいる。


「何でスラムじゃねえんだよ?」


「今から魔法の訓練をするんだけど、スラムじゃ魔法を使うと目立ってしょうがないでしょ?だから、ここでは多少魔法を使っても目立たないし、修行にはうってつけってわけ」


納得してくれたところで修行開始!まずは基本の『魔力操作』から始めてみる。


「地味~」 「退屈」 「なんか他にねえのか?」


「基礎は大事!Lv5になったら属性魔法もちゃんと教えるよ」


でもまあ、魔力は自分の体の一部みたいなもの。要は手足を動かせといっているようなものだ。

前にLv10になるためには半生かかると説明したが、あれは特に難しいものの話で、例外もちゃんとある。だからLv5位は簡単に習得できると思う。


そのあと昼食をとってまた走る。また朝と同じ状況になったが、目が覚めて少し休んだら、キキョウが作ったゴーレムと模擬戦だ。キキョウは久しぶりに力を使えてうきうきしていた。

ここ最近はキキョウと遊んだり力を使ったりはしていなかったのでいろいろ不満だったのだろう。機嫌がよくなって良かった。


キキョウのことを話したらレイラ以外驚いていた。レイラは『全能の耳』で声だけは聞こえていたそうだ。



そして夕食、みんなのどを通っていなかったが、無理やり食べさせて体を洗った。さすがに我慢できなかったのだ。貴重な水を使ってでも汗を流す必要があった。


ー午後八時ー


「最後は筋トレ」


「まだやるのかよ!」


そんなに言い返せるのはザックだけだ。二人はもう口答えすらできないくらい弱っている。


「文句言わない!腕立て100回、腹筋100回、背筋100回、スクワット100回、終わったらストレッチをちゃんとすること」


渋々、それはもう渋々とやってたよ。私もだけど。こんなに体を動かしたのは久しぶりだ。ある程度体が出来上がるまで、無理な修行は控えていたから。


そして、十時になって寝る。これを毎日繰り返す。

だけど全く同じことを繰り返すと飽きてしまうから、走り込みを減らしてザックに異世界の科学を教えたり、人体の急所や体の構造をみんなに詳しく教えたり・・・


魔力操作Lv5を習得したら、属性魔法を見せた。小さい花火を見せたり色水を操ったり、できるだけ楽しくなるように、もちろんちゃんとした攻撃魔法なども教えたが・・・


もちろんいいことばかりではない。ゴーレムではなく私たち四人だけでも模擬戦するときは、私はわざと攻撃に殺気を込めてひるませた。そしてみんなにこれができるように教えた。

殺気を覚えろなんて平和な日本人に教えるなんて無茶かもしれないが、私も祖父との模擬戦の時に何回も殺気を当てられ、骨を折られ、血反吐を吐いたのだ。だからみんなも頑張ってほしい。


体力や筋力がついてきたら走り込みのペースを上げたり、筋トレの量を増やしたり、気配の感じ方、消し方、魔力の感じ方、隠蔽の仕方、本当に様々なことを実践した。



そんな感じで、五年が経過したのだった。


しばらく閑話や登場人物紹介が入ります。

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