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盲目少女の転生記~聖女へと至る道~  作者: 海・海
第2章:王国生活
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20/50

第7話:ザックの過去

今回はちょっと長いです。後、少しダーク気味です。

奴隷商館の件から数週間後・・・


「「「「いただきます!」」」」


食卓に並ぶのはどれも新鮮な食材を使った料理だ。


「リーナもやっと盗みに慣れてきたな。最初はスリとか全然だったのに」


「アハハ・・・」


喜べばいいのか落ち込めばいいのか・・・理解に苦しむところだ。


「いや~、ラーニャさんとレイラの料理はおいしいね~」


「そう思うなら少しは手伝ってほしいんだけどね。今のところタダ飯ぐらいはあなただけなんだよ」


「まあまあレイラちゃん、ミレイちゃんもゴミ拾いでお金稼いでるじゃない」


「そうそう、だからただ飯じゃないんだよ~」


「くぬぬ。」


「家事ができなくて稼ぎが一番少ないのは確かだけどな。そういや、ステータスに何か影響あったか?ここで暮らせば、嫌でも変化があるはずなんだが」


そういえば確認していなかったと思い、私はステータスを確認する。



****



ステータス


名前:リーナ

種族:ダークエルフ

年齢:8

状態:良好


Lv1

HP:50/50

MP:180/180

SP:70/70


筋力:30

俊敏:45

防御:40

精神:230→250


通常スキル

格闘術Lv7 弓術Lv4 超五感Lv10 気配感知Lv10 隠密Lv7 魔力操作Lv10 炎魔法Lv7 雷魔法Lv7 氷魔法Lv7 闇魔法Lv5 風魔法Lv4 水魔法Lv4 土魔法Lv4 光魔法Lv3 全属性魔法耐性Lv3 苦痛耐性Lv3 飢餓耐性Lv5→6 毒耐性Lv2 病気耐性Lv2New! アクロバットLv3


希少スキル

武術の才能 魔法の才能|(炎・雷・氷・闇) 精霊眼 魔眼 千里眼 未来視 鑑定眼 感情感知 精人一体 


称号:精霊の友 小悪党New!



****



(精神、『飢餓耐性』上昇、『病気耐性』獲得、これは問題ない。が、小悪党って何!?)


称号:小悪党:小さい盗みくらいしかできない小悪党。チンピラと同レベル。


「納得できるかーーーー!!!」


「うおっ!どうした!」


みんな驚いているが、それを気にしているほどの余裕はない。それほど今の私は苛立っている。


(チンピラってあれだよね!あのチャラチャラした世紀末のナンパとカツアゲしか能のない社会不適合者のことだよね!?それと同レベル!?)


一部偏見が混じっているし言い方もひどいが確かにその通りだろう。


「ああ~、察するに称号に小悪党でもあったか?安心しろ、称号はずっと残るものじゃねぇ、いつかまっとうに生きればそのうち消えるさ」


「本当!?じゃあ早く冒険者になってこの不名誉な称号を消さないと!」


ちなみに冒険者になるためには15歳になってからギルドで登録しなければいけない。ああ、早く15歳になりたい。


「二人のステータスはどうなったんだ?」


「「精神上昇、『飢餓耐性』、『病気耐性』獲得。あと、『鑑定』(『家事』)が増えてた。」」


(ミレイの『鑑定』はゴミあさりでものを眺めて手に入れたんだね。レイラの『家事』は、ラーニャさんの手伝いで手に入れたな)


「まっ、当然だな。此処の暮らしはそんな甘いもんじゃねえし」


「ザックのステータスはどんな感じなの?」


ふと、好奇心で聞いてみた。


「人に見せられるもんじゃねえよ」


そう言われたら見たくなるのが人情だ。とゆうわけで、『鑑定眼』発動!



****



ステータス


名前:ザック

種族:人間

年齢:8

状態:良好


Lv2

HP:38/38

MP:30/30

SP:40/40


筋力:20

俊敏:25

防御:20

精神:45


通常スキル

格闘術Lv2 剣術Lv1 鑑定Lv3 気配感知Lv2 隠密Lv3 飢餓耐性Lv7 苦痛耐性Lv5 病気耐性Lv4


称号:小悪党 親殺し



****



(えっ?)


思わず固まってしまった。そしてもう一度確認する。言わずもがな、称号についてだ。


称号:親殺し:親を殺した親不孝者に与えられる称号。


(なんで?ラーニャさんは?もしかして父親?なんで?)


自分が動揺しているのにも気づかなかったらしい、ザックに声をかけられた。


「どうした?気分でも悪いのか?」


「うん、ちょっと疲れたかな?先に寝てるね?」


そういって逃げるように、わらが積まれただけの簡素な寝床に直行した。考えるのをやめるように、静かに目を閉じた。それでも・・・結局眠れなかった。



ー深夜ー



「リーナ、起きてるか?」


ザックが訪ねてきた


「うん、起きてる」


動揺を隠しながら、そういった。


「そっか、入るぞ」


そういって彼は、私の前に座った、先に口を開いたのは、ザックのほうだった。


「単刀直入に訊くけど、お前、俺の称号を見たか?」


「!」


いきなり核心を突いた質問に、思わず固まってしまった。


「やっぱりか。まさかとは思ったけどな」


「・・・・・」


「気になるか?」


「・・・気になる」


気にならないわけがない。どうしてそうなったのか、話してほしい。


「俺は、お前になら、話してもいいと思ってる。だから、最後まで聞いてくれるか?」


「うん」


「・・・分かった。話すぜ」



ーザック視点ー



俺が三歳の時、俺の親は両親ともとても優しかった。


「ハハッッ、ザック、お前は将来冒険者になるのか~?」


「うん、俺、父さんみたいに強くなる」


「うん、男たるもの強くあれ」


「あなた、ご飯できたわよ~」


「ザック、行くぞ」


「うん、母さんのご飯大好き」


スラムで生まれて、環境もあまりよくなかったけど、強くてかっこいい父さんと、優しくて料理がうまい母さんが大好きで、毎日幸せだった。でも・・・四歳の時、


「もっと酒をよこせごるらぁ!!」


父さんは酒におぼれていって、どんどんおかしくなっていった。


「無理だよ父さん、食料がなくなっちゃう!」


「だったら盗んででも取って来い!!」


そういって拳を振りかぶって、殴られる。


「やめて!」


そこに割って入って殴られるのが、母さんだった。でも、父さんは殴るのをやめない、それをかばって、母さんは殴られ続ける。



俺は酒さえあれば、母さんが殴られずに済むと思い、必死に盗みを覚えた。

それでも、暴力は日に日に増えていった。母さんがかばいきれず、俺も殴られるようになった。



そして、五歳の時・・・


「ザック、母さん、もう無理だよ。だからお願い。これで、私を殺して」


暴力に耐えきれなくなった母さんは、俺に包丁を渡してそう言ってきた。


「無理だよ!俺、そんなことしたくないよ!どうして母さんが死ななきゃいけないの!?ねえ、母さん!」


最初は猛反対したけど、母さんの虚ろな目と、必死に「殺して」と懇願する姿を見て、次第に、迷いが薄れえ来た。そして・・・


グサッ


なるべく苦しまないように、致命傷を狙って殺した。とても苦しくて、悲しみに泣いた。


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」



それから数分後だ。父さんが帰ってきたのは・・・


「うぃ~ヒック、あっ、なんだこりゃあ!」


その時の父さんはとても驚いていた。さすがに死ねば情もわくかと思ったら・・・


「くそっ、これから売って酒代にでもしようかと思っていたってのに!その前に死にやがって!」


勘違いも甚だしかった。ただ、金としか思っていなかったのだ。





気づけば、俺はとび出していた。


「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「な!ぎぃやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


俺の包丁は奴の腕に食い込んだ。そして包丁をひねる。


「ぎゃあああぁぁぁぁぁ」


そのたびに悲鳴が聞こえる。


無視する。無視して何度も何度も包丁で刺す。


「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」


今までそ恨みを載せて、何度も、何度も、何度も、何度も、


そして、ついに奴は息絶えた。


<Lvが1から2に上がりました。スキル『剣術』を習得しました。称号:親殺しを獲得しました>


そして、俺は泣いた。それは、母さんが死んだからなのか、昔の父さんを思い出して泣いたのか、俺自身でもわからなかった。


「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ」


俺の泣き声は、静かに、夜の闇に消えていった。



ーリーナ視点ー



「そう・・・だったんだ。じゃあ、ラーニャさんは!?」


「あの人は家系図でいう叔母さんだ。本当の母さんの妹。あの後スラムを彷徨っているところを、保護してくれたんだ。妙に若いと思わなかったか?」


言われてみれば、八歳児の母親にしては結構若い気がする。多分二十歳かそこらだし。


「なあ、今の話聞いて、俺のことどう思った?」


「・・・・・」


「やっぱり、怖いか?」


「!そんなことはない!絶対!だって、ザックはお母さんのためにしたことでしょう?だったら、私は怖くもなんともない!」


「え!?」


「ザックは、両親を殺したこと・・・後悔してる?」


「・・・していない。母さんはもう、生きていても絶望しかなかった。父さんは、死んで当然のクソ野郎だ!」


「だったら、私は怖がったりしないよ!だから、泣かないで」



そう、彼は泣いていた。だから、そっと抱きしめた、優しく、包み込むように・・・



「ハッ、泣いてねえよ、バカ」



「・・・・・」



「・・・リーナ」


「何?」


「ありがとな」


「うん」


これで少しでも彼の心が癒せるなら、私は何度でもそうしよう。何度でも癒してあげよう。そう、心に誓った。 

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