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盲目少女の転生記~聖女へと至る道~  作者: 海・海
第2章:王国生活
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19/50

第6話:奴隷

総合評価ポイント、100を超えてました。嬉しいです。これからもよろしくお願いします。

リバーナ王国中央都市商店街


各国の特産品が集まった非常に品揃えのいい商店街である。そこには様々な客が集まり、とても賑やかで、毎日人があふれかえっている。


「いい街だな~」


私もその客(盗むのにこの表現はおかしいが)の一人である。


「何和んでんだ。気を引き締めろ」


「ねえ、盗む前にこの街見て回ろうよ!きっと面白いものがたくさんあるよ」


「ダメだ。食糧最優先」


むぅ、融通が利かないな。そもそも、私も目的は今のところは世界を見て回ること。そしてファンタジーを満喫するのだ。ここは何としても譲らない。そんな心情を感じ取ったのか、ザックは・・・


「はぁ、わかったよ。食料品を物色するついでに、いろいろ見て回るとするか」


「ありがとう。ザック」


私は満面の笑みでそう答えた。そしたら急にザックの顔が赤くなり始めた。


「どうしたの!?熱でもあるの!?」


そんな心配をした私に帰ってきたのは呆れの声で・・・


「お前・・・自分の顔を見たことあるか・・・?」


そんな全く関係ない話だが、一応「ないよ」と返事をしておいた。そしたら妙に納得したような顔で・・・


「自覚なしか・・・厄介な・・・」


何かぶつぶつと言っているが、『超五感』を持つ私の耳にも聞こえなかった。まあいい。さっさと店を回ることにしよう。


「話は変わるけど、お前の服、すっげえ動きやすいよな」


そう、今私たちが着ているのは、スラムのぼろ服ではなく、エルフの普段着だ。

なぜ来ているのかというと、そのほうが商店街にいても違和感がないからだそうだ。

ちなみにもともと私が着ていた服をザックが、ミレイが来ていた服を私が着ている。

なぜなら私の着ている服が中性的だからだ。そのことについては女性三人から「格好に気を使え!」と言われたが・・・


「使ってるよ!こっちのほうが動きやすいじゃん!」


と反論したらものすごく複雑な表情をされた。ラーニャさんが「これからどうあの子を育てたらいいの?」と泣きそうな顔で言ったときは本当にどうしたらいいのかわからなかった。

二人いわく「もっと女の子らしくしたらいい」らしいが、私は十分女の子らしいぞ!全世界の女の子に謝れ?聞こえませ~ん!


「なんかものすごく間違ったこと考えてるみたいだけど、そろそろ行くぞ」


「あ、うん!」



閑話休題



結論、ものすごく楽しくなかった!きになるお店を見つけても表で見てるだけ、人ごみの中をかき分けて進む窮屈さ、最悪だ最悪。そう思いながら歩いていくと、ふと、奴隷商館の店で足が止まった。


「ちょうどいいな。リーナ、お前『隠密』使えただろ?今からあそこに侵入する。まあ、ちょっと見て帰るだけだがな」


「? なんでそんなことを?」


「見ればわかる」


それもそうだと納得し、『隠密』を発動させて裏口から侵入する。ザックも『隠密』は使えるらしく、見たところLv3位だと予想する。独学でこれほどうまく消せるなら、彼には才能があるかもしれない。


そして見てしまった。奴隷たちの扱いを・・・


「おらぁぁ、さっさとうごけぇぇ!」


バシッ ピシッ


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁぁ」 


「ぐをぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」 


「があああああぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁ」


鞭に打たれて悲鳴を上げる奴隷たち。痛みに苦しむもの、目が死んでいるもの、その目にゾッとするほどの憎悪を抱いているもの、獣人、人間、エルフ、魔族、男、女、いろんなものが、たくさんいた。


サッ


思わず目をそらしたのを、ザックは無理やり直させた。そして言った・・・


「よく見ろ、目をそらすな。いつか俺たちもああなるかも知れないんだからな。その光景を目に焼き付けろ。今後、何かのためになるだろうから」


「うん・・・」


そう言う私の声は、とても震えていたと思う。いつか私もああなると思うと、恐怖がこみ上げてくる。それに、今すぐ鞭をふるっている男を殴ってやりたい、今すぐ奴隷を解放してあげたい。

でも、それはできない。自分の無力がもどかしい。私は心の中で謝りながら、店を出た。



****



「わかったか?奴隷がどんなものか」


ああ、よくわかった。嫌というほど。私は奴隷のことをよく知らなかった。だから、無意識のうちに楽観視していた。

けど、実際に見ていたら1分も見ていられないひどい仕打ち。おそらく彼は、この仕打ちを見せて、私が無意識にしている楽観を危機感に変えるためにここまでしたんだろう。だからって・・・


「ちょっと、ひどすぎないかな」


この後盗みだってやるのだ。憂鬱でたまらない。それを見て反省したのか・・・


「悪かった。確かに刺激が強すぎたな。まあ、これじゃあ盗みは無理だな・・・」


「じゃあ食料は!?」


「安心しろ。人ごみの中でスッといた」


そう言って子袋を持ち上げる。


「いつの間に・・・!」


「驚くなよ。これからおまえにも教えることなんだからな。でもまあ、今日はとりあえず、食料買ったら帰るか」


「はあ」


こうして、初めての街での一日は過ぎていった。



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