4/9
【転生しても賭ける】
俺には、どうやらユニティーがないらしい。
振り返ると、ミリアが困惑した顔で立っていた。
「こんなこと、ありえない……ユニティーがないなんて……違う、ないんじゃない。消滅してる」
この世界に生きる者すべてに宿る力。
それが俺には――あったはずなのに、消えているらしい。
……まあ、なんとなくそんな気はしていた。
転生したところで、俺だけ特別になれるわけがない。
落ち込みはする。だが納得もしていた。
前世でも俺は、変人だの普通じゃないだの、ろくな意味で呼ばれたことがない。
要するに、この世界でも異物ってことだ。
笑えてくる。
昨日から降り続く雨が、容赦なく身体を打つ。
まるで俺の心みたいだ、と安っぽいことを考えた。
水溜まりに顔が映る。
知らない顔だった。
……いや、違う。
転生した今の、俺の顔だ。
「ユニティーのことで頭がいっぱいで、自分の顔すら見てなかったな……」
癖毛まで前世と同じかよ。
面倒なところだけ引き継ぎやがって。
……これからの生き方を決めなきゃならない。
前世同様に、力のない者は、生きるために悪手を選び、妙手に賭けるしかない。
全部を賭ける。
その果てに死があろうとも。




