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クラスメイトの箱入りお嬢様が、私の百合ラノベのネタになるまで!  作者: 沢谷 暖日
第3章 月江雫という女の子

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第35話 箱入りお嬢様の、お嬢様の部分

 結論から言うと、私と月江さんは週末にお泊まり会をすることとなった。

 ただのお泊まり会ではなく『取材合宿』という名目でだ。

 なんだかこの取材合宿という言葉には、そわそわする響きがある。


 取材となると……例えば何をして過ごすのだろう。

 初めて月江さんを家に上げた時だって、恋人繋ぎしたり頬を触られたりと、色々なことをしたわけで、もし一晩中一緒に過ごすことになったら一体どうなってしまうんだろう。


「……添い寝とか、してしまったりするのかな」


 水曜、木曜、金曜と。授業中は変な妄想ばかりで、あまり授業に集中できなかった。

 ふと最近の私は取材ばかりで、肝心の小説本文を全く書けてない気がするけど……まぁ気のせいか。(気のせいじゃない)


 そしていつの間にやら金曜日の夜。お泊まり前日だ。

 ちなみに穂乃果とはあれから学校で少し顔を合わせた程度で、ゆっくり話せていない。

 恋愛に進展があったら報告する、みたいなこと言ってたけど、特に連絡が来ないところを見るに、どうやらまだ気になる人をデートには誘えていないらしい。


 今はともかく、明日に迫った月江さんとの取材合宿が最優先だ。

 私はベッドに寝転がりながら、月江さんとLINEでメッセージを交わす。


『月江さんの家でしちゃダメなこととかってある?』


 なにせ月江さんはお嬢様である。

 マナーとかに厳しかったらどうしよう。

 そんな不安から送信したメッセージに、すぐに返信がくる。


『特にありませんよ。それに、今度の土日は家に妹しかいないので気になさらず』

『両親はお仕事?』

『はい。父は海外で外交官を、母は外資系の金融機関で役員をしていて、出張中です』


 ……そうか。ほんとにお嬢様なんだ。

 あまりにもハイスペックな両親の職業に、私はスマホの画面を見つめたまま「へぇ……」と間の抜けた声を出した。

確か月江さんって、GPSで見守れてるんだっけ。

 父親が海外で働いていて、母親も出張が多い職種なのだろう。あまり詳しくないけど。

 ならGPSで見守られていることにも、なんとなく納得がいく。


『そういえば明日は夕方からだっけ? どこで待ち合わせにしよっか?』

『では、私が迎えにいきますね。来栖さんの家に』

『いいの? 私が直接、月江さんの家にいこうか?』

『いえ。やはり取材は、家を出てからが取材なので』


 なるほど。遠足みたいなことか。

 よく分からないが、月江さんがそういうのならお言葉に甘えよう。


『ありがとう! 私の家、場所覚えてる?』

『はい。すでに覚えていますよ』

『分かった。じゃあ明日、よろしくね!』


 私が送ると、既読だけが付いて返信は来なかった。

 眠ったかな? そう思った数分後、二つのメッセージが立て続けに送られてくる。


『明日は制服を持ってきてください』

『着替えは念のため、二日分を』


 なぜ、家で過ごすお泊まり会に制服が必要なんだ……。

 ていうか一泊二日だよね? 着替えるようなことになるかな?


『分かった』


 引っかかりを覚えながらも、私は肯定の返事をしておいた。

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