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ヨテイヘンコウ


遠くから爆発音が聞こえ、大気が震える。


ユウト達は、「なっ…なんだ?」目を開けようとする。


集中力が途切れ、メル人形の動きが止まりその場に留まる。


「いい…から。集中してくれ。」


メルの声が弱々しく震える。


「どうしたの?メル!」


「メル…。」


カフエリとフエンもいつもと

様子が違うメルの声に不安を感じとる。


「大丈…夫だ。少し疲れた…だけだ。」


何かを言おうとするが

カフエリとフエンは言葉を

のみ込む。


そしてメル人形へと精神を集中させた。


フエンの操るメル人形達。


その性能は目を見張るものが合った。


なんとフエンと同じ炎の巨鳥を

作り出したメル人形達は、その背に乗っている。


メルも、万能ではない。

精霊を操る能力など無いのである。


かろうじて精霊との軽い会話ができる程度。


そのおかげで虹色のクジラを

頼らずに溶岩の海を越える事ができた。


恐らく、もう虹色のクジラは、誰かを信頼し、その背に乗せる事はもうないだろう。


凄まじい怒りを示し、雄叫びをあげていたから…。


メル人形達は、灼熱の海を越え

始まりの土地へと突き進む。



今、メルの怒りは、周りの

想像を遥かに超えている。


マレビト達率いるノボルの所業


残酷、残忍、その様な表現では収まらない。


メル人形達から送られる惨劇が、メル自身を何か別の形へと変えさせようとする。


だが…。唇を噛み締め、変わらぬ様に必死で自分を抑えているメル。


心のどこかでメルは感じてしまったのかも知れない。


ノボルはこの世に存在しては

いけない、自分と同じ化物だと。


メルは視線の変わらぬ、メル人形の異変に気付く。


ロウガが操るメル人形が真上を向いたまま動かない。



ダッ!物音が聞こえメルは、

意識を今いる場所へと向けた。


手に持つ『思念相石』を投げ捨て憤怒の形相でランドの方向へと走り向かうロウガ。


「まて!行くな。」


メルの大きな声が木霊するが

ロウガを止める事など出来なかった。


異変を感じ取ったユウト達へと

今後の作戦を伝えるメル。


「俺がユウト達を一旦陽炎の町へ運ぶ。」


「ユウト達は引き続き、メル人形達を操り持ち場へと向かってくれ。」


「俺は…。その後、ロウガを追いかけ、ランドに行く。」


いつもなら何か反論をする

カフエリとフエン。


何故か黙ってメルの言う事を素直に聞く。



メルは身近にある、一枚岩の上にユウト達を乗せ、変化の手袋を外した。


片方の背にしか生えていなかった純白の羽根。


アイスメリアの一件で漆黒の翼となっている。


だが更に変わっていた。


六枚の漆黒の翼がメルの背に

生えている。


大きく強く、そして禍々しい力を放つ翼。


強く翼を羽ばたかせると、メルは一枚岩を

持ち上げ大空を飛び、陽炎の町へと

急いで向かう。


◆◆


陽炎の町へと降り立つメル。


以前ならばアユムの結界が邪魔をして直接には入れない。


だがノボルとの戦いでメル人形が自爆した事により結界が破損していた。


フグエルレン達に全てを伝え

ランドへと急ぎ飛び立とうと

羽ばたく瞬間。


フグエルレンに抱えられたアユムは

一言メルに叫ぶ。


「絶対に生きて帰ってこい。」


メルの口角が上がる。


何も言わずにランドへと飛び立って行く。






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