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2月下旬。

江連邸の面々は個々に慌ただしい日々を送っていた。


精霊界と行き来し、情報集めと各部署間での調整、自国である水の精霊国での各種確認、作戦の考案、それと地球での暮らしを並行して成立させる涼。

目まぐるしい忙しさのハズなのだが、そんなことはおくびにも出さず、精力的に全てをこなしていく。



颯は毎日のように大地の精霊王捜索に出掛けていた。

可能な時は涼や焔に付き添ってもらい、以前あった職務質問を躱して高台の公園に向かうのだが、涼が多忙になり、焔も用事があってままならない時は一人でも捜索に出かける。

職務質問されないように周りに気を配りながらだと、案外警官に出会うことなく出かけるのは可能なのだが、やはり術発動時は涼による身隠しの術がないと不安が残る。

そうやって精力的に捜索を行ってはいるのだが、結果は芳しくなかった。



焔はコンビニバイトを辞める意思を店長に伝えた。

焔「家庭の事情で3月の末には一旦国外に行って、戻ってくる目途が付かないんです。急で申し訳ないんですが…」

準備の事も考えると、3月の1週目のみシフトに入り、以降のシフトは外してもらうようにと意向を伝える。

店長「そっか、家庭の事情じゃしょうがないね。」

口ではそう言いながらも、心の底から残念という感情が出て表情はそれを隠せていない店長。

店長「もし焔君が良いんなら、やめるんじゃなくて“お休み”って形じゃダメかな。もちろん復帰の目途は未定でも良いから」

焔「え!?でも未定ってのは迷惑なんじゃ…」

店長「いいのいいの。正直、めちゃくちゃ助かってたし。戻れそうなら日本に戻ってくるんでしょ?」

焔「ええ、そうなんですが」

店長「じゃあ無事に戻って来たらまたよろしくねって事で…。」

あまり考えずに、何気に軽く言う店長。

対して焔は心を込めて返事をする。


焔「…はい。きっと無事に帰ってきます」


妙に力が入っている様に聞こえた焔の最後の言葉に、微小な違和感を感じた店長だったが、“気のせいかな”と軽く流して品出しの仕事へ向かった。


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