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龍王たちが精霊大王王宮来賓室のテラスから天空に飛び立ち、小さくなっていって見えなくなった後、全員が来賓室に戻って天井のガラスレンズを見る。


宣言通り、風の龍王が一番に到着した。

そして比較対象が映像内に現れて、その巨大さを全員が実感する。

(大きい!とんでもない大きさだ!)



一番乗りした風の龍王が、思いのほか相手が巨大な事に少し驚く。

風の龍王「まあ、大きいのはデメリットも多いからね」

そう言って得意の爪による一撃を浴びせる。

あれ?

違和感を感じる風の龍王。

数撃、爪による攻撃を行ってから、風の龍王は違和感の正体に気づいた。

相手が生物ならば、爪攻撃を受けた相手は苦痛による悶絶の叫びをあげるのが常なのだが、その反応が全く無いのだ。

少し遅れて到着した水龍王による氷の槍攻撃にも、炎の龍王による打撃攻撃、地の龍王によるトパーズで生成した剣による剣戟にも、同様にリアクションが無く、手ごたえを実感できないことに調子が狂う龍王たち。

(効いてんのか?)

龍族大王は迷いなく殴り続けているのだが、やはりリアクションは無く、ダメージがあるのかどうかわからない状態だった。

唯一、炎の龍王だけが火炎による攻撃を行った際に、リアクションこそなかったが、相手の面積が減るというのを目の当たりにして手ごたえを実感できたのだった。


そして相手が巨大であるが故に、かつ龍たちの本能ゆえに分散して個々で攻撃を行っていた。

良く言えば分散だが、悪く言えば孤立していたのである。

各々、正面を攻撃すれば、正面部分はおそらくダメージを受けて沈黙するのだが、その周囲部分が胴体を突起させて打撃攻撃をしてくる。

そして油断すれば突起部分がこちらの身体を絡めとり、取り込もうとしてくるのでバックステップする。

そんな戦いを個々が実施していた。



戦いが開始され、かなりの時間が経過した。地球の時間で言うところの丸五日ほどの時間である。

龍族大王と龍王たちは変わらず同様の戦いを続けていた。

なのでじわりじわりと後退している形となり、小さいながらも直接目視できる距離にまで押し込まれてしまっていた。

未だ、目視で見られる姿は小さいので細かな状況などは解らないが、竜族界の他の竜たちの本能は気がついた。


“どうも王たちが強い奴と戦っているようだ”と


竜族界から戦いに気づいた竜たちが、気づいたものから順次、本能のままに敵の方に向かっていく。

しかし、やはりそれぞれが単独で突っ込んいき、正面を攻撃はするが、正面以外の部分からの突起物による反撃をくらって撃墜されていった。


一騎当千ともいえる竜たちが、数撃で迎撃されていく。

持ちこたえている龍王たちと龍族大王が異常な強さであると再認識させられるのだが、その龍王たちと龍族大王ですら押し込まれている状況に、見守っている精霊王たちと精霊大王の一族は恐怖を覚えた。


やがて戦闘しているのは、再び龍王たちと龍族大王のみが残る形となった。

龍王たちと龍族大王は元々助勢などは微塵も期待していないし、そんな発想すらなかったので、他の竜が参加しようが居なくなろうがどうでも良かった。


しかし、そんな戦いがさらに時間を重ね、すさまじく長時間になり、流石の四龍王+龍族大王たちにも疲労が見えてきた。

風の龍王はスピードが落ち、炎の龍王は火炎精霊術を行使する精霊力が底をついていた。水龍王も氷に強度を持たせられず、地の龍王も水晶を生成するのが精いっぱいの様だった。


敵の突起物が容赦なく地の龍王に突進してきた。

地の龍王が防御の為に鉱物の壁を展開するが、肩で息しているほどの疲労からか、充分な強度の防御壁が展開できなかったようで防御壁が粉砕されてしまう。

防御壁を粉砕した突起物は勢いそのまま地の龍王に特攻ともいうべき一撃を食らわせた。

その一撃により、気絶してしまう地の龍王。

気絶してしまった地の龍王に向かって敵の二撃目が迫る。

「チッ!」

視界の隅でその様子を捉えていた龍族大王が舌打ちする。


二撃目が直撃する寸前、鉱石の防御壁が展開され、攻撃を跳ね返す。

龍族大王の地獄耳が背後から聞こえる声を捉えた。

大地の精霊王「内緒にしておいてくださいね。戦いに助力するのは龍にとっては気の悪くなる行為らしいので」

(龍族大王“いったい誰に向かって言ってんだ。振り向いている暇はねぇんだよ”)

そう思いながらも口角を上げる龍族大王だった。


2撃目は食らわなかったが、意識を失ったまま精霊界に落下していく地の龍王。

地面に激突するまえに、大地の精霊王が落下点に行って受け止める。


(大地の精霊王“消耗が激しすぎる”)

わざと“ゆっくり浸透する大地の息吹術”を掛けて地の龍王を回復させる。

即時回復できる“普通の大地の息吹術”も行えたのだが、即時回復した地の竜王が目覚めると、再び最前線に行くだろう。そして再び傷つきながら戦う事を考えると、大地の精霊王はその選択が出来なかった。


気絶したままの地の龍王を抱えて王宮内に入り、椅子に寝かせる。

そして振り返り、再び戦いが行われている屋外に大地の精霊王は出ていった。


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