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それからしばらくの間、大地の精霊王は地球という星の観察と精霊術の実験を継続し続けた。


(観察していると、人間が邪悪な行為をしている時には“邪なるもの”がその影に見える事が多い。“邪なるもの”が取り憑いたから邪悪な行為をするのか、それとも人間が邪悪な行為をするから“邪なるもの”が発生しているのか…。)


( “邪なるもの”たちが去っていく先に、ゲートのようなものが見受けられた。似て非なるものなのか?非なるものだろうが…似ている。もしゲートと似ている機能があるのだとしたら、何処に繋がっているのだろうか)


発見したことを観察ノートに記載していく。



また、観察結果では無いが、大地の精霊国の彼の地で行っている“人間の姿で行う精霊力の実験”の結果も紙に記録していく。


(やはり、化身人化術は先に石板に記したこの方法でないと安心できませんね。人間の姿で精霊力が少なくなった時に、少ない精霊力でも発動できるこの術式でないと不安が残ります。)


(人間の姿では、言葉で術式を言うと術の安定感が格段に上がりますね。私が大地の精霊王だからか、大地の精霊術は発声せずとも発動できるんですが、他のエレメントの術はそもそも発声しないと発動しませんね。術式を発声するとなんとか発動できますが、高度な術は無理そうです。)


(この術とこの術、それにこの術を組み合わせて…もしかしたらイザという時に緊急避難できる術になるかも。危ないんでおいそれと試せないですが…)


試した術式、思いついた術式、思いついた術式の組み合わせ、全てを片っ端から紙に書き連ねていき、冊子にして記録していく。


そうやって膨大にたまった観察ノートと術式などを記録した冊子は、大地の精霊国の彼の地ではなく、居城である大地の精霊国王宮の一室に置かれていた。


久々に大地の精霊国王宮の方を訪れた風の精霊王が、膨大な蔵書を見て感嘆して言う。

風の精霊王「すごい量になりましたね」

大地の精霊王「気が付いたらこんな数になっていました」

そう言って苦笑する大地の精霊王。

大地の精霊王「まさかこれほどの量になるとは思っていなかったので、今となっては少し後悔しています」

風の精霊王「後悔ですか?」

大地の精霊王「私としては石板に記録しておいた方が、扱いや管理が楽でした。丈夫ですしね」


大地の精霊王「でもこれで、可能な限りの準備は行えたと思いますので、近いうちに、(かね)てから行いたいと考えていた“地球へ行って現地調査”を実施しようと思います。」


まだあどけなさの残る風の精霊王が、少し怯えた顔をして言う。

風の精霊王「僕はやはり、未知の星に恐怖を感じます」

そして大好きな大地の精霊王が危険な星に行こうとしている事に、無意識に不安と恐怖を感じているのだった。


大地の精霊王が優しい笑顔で風の精霊王を見ながら言う。

大地の精霊王「そうですね。もしも私の帰りが遅いときは…」

先日、化身人化術の石板を見ていた水の精霊王と触っていた火の精霊王を思い出す。

大地の精霊王「火の精霊王と水の精霊王と三人で迎えに来てください」

そう言ってニコリと笑う大地の精霊王だった。


しかし、重大な事態が発生し、大地の精霊王が地球へ現地調査に行くことは出来なかった。



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