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水の精霊王と風の精霊王は呆気に取られていたが、大地の精霊王はあまり意に介さないような感じで返事をした。

大地の精霊王「人間化する術式を火の精霊王にお伝えする方法ですか…紙のノートは火の精霊王には渡せないので」

そう言って大地の精霊王が誰もいない方に向かって手を伸ばすと、そこに巨大な石板が出現した。文字がすでに刻まれている。

大地の精霊王「文字に意味をのせてみたので、触れると意味を読み取れると思います。どうでしょうか?」

火の精霊王「ああ…意味は解るが、難しくないか?これ」

大地の精霊王「慣れると案外簡単ですよ。それにこの術式だとあまり精霊力を必要としないんです。人化する方も戻る方も。ただ、簡単な水の精霊術が必要となるので…」

そういって苦笑いする大地の精霊王。

火の精霊王「チッ…」


風の精霊王が続けて触る

風の精霊王「やはり難しいですよ。これは」

大地の精霊王「そういえば、他のエレメントの術ですものね。私はあたりまえのように他の精霊術を学んで使いだしたので…。私の感覚がおかしくなっているのでしょうね」


風の精霊王が水の精霊王を“触らないのですか?”といった目で見ると、水の精霊王の指先から高圧の水が噴き出して石板を洗い出した。

火の精霊王「何しやがる!俺が触れなくなるじゃねえか!」

水の精霊王「気にするな。先ほど不潔な炎が触れたところを洗っているだけだ」

火の精霊王「なんだと!」

火の精霊王が濡れたところを乾かすべく、火炎放射器のように手の平から石板に向けて炎を放ちだす。


やがて水の精霊王と火の精霊王がお互いに“発射元を絶とう”と判断して攻撃しようとした時、

水の精霊王と火の精霊王の間にガーネットウォールが顕現した。

そして苦笑いしながら大地の精霊王が言う

大地の精霊王「まあまあ、お願いですから止めて下さい。バランスを保てなくなってしまいます」

やがてどちらともなく術の放出をやめたが顔色は不機嫌のままだった。

しかし大地の精霊王は気にとめずに言う。

「他の精霊が触れるのもあまり良くないでしょうから、洞窟の中に隠しておきますね。」

そういうと先ほどまで荒野だったところに洞窟が出現し、石板は滑るようにその中に入っていった。

大地の精霊王「あとは入口に大岩をかぶせておいておきます。この大岩は王族クラスの精霊力で触れないと退かないように工夫しておきます。これで普通の精霊には侵入できないようになりましたので、間違いは起きないでしょう」


化身人化術を記した石板を隠す一連の流れを、物陰から見ていた者がいた。

こっそりやって来ていたしずくだった。



不機嫌な顔のまま、水の精霊王が水のゲートを開いて帰っていた。

火の精霊王も帰るための大地のゲートを大地の精霊王に依頼するか、と思ったが、

火の精霊王「そうだ!石で洞窟って作れるか?」

大地の精霊王が頷きながら手を伸ばすと、石板を隠した洞窟の隣に、大理石で出来た巨大な立方体が現れた。

中は空洞になっていて、出入り口とも呼ぶべき大きめの長方形の穴があいている部分が1か所ある。

火の精霊王「よし!この近辺には燃えるものを置くんじゃねーぞ!」

そう言って火のゲートを大理石の石室の中で発生させる。

火の精霊王「種火だけ残しておいて良いか?ゲートを開きたいときだけ小さなゲートを開いて、そのゲートからこの火を大きくするからさ」

そう言って小さな火球を顕現させた。燃焼させるものが無いのに燃え続けている、火の精霊王の精霊力による不思議な火球だった。

大地の精霊王「問題ないですよ。それぐらいならきっと」

火の精霊王「よーし!これで思ったときに行き来できるようになるぜ。じゃあな」


帰るべく火のゲートに向かおうとした火の精霊王に向かって風の精霊王が質問を投げ掛ける

風の精霊王「ところでどうして人間化の術式を知りたいと思ったのですか?」


火の精霊王「…」


気恥ずかしくて“いざという時、地球に行って大地の精霊王に助力し、助ける事ができるように”という言葉が言えない火の精霊王だった。


足早に火のゲートに消えていく火の精霊王。


風の精霊王「どうしたのでしょうか」

大地の精霊王「聞こえなかったのかもしれませんね」

(少し足を止めらてはおられましたけど)

そう思ってほほ笑む大地の精霊王。


そして大理石の石室を触りながら、大地の精霊王が言葉を続ける

大地の精霊王「でもこの石室をここに用意することを望まれたという事は、ここへ再訪して石板を見に来たいと思ってくれた、という事ですね」


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