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大地の精霊王が大地の加護をもって空間を跳躍しつなげる能力、ゲート術により、ほかの宇宙の別な世界にある“大地の息吹を感じる星、地球”を観察しながら、まだあどけない幼さの残る風の精霊王に向かって言う。


大地の精霊王「恐竜という生物が衰退した時はどうなってしまうんだろうと心配したんですが、代わって人間が台頭してきた時はすごいなと思いました。基本はあんなに弱いのに知恵を駆使してドンドン発展していますし」


風の精霊王「竜種族のドラゴンほどじゃないにせよ、好戦的なところが少し気にはなりますね」


大地の精霊王「そこは確かに気になりますが、我々のように“存在するだけで成立する者”“完成し完結しているもの”よりも可能性があるのも事実です。このまま良い方向に発展していってくれると良いのですが」


少し離れていた水の精霊王が歩み寄りながら会話に参加する。

水の精霊王「見た感じは大地の精霊王と似ていますね」


大地の精霊王「でもどちらかというと身体を構成しているのは水の方が多いみたいです。水と大地の恵みが絶妙なバランスであの星の多様な生き物を構成しています。それを可能にしているのが恒星との絶妙な距離と星の回転、そして大気の存在でしょう。本当に地、水、風、火が奇跡のようなバランスで成っている、とても興味深い星です」


水の精霊王は大地の精霊王が見たことのないものを持っているのに気が付き、質問をした。

水の精霊王「それは何ですか?」


大地の精霊王「紙という大地の恵みを加工して出来たものに鉱石と水を合わせて文字を記録して残す工夫です。人間が知恵で作ったものなんですよ。もう少し長持ちするように私の手も加えてありますが…」


“記録を残す”という事に意味と存在意義を見出せない風の精霊王と水の精霊王がピンとこない顔をしており、“それもそうですね”と苦笑する大地の精霊王だった。

そしてそれ以前にもう一つ知らない単語があり、風の精霊王と水の精霊王を困惑させていたのだった。

風の精霊王「文字とはいったい何なんでしょうか?」


大地の精霊王「すいません、説明不足でしたね。人間が発明した言葉を形にしたものです。彼らは数十年程度で寿命を迎えてしまう短い寿命の生き物なのですが、これにより多くの仲間に情報を伝える事を可能にしています。」


後に“観察ノート”と呼ばれることになるノートだった。


大地の精霊王「ただ、地球の各地方によって使っている文字が違っているので、その時その時で私もそこの文字を用いて記録しているのです。そこが少し不便なところなんですけどね」


これが“観察ノート”の解読が困難な理由だった。



その後も大地の精霊王は観察を続け、観察ノートは書き続けられて増えていった。

そうやってさらに時間が経過した後、水の精霊国に大地の精霊王が訪れる。


水の精霊王「今日はどうしましたか?」

大地の精霊王「実は少し試してみたい事があって、助力をお願いしたいのです」

水の精霊王「他ならぬ大地の精霊王の頼みです。言って下さい」

大地の精霊王「水の精霊術を教えてほしいのです。そして水の精霊術の加護を少し与えてほしいのです」

水の精霊王「私は構いませんが、良いのですか?」

精霊王が他のエレメントに懇願する形となり、他のエレメントに(くだ)るととる輩もいるかもしれない。そこを危惧している水の精霊王だった。

大地の精霊王「大丈夫です。私の国でも臣下たちが心配しましたが、最後は私の思うようにして良いと言ってくれました。」


水の精霊王「でもどうしてまた水の精霊術を?」

大地の精霊王「先に話題にした地球という星を覚えていますか?」

水の精霊王「はい」

大地の精霊王「ゲート越しに見ているだけだと解らない事が多いので、あの星と似ている環境を作ってみようと思ったんです。ですので火の精霊王と風の精霊王にも加護をお願いに行く予定です」

その発言によって、水の精霊王にはさらに疑問が生まれた。なぜ大地の精霊王はそこまでして地球を知りたいのかと。

水の精霊王の表情により、その思いを察して大地の精霊王が言う

大地の精霊王「やってみないと確証できないのですが、あの星の精霊力の充実さは、他の宇宙の他の世界の星々よりも異常なまでに充実しているようなのです。それを確かめてみたくて」

(水の精霊王“仮にそう思ったとしても、それをやってみようと思って行動に移すとなると…。凄まじき行動力ですね”)

“ほんの数億年前まで、そこにあるだけで完結していたエレメント”からすれば、行動を起こすことも意味の解らぬ行為だったが。…その事を追求しても理解は難しいかと思い、それ以上を聞くことはしなかった。


水の精霊王「では」

そう言って水の精霊王が大地の精霊王に手を伸ばす。

大地の精霊王「良いのですか?王である貴方が(みずか)らの手を煩わさずとも…」

水の精霊王「あなたが王だからこそ、ですよ」

大地の精霊王の思考や行動は良く解らないが、相手を思いやる慈愛の心が心地よい。

それにより水の精霊王は大地の精霊王の事をこころよく思っていた。

水の精霊王の手のひらから精霊力の光が放たれて大地の精霊王を包む。

大地の精霊王は水の精霊王の加護を得た。


水の精霊王「しかし、他の精霊王が他の王の精霊術を使うなど…本当に可能なのでしょうか?」

大地の精霊王「私はほら、特質として、水にも火にも風にも影響を受けにくいエレメントですから。」

そこから数刻、水の精霊王から簡単な教えを受け、大地の精霊王は簡単な水の精霊術なら使えるようになった。

水の精霊王「驚きました。というか目の前で見てもまだ信じ切れていません」

大地の精霊王「正直、私も驚きました」

そう言って二人で笑う。

まだちゃんと発動できるのは10回に1回といった所だが、

大地の精霊王「これだけ出来れば、あとは何とかなると思います。帰ってからもっと練習しますよ。ありがとうございます」


その時、突如部屋の扉が開き精霊が入ってきた。


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