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士郎じょうを客間に案内した後、居間に戻りしずくと対面で座る涼。

事の経過を全てしずくに話す。

流石にしずくも驚きの表情を隠せずに聞いていた。


涼「と言うわけだ。当面、私は日常生活を送りつつ、しばらくは精霊界との行き来を頻繁に行う事となる」

しずく「かしこまりました。では私も戦列に立ち…」

涼が手のひらをしずくに向けて発言を制した。

涼「いや、しずくには引き続き、地球での拠点であるこの家と周辺の守護を頼む。

しずく「ですが!」

涼が水分子糸電話を使い、しずくにしか聞こえないように小声で話す。

涼「士気に関わるので決して他言しないように頼む。万が一、撤退せねばならなくなった時、その撤退先の選択肢の一つを地球とする。そうなると必然的に地球での拠点が必要不可欠となる。ここを守護するというのはそれほど重要なのだ」

しずくが驚愕の表情をする。

涼「もちろん、万が一だ。先に説明した通り、今回は皆で連携して事に当たる。最善の布陣を考えつつ大地の精霊王と合流してイザという時の守備固めが出来れば、撤退など不要となる算段だ」

しずくがうつむき目を伏せる。

涼は数秒目を閉じ、その後退室して自室に戻った。



数時間の後に朝を迎えた。

全員が集合し食事を行う。

数時間前におにぎりを口にしているのだが、習慣化された食事の妙なのだろうか、普通に美味しく朝食を食する面々だった。

そんな朝食の最中、焔が口を開く。

焔「あのさ、今日は学校休もうと思うんだが…」

颯「どうしたのですか?」

体調はリセットされており、不調には見えない。

焔「今日は店長の計らいでバイト休みになってたんだ。良い機会だし、一旦“国”に帰って様子を見て来ようと思ってな」

“国”とは火の精霊国の事である。

焔「あれだ、なんとかはなんとか…、善は…急げ、だったよな。戦えるやつらの数を確認してくる」

姫がにやりと笑って言う

姫『火の民ならば、むしろ戦えない民の数を数えた方が早いのではないか?』

一瞬きょとんとした一同だったが

焔「違いないです」

焔すら苦笑し、全員が笑顔を見せていた。

士郎じょうも和やかな空気を感じて笑っていた。


焔「それでだ、頼みが1つあるんだが」

涼「なんだ?」

焔「やっぱり、ゲートに使える大火炎を起こすと問題があるかもしれねえから、ゲートを頼めないか」

涼が数秒思案して言う

涼「颯、頼めるか」

颯「はい」

涼「私が水のゲートを開いても良いんだが、火の精霊王が水のゲートから出てきたとなると…私たちは今の焔ならそれぐらい問題ないと知っているが、精霊界の者がそれを目撃するとだな」

焔「あ!」

涼が苦笑しつつ言う

涼「まだショックが大きいだろうな。あちらの者からすると」

焔も同意の苦笑をする。


姫『やはり風のゲートは便利だな』

涼「そうですね、水のゲートは水ありきですし。まあ水が無ければ水を発生させれば良いんですが、それもままならない事もありましたからね…。ところで姫」

姫『なんじゃ?』

涼「龍族界でガーネットウォールに阻まれた時、大地のゲート術なら壁を越えられたのではないですか?」

姫『…あれはあれで難しいのじゃ』

涼「…まあ良いでしょう。では以前学ばれました水のゲート術、そちらは覚えておられますよね?」

姫『そっちは多分…』

涼「勉強会の開催が必要ですね」

姫『最強火炎術ならしっかり覚えておるぞ!』

涼「ゲート術もそうなのですが、他の術も覚えておられるか、今一度確認を行いたく思います」

姫が顔を引き締めて発言する

姫『切り札はしっかり覚えておるぞ。切り札の術は練習を欠かしておらん』


涼が思考を逡巡させる。

(涼“姫の切り札は敵に対する強力な一手と成りうるのは判っている。だが姫に前線で戦ってもらうのは…。”)

心中複雑な涼だったが、表情は変えずにいた。


ところで…と颯が焔に向かって聞く

颯「こちらに戻るときはどうするんですか?」

焔「精霊王王宮に風のゲートを使える者がいるんだろう?そこで風のゲート術を頼むよ」



その日、朝のホームルームにて桜 春香に衝撃が走る

(桜 春香“焔君が学校お休み!?”)

今日は2月14日である。

衝撃が走ったのは桜 春香だけでは無かったようで、次の休み時間には学年の他のクラスにも情報が回っていた。

桜 春香を始め、何人かが暗い表情で授業を受けた1日だった。



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