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涼が立ち上がり言う

涼「今の時点で考えているおおまかな流れは…、まずは言うまでもない事なのですが、全員が心身の万全化を行って下さい。次に各王は自国にて軍備を整えておいて下さい。全ての精霊王と全ての龍王より軍備が完了したとの連絡が届き次第、日を決めて精霊界に全軍を集結し軍議と訓練を行います。それまでに私は策を練り、対策を思案しておきます。」


精霊大王に視線を向けながら話を続ける涼。

涼「敵の出現を民に公表するのは、全軍が集結する日がよろしいかと思います。大規模な軍勢にて立ち向かう姿を見せつつ知らせれば、民も安心するでしょう」

精霊大王「うむ。妙案である」


涼「そして我々精霊王は、地球の拠点と精霊界を各々が行き来して事に当たります。ですので文字の書ける者とゲート術が可能な者を連絡担当者に任命して下さい。龍王との連絡を繋いで頂きます」

精霊大王「むっ、すぐに戻っては来れぬか」

涼「諸般の都合により、即日に地球で行方不明扱いとなるのは不都合が多いのです。ですので準備しての帰国となります。ですが一番の理由は戦力を万全にするためです」

龍族大王の眉がピクリと動いた。

涼「我々は地球で、ギリギリまで大地の精霊王を探します。事、防御力という点では彼に並び立つ者が居ません」

涼が龍族大王に視線を移して言う

涼「もちろん、彼の出番が無いに越したことはないでしょうが、万が一を考えて万全の布陣を布きます」



拉致騒動は説明会となり、説明会は図らずも任命式となって終わった。


風のゲートを颯が開き、龍族大王と四人の龍王が竜族界に戻っていった。


そして姫と精霊王達と士郎じょうも地球に戻る段になったのだが…

精霊女王がほほ笑む横で精霊大王が名残惜しく姫を抱きしめる。

気持ちはわかるのでされるがままになっている姫だったが、表情は若干“うんざり”といった顔をしていた。


涼が携帯端末を出して時刻を確認する。

涼「じょう君、全てを話すと言ったのですが、時間がありません。明日以降、日を改めてで良いですか?」

士郎じょう「はい」

焔「もうそんな時刻なのか?」

涼が端末の画面を焔に向ける。

画面で時刻を確認した焔が声を上げた。

焔「うわ、もう深夜じゃねえか」


全員が精霊大王に一礼し、挨拶もそこそこに地球に戻ろうとしたのだが

精霊大王「姫ちゃーん!」

姫「父上、もうお放し下さい!」

精霊大王「もうちょっと、もうちょっとだけ」

ゲートをくぐるのに、さらに若干の時間を要したのだった。



ゲートをくぐり、姫と精霊王達と士郎じょうが地球に戻ってきた。

深夜にもかかわらず、しずくがすぐさま庭に出て出迎え、跪こうとするが、姫がそれを制する。


涼が士郎じょうに言う

涼「すいません。じょう君が人間であることすっかり失念していました」

次にしずくを見て涼が言う

涼「しずく、すまないが夕食の準備を願えるか」

士郎じょう「僕もすっかり忘れていました。いろいろ驚くことが多かったせいか、それほど空腹を感じていませんので、ご飯は無くても大丈夫だと思います」

姫『えぇー。食べねば身体が持たんぞ!食べようよー!』

涼「姫は精霊力を充分補充されており、空腹でも無いでしょう」

姫『空腹でなくとも美味しいものを食べるのは幸福ではないか』

涼「それはまあそうですが」


結局姫に押し切られる形となり、皆で軽くおにぎりとみそ汁を食する事となった。

食事の準備中に士郎じょうは勧められて入浴をする。

姫と涼は精霊界で、そして火と風の精霊王は各々龍族界でリセットを行っており、士郎じょうのみが入浴を行ったのだった。

そして士郎じょうが入浴を終えて、全員が食堂にそろい、食事を堪能する。

姫『うむ、やはり人の姿で美味しいものを食べるのは至福の時間じゃな』


食後、涼が言う

涼「私はこれまでの経緯をしずくに話してから就寝します。皆は先に就寝してください。じょう君はこちらに」

そう言って客間に案内する。

客間には既にしずくが布団を敷いており、すぐに寝られる体制を整えてあった。

客間のふすまを閉める際、涼が言う。

涼「他の士郎家の方々や恩のある方々は元より、人間の皆さんにはこれ以上迷惑が掛からぬようにするつもりです。すでに少し巻き込んでしまったじょう君には申し訳ないのですが」

そう言ってお辞儀をする涼に向かい、士郎じょうもお辞儀を返した。何か言葉を伝えるべきとも思ったのだが、士郎じょうには掛けるべき言葉が何も思いつかず無言のままだった。


布団にもぐり、考える士郎じょう。

(士郎じょう“僕が役に立てることなんて、0.1%どころか0%なんじゃないだろうか”)

今更ながら、そう考える士郎じょうだった。


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