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精霊大王が観測班責任者と解析班責任者に向かって言う。

精霊大王「今後は調査班と解析班も情報の共有を行ってほしい。よろしく頼む」

観測班責任者と解析班責任者が腰を折って、精霊大王への礼の姿勢をとった。


精霊大王が退出を促して、観測班責任者と解析班責任者が退室し、そして扉が閉まるのを確認した後、精霊大王が口を開いた。

精霊大王「聞いての通りだ。早急に対策を行わねばならぬ」

精霊大王が言葉を続ける。

精霊大王「いつまでも隠せるものでも無い。近日中に民に公表する。だがその準備として、早急に全ての王の帰還を命じる」

王からの勅命である。

精霊大王「ただし、何かと準備もあろう。先に観測班が述べたリミットに対策が間に合うよう…よろしく頼む」

そして王による懇願だった。


焔「大王様、発言しても良いですか」

焔が立ち上がって言う。

不意をつかれた形になったが慌てずに頷いて許可を出す大王。

焔「地球で過ごして感じたんだが、対策立てるとか逆算して予定立てるとか、そういうのは向いてないみたいなんです。前線に飛び出して行って思いっきり火をぶっ放すのは得意なんすけどね…。昔はそれでも良かったんだが、前の戦いはそれじゃあダメだった。だから…」

一呼吸置き、涼の方を見て焔が言葉を続けた。

焔「作戦とか、立ち回りとか、その辺全部水の精霊王に任せたいんだ。お前の方が向いているだろう。」

士郎じょう、姫、颯、三人以外の面々が目を見張ってざわめき始める。

そんな中、颯に至っては喜びを隠せずに笑顔を見せていた。


風の龍王「え!!!!?え!?」

水竜王「何があった???あいつ、別人に入れ替わっているんじゃ…」

炎の龍王「あいつ…マジ変わったな。どうなってんだよ」


そして颯が挙手をして発言した。

颯「僕も…まだまだ戦いに関しては無知も同然です。同じように水の精霊王の助力をお願いします」

(涼と焔“しっかり戦えていると思うんだがな…地球での戦いぶりを見ていると”)


涼は表情を変えずに言う。

涼「風の精霊国はそれなりに交流があり、民も問題なかろうが…良いのか焔?」

焔「まあ、いろいろ難しいところもあるから今回だけって事でな」


龍族大王がニヤリと笑って挙手をして言う。

龍族大王「ワシも発言して良いかな」

止められるものが居ないと解っていてのジョークである。

全員が呆気にとられているのだが、龍族大王は構わずに竜王4人を見ながら発言を開始した。


龍族大王「気合い入れろ!!!てめえら!!!」


室内の調度品が全て震える怒声を飛ばした。

本気の声を出せば王宮全体が大きく震えて瓦解した事があり、幾分か抑えられた声ではあった様である。


4人の龍王の背筋が伸び、表情が引き締まった。

龍族大王「火や水や風や土、良いように使わせてくれる代わりに荒事は任されるのが俺たち龍族だ。今がその時だろう」

窓の外の空に視線を送りながら言葉を続ける龍族大王。

龍族大王「ましてや竜族界と精霊界は並び立つ世界だ。前回同様、他人事じゃあ無い」

窓の外の空に、白昼の月の如く浮かぶ緑色の星、所謂そこが竜族界だった。


炎の龍王が立ち上がって言う。

炎の龍王「言われるまでもねえ。前回は確か…まぐれが重なってイマイチな結果だった気がするが、今回はあっという間に終わらせてやる」

水竜王「お前、ホント得な性格してんな…」


龍族大王「…おめえ策はあるのか?」

龍族大王が炎の龍王に向かって言った。

炎の龍王「飛んで行って全力でぶん殴ってやる」


龍族大王「聞いての通り、こいつらはダメだ。元々大人数で行動するのに向いてないんだ、個々が“俺が一番強い”って思っているのが多いからな。まあ、最近はそうでもない者もいるが…」

そう言いながら風の龍王と地の龍王を見る龍族大王。


龍族大王「というわけでだ、こいつらの作戦と指揮もついでに頼むわ、水の精霊王」


これには流石の涼も驚きを隠せなかった。

涼を含めて室内の全員が驚愕した。唯一驚愕していなかったのは発言者の龍族大王だけだった。


怒りの表情を持って炎の龍王が発言する

炎の龍王「おいちょっとまて!流石にそりゃ」

後に続く言葉は“のめねえぞ”だったのだろうが、龍族大王が言葉をかぶせて打ち消した。


龍族大王「やかましい!!!つべこべ言うなら貴様を倒して俺が炎の龍王を継いでやる!!」

(焔“むちゃくちゃだ”)

(涼“戦力を減らしてどうする”)


龍族大王が静かに、しかし力強く言う。

龍族大王「…思い出せよ。俺たちゃ大地の精霊王に大恩があるだろう」

炎の龍王を始め、室内の全員がハッとする。

龍族大王「それを返すんだよ、今回な…」

竜族大王が再び窓の外に視線を移す。

室内の全員がつられて同じ方向を見る。

窓の外の庭には直径20メートルほど、高さは500メートルほどの高さがある飾り気は何もない鉱石で出来た塔が立っていた。

その塔を室内の全員がしばらく見つめていた。


炎の龍王「…わかった。」

残りの3人の龍王も大きく頷いた。


龍族大王が精霊大王を見て頷き、精霊大王が頷き返したあとに涼の方を見て発言した。


精霊大王「水の精霊王よ、今回の邪なるもの討伐軍総指揮官に任命する」

涼が精霊大王の前に出て跪く。

涼「任を拝命し、難事を排します」


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