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姫と涼の、二人の会話に士郎じょうが割って入る。

士郎じょう「おそらく99.9%、なんの役にも立てないと思うんです。だけど0.1%でも何かの役に立てるのなら…」

目に決意を持って、涼をまっすぐ見て士郎じょうが言った

士郎じょう「教えてください」


(涼“彼の優しさに甘えるのは悪手だろう。実際、今回も場合によっては危機一髪な状況だった。そして事によっては彼周辺の人間、それだけではなく人間界全体にも危機が及ぶ可能性があるのでは…”)

逡巡している涼を変わらず真っすぐ見つめる士郎じょう。

そしてその隣で同じく涼を見つめていた姫が頷いた。

その頷きにより、涼も決心した。


涼「わかりました」


涼が小声にして言葉を続ける。

涼「まずは一度地球に戻り、知恵殿に安否報告をしましょう。思いのほか時間は経っていないのですがそれでも…」

そう言って涼と士郎じょうは水のゲートに入っていった。


水のゲートで江連邸の庭の池から出て来る涼と士郎じょう。

気配を察してしずくが屋内から庭に出て涼の傍に控えた。


ゲートを出て、涼はすぐさま携帯端末で士郎知恵に電話する。

涼「すいません。私の都合でじょう君にお手伝いをお願いしていたのですが、没頭するあまり連絡を失念してしまいました」

士郎知恵「ひとまず連絡いただけたので安心しました。そうですね、言ってもまだ中学生なので、出来ればもう少し早くにお願いしますね~。」

涼「本日は都合で私の宅に泊まってもらいたいのです。お願いします」

士郎知恵「外ならぬ涼さんのお願いですからね、okですよ。じょうに“失礼のないように”とお伝え願えますか」

涼に促され、士郎じょうが電話にでる。

士郎じょう「うん。おやすみなさい。お母さん」

そして通り一遍の挨拶を互いに行い、通話は終了した。



涼が傍にいたしずくに向かって話しかける。

涼「心配をかけたな」

しずく「お兄様ならば敵に不覚を取る事などあるまいとは思っておりました故…」

涼「姫、焔、颯、士郎じょう君、全員が竜王達に拉致されていたのだ。まあ精霊大王様も参加されての戯言だったわけだが、じょう君も巻き込まれてしまい、…姫とご相談の上、じょう君にも事情を話す運びとなった」

しずく「!…むつかしい問題もありますが、姫様も心苦しかったのでしょうね。芯の部分は御正直なお方ですから」

涼「うむ」

涼が頷き、そして言葉を続ける。

涼「他にも、我々を拉致した事情などを伺うために、我々は今一度精霊界に戻る。しずくには申し訳ないが…」

しずく「心得ております。この江連邸は地球での拠点。いざという時の為にもしっかり守護させて頂きます」

涼「戻ったら全て話す。よろしく頼む」

涼と士郎じょうは再び水のゲートの中へと消えていった。



再び精霊界の王宮来賓室に戻った涼と士郎じょう。


見渡すと炎の龍王がある程度回復していた。

地の竜王が“回復術_大地の息吹”を行ったのであろう。

しかし、傷は癒えているのだが座り込んで肩を落としていた。

(涼“まあ明らかに完敗だったからな”)

そんな炎の龍王に対して、水竜王が満を持して言った。

水竜王「ざまあないな!炎の龍王!はっはっは」

炎の龍王が怒りの表情で立ち上がり、今にも水竜王に飛びかかるかに見えたが、その前に龍族大王が水竜王の頭をはたきながら言った。

龍族大王「お前も完敗だったじゃねえか!全くお前らは…。帰ったら鍛え直しだ!」

そんなやり取りの後、龍王達は全員、用意された椅子に座った。

そうして室内の者たちは全員着席が完了し、室内で座っていないのは涼と士郎じょうのみになった。


涼がさらに見渡すと上座に用意された席に精霊大王と精霊女王、そして姫が着席されていた。

涼が士郎じょうに小声で話す。

涼「跪いての挨拶を行います。一緒にお願いできますか」

士郎じょう「はい」

会話の後に涼は士郎じょうを促して上座の三人の前に進み、二人で跪いた。


涼「こちらは地球での協力者である士郎じょう殿となります。今回、諸々の事情を説明し、更なる協力を依頼する運びとなりました。今回の席に加わる事をご容赦願います」

精霊大王「うむ。こちらこそよろしく頼む」

精霊女王「姫から伺っていますよ。たしか宿題というものを手伝って頂いているとか…」

跪き頭を垂れている涼の前髪の隙間から、鋭い眼光が姫を捉える。

姫は固まった笑顔であらぬ方向を見て視線を反らした。

精霊女王「あらためて、よろしくお願いしますね。しかし、本当にそっくりですね」

精霊女王は終始にこやかに仰られた。

挨拶が終わって涼と士郎じょうは立ち上がり、士郎じょうは涼に促され、客人として涼の隣の席に座った。


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