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プリンセス・タッコ―(タックル)が直撃し吹っ飛ぶ地の龍王。
地の龍王「いたた…なにしやがる!」
プリンセス・タッコ―により自身もダメージを負う姫。
姫『いででで…』
吹っ飛ぶ前の地の龍王の傍には士郎じょうが居り、唖然としながら吹っ飛んでいく地の龍王と姫を見ていた。
涼「じょう君、無事でしたか」
士郎じょう「………はい、先生。」
少し反応が遅く感じ、重ねて涼が声を掛ける。
涼「大丈夫ですか?」
士郎じょう「あ!はい、大丈夫です。なんかフワフワした感じがして…なんだったんだろ?」
いつもの士郎じょうに戻ったと見て取れて一安心する涼。
―
涼が精霊大王と龍族大王に向かって言った。
涼「さて、色々とお聞きしたい事があるのですが、まずは地の利を此方の有利になるようにさせてもらいます」
そう言って水のゲートを開いた。
涼「ゲートの向こう側は精霊界の王宮来賓室に繋げている。焔、先行してくれ。颯は後詰めを頼む」
焔が頷き、火のゲートを作ろうとしたが、回復が不十分であろう焔を気遣って颯が風のゲートを作り、焔を促した。
颯「焔兄さん、こちらへ」
焔「助かるぜ。ありがとうな」
(涼“いきなり竜王が4人と龍族大王が現れたら精霊界王宮がパニックになるだろうが、精霊界最強の火の精霊王が居れば、まずは大丈夫だろう”)
続いて姫がゲートに入り、精霊大王がそれに続く。
龍族大王が水のゲートの側に歩み寄り、涼に向かって言った。
龍族大王「…手堅いな。しばらく見ない間にずいぶんと手堅くなった。」
“地の利を有利にしよう”という発想を指して言っているのだろうと涼は思った。
龍族大王「…まあ、あの時はきっとそういうのが必要だったんだろうな。俺達には苦手分野だ。頼むぜ」
そう言って龍族大王が水のゲートに入り、4人の龍王もそれに続いた。
そして颯が風のゲートで、涼と士郎じょうが水のゲートで移動し、全員が精霊界に到着した。
―
先行して精霊界に降り立った焔。
やはり精霊界は回復のスピードが段違いに早い事を実感する。
あっという間に焔は精霊力を回復することができた。
(焔“火の精霊国なら、無尽蔵に精霊力を行使できるんだがな”)
そこは仕方がないだろう、他の精霊王もいるのだし。
そう思う焔だった。
そして
(焔“これだけ回復スピードが早ければ、再度炎の龍王が暴れだしてもここならそんなには対処に困らないだろう。そう考えれば無尽蔵と大差のない状況だな”)
「火の精霊王様!?」
声が聞こえて焔が振り返ると衛兵がいた。
焔「そうか、衛兵がいるんだっけか。…ちょっとした客が来るけど、まあ心配するな。あとから涼…じゃなかった、水の精霊王から指示があるから、それまで口外無用だ。よろしく頼むぜ」
衛兵「は、はいっ!」
返事をしたのは良かったのだが…
次に精霊大王と姫がやってきた。
この衛兵は火の精霊王と対面するのも初めてだったのに、さらにやって来たのは普段間近で接する事が無い国主様である。
衛兵に緊張が重くのしかかる。
そして龍族大王と龍王4人、他国の国賓とも言うべき面々が5人も登場。
最後に風の精霊王がやって来て、やっと水の精霊王が到着した時には、衛兵は驚きで疲れきっていた。
涼が精霊大王に向かって話す。
涼「説明の席に女王様も居られた方が良いのでしょうか?」
精霊大王が表情を引き締めて話す。
精霊大王「うむ。あと、観測班と解析班の責任者も呼んできてもらって。」
涼は観測班の名称を聞き、少し緊張して話の内容を予測した。
決して良くない結果を予測したのだが、表情は変えないように心掛けた。
一呼吸置き、涼が驚き疲れを見せていた衛兵に向かって声を掛ける。
涼「聞いての通りです。女王様と観測班責任者、解析班責任者、皆様にご足労願います旨をお伝えください。これだけの人物の会合となると、極めて重要な話となります。ですので極秘にお願いします。」
衛兵「はい!」
そう答えると衛兵は大扉から退出した。
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涼「私は、まずはじょう君を地球に送り届けます」
姫が困惑の表情で涼に話しかける。
姫『…涼、思うのじゃが、この際じょう殿にすべてを話すのはどうだろうか。なんかこうモヤモヤするのだ』
(涼“…姫の性格を察するに、元々隠し事が苦手な御方なのだからお心が晴れないのであろう”)
涼「ですが…」
士郎じょう「すいません、あの…」




