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地の龍王「精霊界と竜族界で戦おうってことなんだって」

姫『なぜじゃ、我々精霊界と竜族界では協力しあっていたではないか。我々が精霊力の加護をドラゴンに与え、ドラゴンたちは物理的な身体能力による力の提供、互いに協力し、助けあっていた』

地の龍王「細かいことは、私はどうでも良いんだけど…姫、もうちょい右によって」

手のしぐさで姫に右に寄るように言う地の龍王。

姫「こうか?」

素直に右に寄る姫。士郎じょうとの間に少し距離が出来た。

地の龍王「そーれ!」

地の龍王が嬉々とした掛け声と共に腕を下から上に振り上げると、地面から薄い赤紫色の鉱石の壁が現れて部屋を二分した。

壁を境に士郎じょうと姫は分断され、士郎じょうのいる側に地の龍王が残っている。


姫『あ、こら!何をする!』

叫びながら壁をドンドンたたく姫。

赤紫色の壁は薄い壁のようで、向こう側の様子が少し透けて見えていた。

薄いがかなり丈夫なようで、姫が叩いたくらいでは傷一つ、ついていない。

壁の向こうの姫に向かって、地の龍王がからかうように舌を出して言う。

地の龍王「やーい、大地のゲート術なら超えられるよ。やれるもんならやってみな」

姫が“ぐぬぬ”といった顔をして地の龍王をにらむ。


地の龍王「さて…」

そう言って地の龍王は赤紫の壁から振り返り、姫に背を向けて士郎じょうの方を向き一歩前に出た。

少し後ずさる士郎じょう。

出入り口の穴は壁の向こうの姫のいる方にあり、こちら側は完全に密室状態だった。


地の龍王が顔を赤らめながら、にこやかな笑顔で士郎じょうに向かって言う

地の龍王「ご無沙汰しております。大地の精霊王様」


姫『…あ!お前もか!!』

姫の壁ドンドンが再開された。

地の龍王「見ての通り、修練を重ねて大地のゲート術とガーネットウォールの術をマスターしました。大地の精霊王様のようにダイヤモンドウォール術には至っておりませんが…如何でしょうか、私の術は」

赤らめた顔のまま、指をモジモジさせながら視線を斜め下に落とす地の龍王。


地の龍王「私としては、大地の精霊王様と争うなど、滅相もない事です。ましてやこの状況…大地の精霊王様のフィールドです。勝負になろうはずがありません」

地の龍王が周囲を見渡して言う。確かに大地の産物である洞窟の中なのだが

(士郎じょう“ど、どうしよう、本当の事を言った方が良いのかな?大地の精霊王さんじゃないって事を…”)

冷や汗を流しながら、士郎じょうが思考を逡巡させる。


地の龍王「せめてひととき、二人きりの時間を…」

姫が『おーい』と叫びながら壁を叩く

ドムドムと壁を叩く打音が続いていた。

地の龍王が姫に向かって眉間にしわを寄せながら「うるさい!今良い所なの!邪魔しないでよ!」と言い、

士郎じょうに向かって笑顔で「今、ガーネットの壁を厚くして、雑音を遮断しますね」

そう言って赤紫ガーネットの壁に向かって手を伸ばした。


壁が厚みを増す直前、姫の最後の声が反対側の二人、士郎じょうと地の龍王に届いた。

姫『似ている人間だー!ただ似ているだけで、大地の精霊王ではないぞー!!』


ガーネットの壁が薄く光り、透けて見えていた姫が遠ざかるように消えてしまった。壁が厚みを増したのだろう。壁の向こうからの音が消え、静寂が訪れた。

その静寂は、地の龍王の言で破られる。

地の龍王「…大地の精霊王様ではない?」

壁の方を向いていた地の龍王が、再び士郎じょうの方に振り返る。

赤面した顔に、プラスして怒気が載っている気がした。

士郎じょう「…は、はい」

思わず正直に答えてしまう。

顔をさらに真っ赤にし、怒気を増しながらも、さらに羞恥の顔色をミックスしながら地の龍王が叫んだ。

地の龍王「こ、殺す!」


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