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士郎家と前田羽美は帰宅の途に就いた。
江蓮邸の面々は居間でクルマ購入に関しての話を続けていた。
しずく「普段乗車する人数…姫様、涼兄さま、私、普段と言う括りですと3人でしょうか?」
焔「ツッコまねえぞ」
涼「まあ、3人か4人かかはともかくだ、そこに加えて近日もう一人増える予定だな。数年以内に出会う予定だ、70%の確率でな」
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数日後、涼が学校から帰宅した際、先に帰宅していた姫から唐突に質問された。
姫『涼!インターネットは見られるか?』
涼「携帯端末かパソコンで見られますが、如何なされましたか?」
姫『学校にて友人たちとクルマの事が話題に上がってな。その際に男子の一人がインターネットの動画サイトで大雪の中で動けなくなった巨大なトレーラーを小さい乗用車が引っ張って助ける動画を見たと言うのだ。あまりに興奮気味にしゃべるので、一度見てみたいと思ってな』
書斎にあるノートパソコンを居間に運ぶ涼。
居間には焔が居り、しずくはキッチンと居間を行き来して夕膳の準備を開始していた。
涼がパソコンで検索を行うと、目的の動画はすぐに見つかった。
雪道で道路から外れてしまい動けなくなった大型トレーラーを、小さな青いクルマがロープで引っ張って道路に戻し、周りのギャラリーからは歓声が上がっていた。
姫『不思議なものだな。大きい方がパワーがありそうなものだが』
涼「そう言われてみれば不思議なものですね」
姫『気に入った!このクルマにしよう。雪道も申し分ない性能だ』
涼「たしかに素晴らしいクルマですね。候補の一つとして検討しましょう」
そういって涼が英語で書かれた動画タイトルを訳し、車名であろう固有名詞をさらに検索すると
涼「動画は海外の様子みたいですが、クルマは日本のクルマみたいですね。」
そこから件の動画のクルマを調べて得た情報によると、もう生産終了しているモデルだった。
姫『じゃが4輪駆動は是非とも欲しい機能じゃ。せっかく遥々野ざま菜を目指してやって来たのに、直前で雪に阻まれて到着できないとなれば悔しいではないか』
焔「タイヤが…なんだっけ?スタッドレスタイヤ?そっちが重要とも言ってたが」
しずくが涼に向かって話す。
しずく「野ざま温泉村に行くかもしれないと考えますと、雪道走行を事前に考慮しておくのが得策かもしれませんね」
涼「うむ、警護目的という意味でも、いざという時に動けないのは頂けないな」
そして口には出さなかったが、姫の希望で野ざま温泉村に行くことになるだろうという予想をしており、高確率でその予想は当たると踏んでいる涼だった。
そしてやはり最も重視すべき乗車人数を再度検討した。
話し合いを行い、5人プラス余裕を見て6人と設定して改めてパンフレットを見てみると選択肢がかなり絞られたが
焔「定員6人って絞るより6人以上ってすると、この辺のクルマも選択肢に入るんだな」
涼「一応、定員7人や8人も選んでおこう」
姫『定員を増やすのであれば以前凄いクルマを見たぞ!バスというクルマでな…』
涼「そちらは普通免許では運転できないのです」
そうやって車種を選定していくと、とある大手メーカーの車種が多くピックアップされていた。
しずく「このメーカーのクルマが多く選ばれていますね」
涼「日本のみならず、世界規模でも有数のクルマメーカーの一つだからな。流石と言えるだろう」
インターネットで検索すると、さすが大手で近隣にもカーディーラー店舗がある。
試乗予約もインターネットで可能となっていた。
涼「歩いて行ける距離に何台かの試乗が出来るカーディーラーがありますね」
まずは士郎知恵と前田羽美に次の日曜日午後はディーラーに出かけるつもりですので昼食会は未開催でとの依頼をし、快諾の返事を頂いてから次の日曜日の午後に試乗の予約を入れた。




