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新聞にはいずれも“クマ出没”、“クマ発見される”といった見出しがついていた。

涼「クマという動物の特徴を覚えているか?」

焔「たしか、体毛は黒や茶色などで、大きくなると2メートルを超える大きさがあり、大きな爪による攻撃力が高く…おい、これって…」

涼「今年はクマの目撃報道が多いように思われる。それでしずくに新聞記事の収集を依頼したのだが…」

焔「どうだった?」

涼「同時進行でインターネット検索を行った際に、政府による目撃統計も公表されているのをしずくが発見してくれたのだが、若干昨年より多いぐらいだな。誤差と言っても良いくらいだ。だが…」

焔「だが?」

涼「全てが報道され、全てが統計に数えられていたかというと…判断が難しい」

焔「…悩んでいても仕方ねえ!ニュースがあったら行って見てみるのが一番手っ取り早いんじゃねえか?」

涼「うむ。その調査に向かう手段としてもクルマ購入を思い立ったのだ。大体が山中奥深い所か、その付近の町だからな」

焔「なるほど」

涼「姫にお聞かせすると、『目撃情報のあった場所全てをしらみつぶしに捜査する』と言い出しかねない、いや、そう実際にそう言われるだろうが、我々の第一の目標は“彼を発見し出会う事”だ」

焔「…ああ、たしかにな」

涼「その為にも彼との遭遇確率の高いこの〇〇市になるべく留まる必要がある。その事を伝えておこうと思ってな」

焔「わかった」

涼が満足した表情で焔の部屋を後にした。



1週間後、予定通りしずくが免許を取得した。

しずく「無事に運転免許が取得できました」

姫『さっそくドライブだ!』

涼「肝心のクルマがまだ未購入です。大きな買い物ですからね。慎重に検討します」


焔の方はというと、まだアルバイトは見つけられていなかった。

週2日から3日程度の限られた時間のみという条件のアルバイトとなると、あまり選択肢が無いのだった。


学校の昼休憩にて会話する

野原 秋奈「焔君、アルバイトはどうなったの?」

焔「家の都合で一時中断してたんだが、そろそろ探すのを再開しようかなって思ってんだ」

桜 春香「そ、そうなんだ」

焔「あんまり時間取れないから、都合が合うとこあれば良いんだけどな。未経験だから慎重になっちまうけど、あまり深く考えずにまずはやってみるよ」

桜 春香「…がんばってね」



放課後、今日は涼と姫と一緒に帰宅する日である。

待ち合わせには少し時間があるし、それまでの間は時間つぶしを兼ねて高等部校舎の捜索を試みる焔だった。

但し、3年生の教室方面には行かないようにと以前教師から懇願されていた。あの事件以来、ある意味有名人であり、トラブルの元ともなりかねないとの判断だった。

焔もトラブルは勘弁願うところであるし、涼も同意見であった。

(焔“やはり気配は感じられないな”)

やがて携帯端末が振動して涼から合流出来る旨の連絡が入り、焔は待ち合わせ場所である中等部校門前に向かった。



門前に到着し、しばらく待っていると姫と涼が中等部から出てきて合流する。


帰路を歩きながら3人は会話をする。

姫『クルマはいつ買いに行くのだ』

涼「車種の検討中です。」

姫『ネット通販で購入するのか?』

涼「流石に大きな買い物ですから、現物を確認して購入しますよ」

姫『まずは野ざま菜温泉にドライブと洒落込もうではないか』

涼「野ざま温泉ですね。長野県北部ですから長旅になりますよ。何はなくとも、まずはクルマですね」



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