表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/125

32

そのような会話をしながら駅からの帰路を歩んでいた涼と焔。

二人は公園の側道を通過し、いつの間にか江蓮邸の門前に到着していた。

涼「ところで駅からの道はしっかり覚えられたか?」

話に夢中で駅からの道をほとんど覚えていない事に気づき、愕然とする焔と、表情を見て察する涼だった。



焔「今なら外出しても良いでしょうか?」

食卓の席にて姫に許可を伺う焔。


以前、焔は人間界に来た初日に、姫と涼に“一般常識が無さすぎる”と外出を禁じられた。

それから数日を経て今回の“外出許可を乞う”発言である。

姫が若干困惑して涼に目を向ける。


涼「先日伝えた注意点“精霊である事をばれないようにする”、“一般常識を遵守し、目立たぬようにする”、以上を守れるのならば、許可しても良いと思います。逆にそろそろ道を覚える必要がある事を先日実感しました」

姫『…よかろう。外出を許可する』

焔「っしゃ!!」

涼「明日の早朝、登校前に主要な場所を案内するので午前6時に起きてジャージを着ていてくれ」

姫『うむ、わらわも同行しよう』



翌朝、ジャージ姿の焔と涼がランニングを開始した。

姫を起こしには行ったのだが、姫は布団に包まりながら『断固欠席する』との宣言をされたのだった。


まずは近々通う事になる学校への道を行く。

涼「私は教師として行動し、姫は中等部、お前は高等部に行くことになる。予定は2週間後からだな。学校内では本格的に単独行動になる」

焔「姫のお勧めアニメで学園生活ってのも若干は知っているが、参考になるのか?」

涼「ある程度は…ウーム…」


次に森林公園に向かう

焔「あれから感知結界の方はどうだ?」

涼「敵の出現は見られないな。元々それほど頻繁に出現していたわけでは無い。ここ最近が異常に頻出している感がある」

ランニングコースを走ると早朝散歩の老人や他のランナーとすれ違う。

涼「人間の情報網も大したもので、もし何処かで被害が出たのならニュースになると思われるのだが…“正体不明の化け物に襲われた”なんて言うのがニュース報道になるかは…微妙だな。公に発表する事はしないかもしれん」


(…親しくなった人間がいる。その人が襲われる前に阻止したい)

焔はその感情に気づかず、無意識にそう考えていた、

涼はその感情に自覚があり、その為の簡易結界網だった。



森林公園ランニングコースの途中にベンチがあった。並んで座り休憩を取る。

涼がポケットから携帯端末を取り出した。

涼「持っておいてくれ。通信手段だ。いざという時に連絡が必要となることもあるだろう」

焔「わかった。恩に着るぜ」


涼がポケットから色違いの同じ端末を出した。

精霊王、火の精霊王に対しては“まさに焼け石に水”ではあるが、少しでも耐久性の高い物をと考えた結果、図らずもお揃いの携帯端末になってしまったのだった。


涼「この画面で電話を掛ける…電話に出るのは押してスライドで…」

涼から焔に基本的な使用方法と注意点がレクチャーされた。


涼「基本的には“便利な機械”なのだが、便利な使い方の一方で誤った使い方をすれば、多くの人に嫌われるような言動を、世界中の人に発信してしまう危険が伴う。そこが学校でも問題になっている。」

涼「必要な事以外は連絡や発信はしねえよ。パスワードを入れて基本は他人には触れられないようにすれば良いんだろ。あとクレジットカード番号ってのは、未成年は知らないに越した事はないんだろう?」

涼「…やけに詳しいな」

焔「テレビでやってたんだ。最初は何のことだかさっぱり判らなかったんだが、似たような番組が何回かあってな、“未成年が親のカードを勝手に使って金が支払えず悲惨な事に”ってニュースからの流れで…」

涼「…そこも悩みの種でな、姫との連絡手段なんだが、いざという時は水の糸電話術で会話も可能ではあるのだが、人のいる場所では目立ちすぎて使えない。逆に携帯端末で会話したほうが人としては自然な状態なのだ」

焔「たしかにな」

涼「だが、そのニュース報道が保護者会議で話し合われて、“中学生には一律持たせない”という意見が大勢を占めている。まあニュース報道やクレジットカード云々の話を抜きにしても、端末自体が高価なものだから中学生に持たせるのは考え物だな」

焔「…高いのか」

涼「その靴の10足分くらいかな。といってもピンとこないだろう?」

焔「まあな」

(涼“労働で収入を得ていないからな。まあ仕方がないだろう”)


涼「あと、この機種は現行機種でも耐久性の高さが評判の機種なのだが…先日のビルでの火炎攻撃ではさすがに耐えられなった。“本気を出す”時は、できれば熱に晒さないようにしてくれ。そうもいかない緊急時もあるだろうがな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ