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涼がこれまでの話をかいつまんで姫に話す。


姫『ふむ、興味深い話じゃな。それに関しては実は我も考えた事があった。丁度よい、火の王よ、組手稽古の相手をせよ』

火の王が涼の方に向い小声で話す

「おい、この身体は身体能力高いんだよな?姫の相手して大丈夫なのか?」

涼「おとなしく、適当にお相手を務めるのだな。ちなみに姫の身体もそれなりの能力だぞ。身長の不足に伴い、間合いの距離に難はあるが…」

涼と話す火の王の背中越しに、姫が叫びながら走って近づいて来た

『行くぞ!そもそも術など使わずとも、武器など使わずとも、鍛え上げた肉体で全力で殴ればよい!』


(涼“これは…アニメかなんかで聞いた言葉でしょうね…“)

(“あと、化身人化しているだけで鍛えてはおられないのでは?”)

とか涼が考えている間に姫は火の王との距離を詰めた。


火の王は姫の方に振り返ったが、まだ行動に迷いがあり逡巡していた。

その隙を姫がついた


姫『必殺!物理パンチ!』

火の王の股間に、姫のこぶしが突き刺さった。



しずく「失礼します。朝食の準備が整いました」

そう言ってしずくが道場のドアを開けた。

しずく「おのれ変質者め、姫様に手出しはさせぬぞ!」

股間を押えてうずくまっている男に向かって叫んだ。


涼が火の王の傍らに屈んで一声かけた

涼「化身人化を…解除せずにしばらくそのままで居てみろ」

火の王「…な、なんで…」

涼「その激痛を体感しておくのは今後の為にも悪くないと思ってな」

火の王「ふ、ふざけるな…」

火の王が化身人化の解除と再施術を開始した。

偉いもので建物に引火をしない様に、低レベル風乗り浮遊の術を併用し少し浮いて行っている。


その傍で姫がこぶしを見つめながらつぶやいた。

姫『こ、この技、物理パンチ…この技は威力が強大すぎる。これほど危険な技だとは…これは封印すべき危険な技じゃな…』



火の王「一時はどうなるかと思ったぜ…」

朝食の場で火の王がぼやく。


この頃になると火の王は普通に箸使いをマスターしていた。

飲み物、液体を口径摂取する事に関しても、初期は固辞気味だったが、今は普通に味噌汁を飲んでいる。最初の食事で“飲み物が無い苦しさ”を経験したことが大きかったようだった。


涼「さて、火の王が人間界で過ごすにあたり、身分など色々な事を設定せねばならない。」

火の王「“せねばならない”のか?」

涼「ああ、警察やそれ以外の人々が、名前や住所を聞いて来たときに、それを言えねば追及が厳しくなるのだ。身分を証明する証書を用意する為にも必要だ」

火の王「…まだ覚えることが増えるのか…」

うんざりした表情を隠さない火の王だった。


涼「ほむら、江蓮焔だ。人間時の名前は勝手に決めさせてもらった。」

火の王「三文字か…それならまだ大丈夫だ」

胸を撫で下ろす火の王だった。

涼「これからはなるべく意識して焔で呼ぶようにする。間違えて火の王と呼びかけては問題だからな。そちらも人間界では涼と呼ぶように意識してくれ」

火の王「わかったぜ、み…涼。…しずくみたいに“涼兄さま”で呼ばなくて良いのか?」

“敬称”というのがまだ学習しきれていない火の王が、普通に“素朴な疑問”として真顔で聞いてきた。

一瞬冗談で“それでも良いぞ”と言いそうになったが、素直に受け入れられても困るので、そこは否定しておいた。


涼「次に年齢なのだが…身長は縮められないのだな?」

火の王「ああ、それは難しいな。化身術に時間を掛ければ出来るかもしれないが、そんなに時間を掛けられない場合を想定すると…」

涼「本当は姫と同い年の14歳で中学2年生になって欲しかったのだが…おそらく175cmくらいのその身長で中学2年生は、居ないこともないのだが目立つのも事実だ。16歳くらいなら何とか…」


実は先日も涼と火の王で似たような話をした事があった。

涼としては同じ年で同じ中学に(できれば同じクラスのクラスメートとして)通う事が出来れば、姫の警護という観点からもベストなのだが…と。

だが、こればっかりは適正の問題もある。

むしろ火の王が水の精霊術を駆使して身体を50%以上水分に変えている事の方が驚愕に値する事なのだ。


玄関の呼び鈴の音がして、しずくが対応に向かう。


涼「…こんなところか」

火の王「こんなところか、じゃねえよ! 住所、誕生日、血液型、覚える事多いぞ!」

涼「あともう一つ、伝えておくべき大事な事が…」


しずく「士郎じょう様が稽古指南の為、起こしになられました。知恵様は少し遅れますとの事です。」

しずくが居間の横を通りすがら、士郎じょうを連れて通り過ぎようとした時、ふすまの隙間から士郎じょうを見た火の王が叫んだ。


火の王「見つけたぞ!用は済んだ!帰るぞ!完だ!the en…」

涼が氷のサルぐつわを作成して火の王の口に当てて発言を遮断し、姫は士郎じょうに向けて“記憶消去術(Forget me not)”を展開した。

(これはたしか…き、気絶した振りをした方が良いのかな?)



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