105
地球の暦で言う4月1日、ついに決戦の日が到来した。
精霊大王王宮テラスより見える広場には幾千の軍勢が集合している。
精霊族と竜種族の総力の集合だった。
。
王宮テラスには精霊大王、精霊女王、精霊姫、龍族大王、4人の龍王、そして風の精霊王 颯、火の精霊王 焔、水の精霊王 涼が立っていた。
まず精霊大王が前に出て言葉を発した。
精霊大王「もはや朕からの言葉は一つである“勝利を”」
次に風の精霊王-颯が前に出て発言した。
颯「必ずや、守り切って見せます。全ての者の帰る場所を」
(“そう、大地の精霊王の帰る場所も…”)
群衆からは歓声が沸いた。
次に火の精霊王-焔が前に出て発言した。
焔「火の精霊たちよ、俺たちはどうしても水と相いれないところがある。けれどもだ、今だけは水の精霊と共に邪なるものを退ける。その為に皆、頼む。今は水の精霊と力を合わせてくれ」
焔が火の精霊王の姿から化身人化術で焔になり、水の精霊王に向かって手を差し出した。
水の精霊王も化身人化術で涼となり、その手を握る。
風の精霊王も化身人化術で颯となり、二人の間に立って自身の両の手を握手された焔と涼の二人の手の上に載せ、そして微笑した。
公衆の前で3人の精霊王が手を取り合った歴史的瞬間であり、火の精霊王と水の精霊王が触れ合ったのを公衆が初めて見た瞬間だった。
群衆から一際大きな歓声が発せられた。
そして水の精霊王-涼が手を取り合ったまま発言する。
涼「これだけの者が力を合わせるのだ。勝利は約束された」
群衆から最も大きな歓声が発せられる。
涼が握手されていない方の手を上げて叫んだ。
涼「進軍開始!」
広場から手筈通り、火竜軍と地竜軍が飛び立ち、テラスから炎の龍王と地の龍王が飛び立ってその先頭に合流する。
焔、涼、颯は手を放し、それぞれ火の精霊王、水の精霊王、風の精霊王と本来の姿に戻った。
そして火の精霊王-焔は二人と頷きあい、次に精霊大王と精霊女王に礼をする。
精霊大王は手を上げ、精霊女王は手を振ってそれに応える。
姫はすでに四人に分身しており、姫(赤)が精悍な笑顔で精霊王-焔を見て頷き、焔が頷き返すと姫(赤)は焔の背中にまわって術を開始した。
風のタスキが焔の身体を駆け巡って焔を固定し、風乗りの術によって焔と姫(赤)は飛翔を開始し、瞬く間に先陣の軍勢の中に消えていった。
次に第二陣、水竜軍が飛翔を開始し、水の精霊王-涼が先ほどの焔+姫と同様に姫(青)の助力によって飛翔し、軍勢に合流する。
そして第三陣として風竜軍と合流すべく風の精霊王+姫(白)と姫(茶)がテラスより飛び立った。
―
軍勢が飛ぶ。
翼を持ったドラゴンの軍勢と、姫の風乗りの術の助力を得て飛翔する3人の精霊王、そして飛行が可能な風の精霊たちの混合軍が、天空の彼方より迫りくる敵“邪なるもの”を撃つべく進軍していた。
精霊王王宮広場には、先の闘いにおいて残された鉱石の塔があった。
直径20メートルほど、高さは当初1000メートルほどあったが、戦いの過程において最終的には500メートルの高さとなった塔。
その塔を横目に見ながら、それぞれがそれぞれの想いを抱いて敵を撃つべく飛び立っていく。
塔の先端500メートルを超え、軍の先頭に立つ火の精霊王-焔が上空1000メートルに達した所で進軍が停止し、軍は作戦通りの布陣を敷いた。
まずは焔一人が100メートルほど離れ、その後ろに第一陣の炎の龍王と地の竜王の軍が展開される。




