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【チュートリアル中層、完全攻略】

【チュートリアル中層、完全攻略】


東京ダンジョンの浅層から始まった合気武道部員たちのチュートリアルは、数週間のトライアンドエラーを経て、ついに『中層』での実戦訓練へと移行していた。

薄暗い洞窟内に、無数の低級悪魔やミノタウロスがひしめく中層。しかし、彼らの動きはすでに、持子の極黒の魔力に適応し「S級」のポテンシャルを開花させた一年生・三年生たちの敵ではなかった。


『みんな、右奥からミノタウロス三体! さらに上空からガーゴイルっす!』


部員たちの脳内に、佐藤陽翔の念話テレパシーが響き渡る。全員が魔力に覚醒したことで、意思疎通はもはや言葉を必要としなくなっていた。


『千手先輩、森先輩、蒼真は前衛でミノタウロスを抑えて! その隙に高橋さんは刀でガーゴイルを迎撃! 阿部ちゃんと紗良ちゃんは杖で牽制しつつ、回復待機っす!』


視野の広さと狡猾さ、そして何より生き残るための「しぶとさ」を持つ陽翔は、いつの間にか合気武道部の完璧な司令塔(指示役)として機能していた。


『……指示は的確ですが、阿部さんをちゃんと呼んだのに私を「紗良ちゃん」と呼ぶのがキモいです。死んでください』

『ひどいっ!? 俺、前世で紗良ちゃんの村でも焼いた!?』


南原紗良の極寒のシベリアのように冷たい念話 が響くが、その実、彼女の内心は(私の指示を出してくれる佐藤くん……頼もしいです……♡)と好意で満たされている。


『無駄口を叩くな、陽翔。行くぞ』


無口で硬派な門蒼真 が先陣を切り、巨漢のミノタウロスと激突する。

千手美貴、森盛夫、そして門蒼真の三人は、自身の身体に極めて分厚い「魔力の層」を纏っていた。彼らは魔力を遠くへ飛ばしたり、複雑な形に作り変えたりするのは苦手だったが、その代わりとして物理的な攻撃力と防御力が異常なまでに跳ね上がっていた。


「見えない入り身、いくよーっ!」


千手美貴が、バキバキに鍛え抜かれた鋼のような筋肉 と分厚い魔力装甲を活かし、水飛沫すら上げない最速のスピード でミノタウロスの懐に潜り込む。円の理を用いた『裏落とし』で、巨体を脳天から石の床へ叩きつけた。


「……鉄壁の十字受けだ」


森盛夫もまた、ミノタウロスの凶悪な斧の一撃を、魔力で強化された両腕で完璧に正面から受け止め、刀のように鋭い崩し であっさりと制圧していく。

一方、中衛〜後衛の女子三人組。彼女たちは魔力を纏うだけでなく、魔力で自身の得意な「武器」を作り出す術を身につけていた。


「持子先輩の完璧な魔力をイメージして……出ました! 魔力杖です!」


元バレエダンサーで身長180センチの阿部凛花 が、極黒の魔力で構築された長杖をスッと構える。

隣では、南原紗良も自身の魔力で杖を生成していた。


「摩擦係数と重心の移動を計算すれば、魔力での武器構築も容易ですね。……冷酷無比な崩し、行きます」


二人は合気杖の理合いを用いて、接近してくる魔物の足を的確に払い、理詰めで体勢を崩していく。


「私は刀です! 教科書通りの美しい型には、刀が一番似合いますから!」


高橋玲央は、日頃から完璧にケアされた美少女フェイス を凛と引き締め、魔力で生成した日本刀を構えた。プライドが高く完璧主義の彼女 は、ガーゴイルの急降下攻撃を完璧な入り身投げと当身、そして刀の斬撃を織り交ぜて次々と撃ち落としていく。


『ギャルルルルッ!!』


その時、死に体のガーゴイルが最後の一撃とばかりに、後方で指示を出していた陽翔に襲いかかった。


「佐藤くん!」


玲央が叫ぶが、陽翔はヘラヘラと笑ったままだった。

ガーゴイルの鋭い爪が陽翔の身体を吹き飛ばし、石壁に激突させる――かに見えた瞬間。


「ふぅ、あっぶね! 天才的な受け身でノーダメージっす!」


陽翔は空中でクルリと身を捻り、無意識に力を逃がして無傷で着地していた。どんなに凄まじい打撃を受けても、天才的な受け身のセンスを持つ彼を殺すことは極めて困難だった。

さらに陽翔は、右手に凝縮させた漆黒の『闇のボール』をワインドアップの美しいフォームから全力で投げ放ち、ガーゴイルの頭部を遠距離から粉砕した。


「……チッ。生きてましたか」

「紗良ちゃん、今本気で舌打ちしなかった!?」


戦闘が一段落すると、怪我の手当てが始まる。魔力操作に長けた陽翔、凛花、紗良の三人は、なんと回復魔法まで習得していた。


「蒼真、ちょっと擦りむいてるっすよ。ヒール!」

「……助かる、陽翔。俺も極限まで強くなって、持子先輩のおっぱいを見るという煩悩を満たすために、まだ死ねないからな」

「お前、相変わらず顔と目的のギャップがすげえな……」



***



「ふははは! いいかお前ら!」


休憩中、極黒の魔王・恋問持子が腕を組んでドヤ顔でレクチャーを始めた。


「魔力っていうのはな、こう、丹田からグワァーッて集めて、指先からバァーン!って撃つんだ! もしくはギュルルルッて渦巻かせて、ドガァン! だ! わかったな!」

「「「…………」」」

「さすが持子先輩! グワァーッですね! 完璧です! 私も早く持子先輩の下僕になっておっぱい揉みたいですぅぅっ!」


狂信的な持子信者である凛花 だけが目を輝かせているが、他のメンバーはポカンとしている。


「……全く論理的ではありません。擬音ばかりで意味不明です」

「私も同感です。完璧な型から程遠い説明ですね」


紗良と玲央が冷ややかにツッコミを入れる。分からないことは、隣にいる規格外の下僕たちに聞くのが一番だった。


「エティエンヌさん、この刀の魔力構築、もう少し効率的に美しくできませんか?」

「ええ、玲央さん。ここはこうして、魔力の流れを水のように……」


金髪の絶世の美女、エティエンヌ は、その優雅で丁寧な教え方から女子部員(特に玲央や紗良)から絶大な支持を得ていた。


「アスタルテさん、あの……バフを、もう少し……」

「ふふっ、蒼真くん。お疲れのようですね。もっと豊穣の光をたっぷりと注いで差し上げますわ♡」

「……すさまじい……美しすぎる……」


男子部員(特に陽翔や蒼真)は、豊穣の女神・アスタルテの規格外の神乳 と圧倒的な母性に煩悩を刺激されまくり、鼻の下を伸ばしていた。



***



そして、中層探索の最終盤。

巨大な群れを相手にした激戦の中、司令塔の陽翔がさらなるチート級の覚醒を見せた。


「みんな、囲まれたっす! でも……これなら!」


陽翔が両手を前に突き出すと、彼の背後から持子の代名詞でもある『極黒の闇の手』がドバァッ! と何本も伸びたのだ。


「うおおおっ! 闇の手、いけえええっ!」


陽翔の操る無数の闇の手が、中層の魔物たちの四肢を的確に捕まえ、身動きを封じていく。


「ふははは! おお! 佐藤、わしの闇の手をマスターしたか! 素晴らしいぞ!」


持子が手を叩いて絶賛する。


『陽翔が動きを止めたぞ! 一気に押し切れ!』


森の念話の合図と共に、千手と門が物理で粉砕し、玲央の刀と阿部・紗良の杖がトドメを刺していく。

こうして、規格外の魔力とチート級の成長速度を手に入れた合気武道部の面々は、東京ダンジョン中層のチュートリアルを、完璧な連携と笑い声と共にクリアしていくのであった。


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